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臨時記者会見発言要旨

日時 2005年12月26日(月)15:00~
出席者 北城恪太郎 代表幹事
渡辺正太郎 副代表幹事・専務理事

記者からの質問に答える形で、(1)企業不祥事への短期的対策、(2)セブン&アイHDとミレニアムリテイリングの経営統合、について発言があった。また、2006年度副代表幹事の内定を発表した。

【以下、本日解禁】
Q:2005年を振り返ると、大きな事故など企業不祥事が相次いだ。これまでCSRやコーポレート・ガバナンスなどの観点から方策を提案されているが、実際には不祥事が絶えない。長期的にはそのような企業は淘汰されていくだろうが、短期的に成果を収めるにはどうすれば良いとお考えか。

北城: 耐震強度偽装問題については、処分や建築基準法違反の罰金など、このような不正に対する抑止力が弱かったと思う。日本社会はこれまで、どちらかと言えばそれぞれの人々が善良に活動することを前提に、いろいろな仕組みが作られてきたと思うが、今後は、不正を行うような人が出る可能性を踏まえて、経済犯罪についても厳しいペナルティが必要だ。まずは抑止力が働くような仕組みが、それでも不正を働く人が出てくるため、それを防ぐための検査の仕組みなどが必要だ。さらに、これまで多くの消費者が、企業の活動を信用してきたが、買い手側の自己責任も要求されてくる。どういう会社からものを買うか、その会社はどれだけ信頼できるか、というブランドに対する評価も、購入者側としての責任を要求されることが、事例として出てきたということだ。例えば(マンションや戸建を購入する場合)、信頼できる企業のものは高くて狭いので、もう少し安くて広く提供されるものを買おう、ということがあるが、それは同じような信頼度がある、という前提に立っていた。しかし今回の事例では、良いものにはコストもかかるが、それに代えられない信頼や安心感があるということも出てきた。これまで、いろいろなものを購入する際に、自分の責任をあまり考えてこなかった日本社会だと思うが、これからは、自己責任についても考える必要がある。

一方、個人消費者が耐震構造の計算をすることは非常に難しいので、情報を開示するための仕組みを整備しなくてはならない。情報開示を進めると同時に、自己責任を追及する社会にしていく必要がある。

渡辺: リスクに備えた情報が最も重要なので、その辺りを一度総点検する必要があるだろう。顧客が、リスクが起きたときにどうなるのかという関心を持てば、供給者もそれに対する安全な備えと情報提供をするようになるのではないか。

北城: 日本はこれまで安全と安心の社会だったが、事故は起きる。特に、コンピュータのシステム障害の可能性もゼロではない。コンピュータ・システムは止まるリスクがあり、そのリスクを防ぐためにどういう対策を取るか、ということは企業経営のひとつのコストだ。2007年問題ではないが、複雑なシステムに対応するベテランの技術者がこれから退職していく。それに対し、大規模な基幹業務の複雑なものについて扱うノウハウを若い人に伝達することを重視してこなかったという問題が、ここへきて顕在化しつつある。リスクに対する投資の必要性について、セキュリティだけではなく、システム停止あるいは安全も含め、今回警鐘を鳴らしていると思う。

渡辺: スピードや取引量について、これまで経験していた次元よりもう一段リスクが増している。そういうことに対する備えをもう一度やり直すということだ。

北城: 絶対に止まらない、事故の起こらないシステムはできない。事故が起きたときやシステム停止の被害や影響をどのように最小限に抑えるか、というのもひとつの技術だ。障害が起きてもシステム全体がうまく動くように作るのも、システム工学のひとつなので、絶対に止まらないシステムを作ったといって安心していること自体がおかしい。

Q:本日、セブン&アイHDとミレニアムリテイリングの経営統合が発表されたが、これについてコメントをいただきたい。

北城: いろいろなビジネス・モデルを構築して、企業業績を上げよう、会社の成長を図ろうとする動きが出てきていることは、大変好ましいことだと思う。特に、セブン&アイHDからすると、より富裕層を対象とするような事業領域に拡大していきたいという意向があるようだし、百貨店業界としても、大量の仕入れや企業運営のノウハウを活かせる会社と一緒になることは好ましいと思う。いろいろな取り組みが行われること自体は、非常に良いことではないか。これが、日本経済の活力にも結びついていくと思うので、これから大きな成果が出ることを期待している。

これに限らず、いろいろなM&A、提携、合併が行われること自体、経済の活力という意味では良いことだと思う。新たな展開で、いろいろな企業がより新たな価値を作る、あるいは成長するということで努力をすること自体、非常に良いことだと思っている。

渡辺: 野村プリンシパル・ファイナンスは、どこかに長期的株主を見つけなくてはならないという点があったと思う。株式相場の企業価値も良い評価がされ出したときに、買い手が見つかった。イトーヨーカ堂グループもホールディング化したことが、今回の統合をやり易くしたこともあるだろう。世界にはウォルマートやカルフールなどの量販店があるが、百貨店業務と一緒に経営しているところは少ない。百貨店専業の企業から見ても、違った事業形態をどのように運営していくかについては、注視されるだろう。

北城: 同じ流通業界ではあるが、ノウハウが違う企業が一体になり、そのノウハウを活かして成長戦略を試行することは非常に良いことだと思う。結果として成果を出すかどうかは、経営者のこれからの努力にかかってくるだろう。M&Aにおいて、自社の事業領域とあまりにも遠い分野で統合することは、米国のコングロマリット化をみても、あまり成果が出ておらず、本業回帰が行われている。今回の統合は本業に近い分野なので、相乗効果が狙えると思う。

Q: 2006年度副代表幹事の内定について、2期4年の任期を延長された理由について伺いたい。

北城: 2年前、「代表幹事ならびに副代表幹事の任期を1期2年、最長2期4年まで」と定款を改定した。これは、できるだけ多くの経営者に経済同友会の活動に参加していただこうということで決めた。代表幹事の任期について、最長2期4年の任期は生きている。今回2期4年の任期満了を迎える副代表幹事は4名、2007年度には6名となる。経済同友会の副代表幹事の構成、事業分野、得意な経験分野を考えると、2期4年で全員退任という仕組みそのものは、やや無理がある。2期4年は原則とするが、経済同友会活動での貢献や各々の事業分野の構成などをみて、3期6年までの再任を認めた方が、柔軟性が取れるだろうということだ。既に幹事会の承認を得ており、2007年4月の総会に諮る予定で、改訂の方向だ。

(文責: 経済同友会事務局)

以上


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