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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2007年07月03日(火)
出席者 桜井正光 代表幹事
小島邦夫 副代表幹事・専務理事

冒頭、桜井代表幹事より「2007年度(第22回)夏季セミナー」(7/12-13 軽井沢にて開催予定)の紹介があった後、記者の質問に答える形で(1)日銀短観を踏まえた景気認識と利上げ、(2)久間防衛相の辞任、(3)労働三法、(4)党首討論、(5)日本経団連のサマータイム試行的導入、について発言があった。

Q:日銀短観では、大企業、製造業の景況感が高水準であることが示されたが、改めて、現在の景気認識について伺いたい。また、市場では8月以降の利上げ観測が高まっているが、日銀の追加利上げの是非について、お考えがあれば伺いたい。

桜井: 昨日、日銀短観が発表された。前々回(6月5日の定例記者会見で)、経済同友会の「景気定点観測アンケート調査結果(速報)」を発表したが、経営者の景況感は、その前(の調査結果)と同じく横ばい、拡大よりも現状維持が増えていた。今回の短観でも、全体としては緩やかな拡大、これは現状維持ということだと思う。我々としても、減速するという実体感はない。特に大企業を中心に、緩やかな拡大という傾向が、実感としてもある。短観にもあったが、中小企業には、前回の予測よりも減速感がみられる。原油価格の上昇から、素材産業に少し勢いが感じられなくなったということだと思うが、これは今後、大企業中心、輸出中心(の産業)が底堅いので、日本経済、日本市場は、これから全体的に上がってくるという期待を持っている。そういう意味で、緩やかな回復基調は、今後も続くと思っている。

金利については、いまは低いという気持ちは当然ある。それなりの健全な金利に向けた動きは、日銀が言うとおり、経済、物価等を見つつ、しっかりとした判断をしていただきたい。

Q:大企業は底堅いので今後全体的に上がってくる、という発言があった。中小企業からすると、利上げということになると借入金の負担なども増えてくる。持続的な景気回復という意味で、中小企業に向けて対策を打つべきというお考えはあるか。

桜井:専門家ではないのでわからないが、やはり(金利が)低いことに対する問題はある。とはいえ、やはり経済と物価等をしっかりと見たうえで、景気を減速させないような運転、マネジメントを大前提に置き、それなりの経済と物価のなかで(金利の)適正化を図っていくことが必要でしょう、ということである。中小企業については、大企業と中小企業はそれなりの連携をとっているので、長期的に大企業の業績向上が続いていけば、中小企業にもそれが転換できていくと期待している。

小島: 今回の短観を見ると、中小企業ではおそらく、仕入れ価格は上がっているが販売価格が上がらない、ということが起きている。これは正に、価格転嫁がうまく動いていないのだと思うが、経済が強ければ、時間の経過とともに次第に(価格転嫁も)進んでいくと見て良いのではないかと思っている。

Q:利上げについて伺いたい。昨年、経済同友会は、経済界の先頭を切るかたちで「利上げに踏み切るべきだ」と提言され、大変注目された。その後、わずかではあったが利上げが実現した。今の時点では、当時の局面とは大分違っているという認識か。

桜井: 違っている。当時は量的緩和もあり、ゼロ金利は成長を遂げていくために非常に問題であったし、適正な金利にしていかなければいけない、やはり上げたほうが良い、ということであった。現在は、日銀が判断することではあるが、金利をいつどの水準にしていくかについては、やはり経済の情勢や消費者物価等を考えて、(経済を)減速させず、しかし適正な金利を、という判断であろう。CPIはまだマイナスであるし、経済についても中小(企業)の問題もあり、現時点で前回の様に、金利について率先して申し上げようとは思っていない。これは日銀が責任を持って決めることであり、いまはそれを尊重しなければいけない時期であると理解している。

Q:先ほど、久間防衛大臣が「原爆投下はしょうがない」発言で、官邸に辞任を申し入れられたということである。久間防衛大臣の発言と辞任申し入れについての所見を伺いたい。

桜井: (久間大臣が)辞任を申し入れられて、総理がそれを了承したということであるが、総理が了承する以前の問題として、やはり防衛大臣の「しょうがない」という発言は非常に遺憾なことであり、被爆国・日本国民の気持ちや、日本のこれから、最終的には核の廃絶をしっかりと推進していくという日本の立場から考えても、非常に問題発言だと思っていた。進退等の問題についても、基本的にはご本人の判断が重要だと思っていた。従って、今回辞任をされたとのことで、ご本人の意思を当然尊重すべきという感想である。

Q:安倍政権になって、閣僚の問題発言が相次いでいる。総理の元で緊張感に欠ける、論功行賞人事の歪みがいま露呈しているなど、さまざまいわれているが、どのようにお考えか。また、ある意味たがが緩んでいるような政権に対して意見はあるか。

桜井: たがが緩んでいるとは思わないが、人事の問題を我々が評価することは難しい。論功行賞や好き嫌い等ということは、特に感じていない。日本が、少子高齢化のなかで成長を遂げていくためには、大変に重要な大きな課題がたくさんある。そのようななかで、緩みなどというものはあってはならないし、あり得ない。そのような要素ではないと思っている。

Q:今国会では社保庁の改革等の問題、年金の時効の問題等が優先され、労働三法が見送られるかたちになった。残業代の割増率や最低賃金の引き上げ等、さまざまな要素があるが、この労働三法の扱いについて、どのようにお考えか。

桜井: 今回、労働三法が議論できなかったのは、いろいろな重要法案があり、それを処理するなかで、審議を尽くす時間がないということだったと思うので、物理的に仕方がないと思う。労働三法そのものについては、裁量性の問題についても、残業代の割増をいくらにするかとか最低賃金等よりもむしろ、新しい労働環境、雇用環境のなかで、雇用制度というものがどうあるべきか、ということが重要である。その意味でも、次期国会でしっかりと議論をしていくことが大事だと思う。

Q:参院選が近い。先日の党首討論でも話があったが、参院選の結果による総理の責任の取り方について、お考えがあれば伺いたい。

桜井: 参議院議員選挙は政権の問題を扱うという趣旨のものではないと思うし、それをもとにして進退をどうするかということは、今のところ考える余地はないと思う。

Q:先日の党首討論で年金問題が大きな争点になった。安倍総理は、民主党の年金改革案について、財源のところが非常に曖昧で不明確ではないかと話していた。民主党と同友会の改革案はかなり似ていると思うが、その辺りをどのようにお考えか。

桜井: (同友会の案と民主党の案では、)基礎年金部分の税化は同じであるが、比例報酬部分については少々違う。大きな違いは財源としての消費税あり方だ。同友会の案は、基礎年金部分を消費税でまかなうためには、新たに9%分の消費税が必要であり、つまり最低限消費税は14%必要だということである。民主党の提案では、消費税は上げず、現消費税5%すべてを基礎年金に充当し、現消費税の使用財源は行財政改革の徹底で生み出すことが出来るといっている。先日の党首討論での安倍総理の質問は、基礎年金部分だけでも現消費税5%では不足するし、また行財政改革の中身と数字的裏付け、実現可能性についてのものだった。

Q:そういう意味では、民主党のマニフェストは、消費税上げを書かないが故に矛盾が出てきているという気がするが、いかがか。財源として、消費税を明確にすべきとお考えか。

桜井: 消費税をどのように組み込むべきかを明確にすべきだろう。消費税を上げないというならやはり財源をどう確保するのかを明確にしないと、財源なしの提案になってしまうと思う。安倍総理は、かなり詳しく、民主党の施策をすべてトータルすると35兆円必要だと数字で示していた。消費税で基礎年金をまかなうのであれば5%では足りないだろう、またその他の部分はどう確保するのか、という議論だった。政権公約としては大変大事な点だったが不明確なままだった。マニフェスト検証大会でもアピールしたが、選挙期間中に、年金制度改革に対して国民が分かる具体性のある内容を提示していくよう期待している。

Q:日本経団連が、8月の1ヶ月間、事務局を対象にサマータイムを行うことを明らかにしたが、それに対する見解を伺いたい。

桜井: 前回もサマータイムに関する質問が出たが、サマータイム自体は、実施すれば温暖化効果ガスの排出削減やワーク・ライフ・バランスの向上という点で効果が期待できるだろう。否定するつもりはない。ただし、サマータイムは、国全体で実施するかしないかの話であり、実施する場合には、システム構築を含めていろいろな問題、課題が出てくる。この課題にどう対応していくかということだろう。つまり、インフラやコンピュータ・システム、そして生活、ワークとライフのスタイル等、そのようなことを含めて広い分野で、課題と対応策を事前に検討すべき話である。要はシステムの話であり、時間というものは、生活スタイルや仕事のスタイルに非常に大事な要素なので、ここに混乱があってはならないということで、この予備段階をきっちりと済ませることが大事である。サマータイムは、基本的には実施したほうが良いとは思うが、その準備や是非論を含め、国民レベルでしっかり議論し、コンセンサスを形成する必要がある。

Q:そういう意味では、議論を提供した日本経団連の試みを評価されるということか。

桜井: 議論を提供したということでは良いのではないか。いろいろな国民の議論になれば良い。

Q:同友会として追随されるお考えはないか。

桜井: 同友会としては、議論を国民レベルで行うことをいかに刺激するか、あるいは設計していくかという提案は必要だと思う。ただし同友会の事務所、事務局については、テスト・レベルで言えば、すでにフレックスタイムや裁量労働制を導入しており、ある意味ではサマータイムのテストを実施している。

(文責: 経済同友会事務局)

以上


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