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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2005年11月21日(月) 14:00~
出席者 北城恪太郎 代表幹事
渡辺正太郎 副代表幹事・専務理事

冒頭、代表幹事より「第31回日本・ASEAN経営者会議」について紹介があり、その後、記者の質問に答える形で(1)日本ASEAN経営者会議、(2)株価上昇、(3)エレクトロニクス業界の業績、(4)IT投資促進税制の期限延長、(5)プーチン・ロシア大統領の来日、について発言があった。

Q:日本・ASEAN経営者会議には、日本から何名が参加されるのか。

北城: 28名が参加する。タイやASEANは、日本からの投資を更に拡大して欲しいと考えている。中国がASEAN諸国と経済連携を強めているが、中国だけに傾斜することへのリスクも感じているようだ。これまで日本は、ASEAN諸国に十分な投資をしてきているということで、ASEAN諸国からすれば、日本との関係を一層強化したい、そして日本・中国・韓国経済との連携を深めていきたい、一国に偏りたくないということもあると思う。そういう意味で、日本側から、より積極的にASEAN諸国への経済連携に力を入れるべきだ。ASEANプラス3と言われているが、ASEANを一つの核として「日本・ASEAN」「日本・中国」といった経済連携が進むことで、東アジアの経済の連携が進む可能性があると思っている。

渡辺:昨年は東京で会合を開催した後に、小泉首相にタイの代表と代表幹事、私で提言書を届けている。同友会としては、伝統的に非常に力を入れている交流だ。

北城:その際、小泉首相は、タイとの経済連携についてはタクシン首相とトップレベルで会談をして基本的な枠組みを作っている。現場では色々もめていることもあるが、トップ同士では枠組みの推進について了解に達しているというお話をされていた。タイ側も米の問題は非常に難しいと理解しているが、エビ、鳥、熱帯フルーツ等について、日本側からしても大きな制約にはならないのではないか。しかし、一般的な農業問題も含め、経済連携が進まないのは非常に残念だという意見だった。

Q: 先週末、株価が大幅に値上がりし、小泉政権発足以来の株価をつけているが、バブル的な懸念があるのか、堅実な上昇なのか、相場観について伺いたい。

北城:株の相場がどういう方向に推移するかはわからない。現状についての感想は、経済が順調に回復し、企業業績も上がってきた。なおかつ、米国経済も堅調で、中国経済も一時的な停滞はあったにせよ、順調に成長している。これらの点から見て、日本を取り巻く経済環境は好転している。さらに企業の努力もあって体質的な改善も進んだ。それに加えて、小泉政権による構造改革の進展を期待して、ここまで株価が上がってきたと思う。

先週も、日米財界人会議で米国に行ってきたが、政府も経営者も、米国経済は非常に堅調に推移すると述べていた。米国の場合、原油高の問題や、短期金利はあげてきているが(長期)金利も上昇するのではないか、住宅価格がこれまでの上昇基調から停滞ないしは下がるかもしれない、それに伴って、ホーム・エクイティ・ローンで住宅価格が高くなることを前提に資金を借りて消費に回しているが、それがうまく働かなくなるのではないか、という懸念材料がある。しかし、米国の経営者も政府も、ハリケーンが来ても米国経済は(年率)3.8%の成長を実現したということもあって、基調的に大変堅調であると述べていた。

米国経済が堅調、日本企業の業績も堅調、設備投資や個人消費も拡大している。そういう意味で、将来の業績に対する期待が株価に反映しているのではないか。株価が上がることは、心理的にも企業経営者や個人投資家に良い影響を与えるし、企業の財務的な健全性も実現する。政府も構造改革のメッセージを出し続けているということで、ここまでは、うまく機能しているのではないか。

渡辺:上記の代表幹事の所見に基づいて、後ほど、量的緩和について同友会の意見を出す。

北城:将来堅調かと問われれば、リスクは色々ある。前述したとおり米国経済にもリスクはある。中国は今のところ堅調だと思うが、米国経済のリスクが日本経済にどのように跳ね返るかということは、リスク要因ではある。

渡辺:むしろ海外の方が、日本経済の強さに注目し出して、国内の方が、一部懸念を持っているという感じはする。とはいえ、国内も「本当かな」と、(株式売買に)参加し出した、というのが市場の状況だろう。

北城:海外からの投資は引き続き堅調であり、株式市場にも海外からの資金が入っている。一方で、個人がかなり株式市場に参入を始めて、今のところ比較的良い成績を上げていると思うが、沢山の個人が参入してきた辺りで、逆に「そろそろピークかも知れない」というリスク要因はあるかもしれない。

Q: おおむね日本経済は順調という認識かと思うが、一方で、エレクトロニクス業界では、先週末には三洋電機が赤字を発表し、本日はパイオニアで社長交代が取り沙汰されており、二極化しているような雰囲気もある。価格下落が業界にどのような影響を及ぼしているか、先行きについて見解を伺いたい。

北城:経済が順調に拡大しているということと、各業界での競争とは必ずしも一致しない。特にエレクトロニクス業界は技術革新が非常に速い。従って、技術革新に追いつかない、創り出していかない企業にとっては、逆に厳しい業界だ。単なる量的拡大があっても、技術革新で大量かつコストを下げて生産できるような業界なので、競争が非常に厳しい。従って、競争に勝てない企業にとっては、いくら景気が良くなっても業績が拡大しないという業界ではないか。逆に言えば、成功すれば成果は多く得られる。

Q: 景気の回復に関連するが、税制改正でIT投資促進税制の期限延長を打ち切る方向だが、それについては、どうお考えか。

北城:日本は、世界最高レベルで企業の法人税が高い国だ。そういう意味では、企業からすれば、より法人税の負担を低くして欲しい、それが企業の国際競争に貢献する、ひいては日本経済の発展にも貢献すると思う。一方で、色々な優遇税制があるが、我々としては個別の優遇税制から、全体として法人税を下げて特別な租税措置をなくしていく方向が必要ではないか。時限立法的な減税措置よりも恒久減税で対応して頂きたい、というのが基本的な考え方だ。減税は、企業にとっては有難いことだし、それが無くなれば法人税の増税にもなるので、我々経済界から見れば減税措置が無くなるのは厳しい。しかし、財政の厳しさを考えれば、個別での優遇税制よりは、それらを整理したうえで、法人減税の税率そのものの引き下げを期待したい。

渡辺:サービス産業等、さまざまな産業が拡大しており、法人税を引き下げるのが本筋だと思う。海外からも企業が入りやすい。

Q: プーチン・ロシア大統領が、100人以上とも言われる経済界の代表を連れて来日し、日本でも交流を深めることと思う。これまで、北方領土を主体とした日ロ関係だったと思うが、今回、プーチン大統領は経済を前面に押し出している印象だ。この点について見解を伺いたい。

北城:本日、日本経団連・奥田会長主催の昼食会が行われたので、後ほど日本経団連さんからも話があると思うが、「日ロ関係について政治問題はある。しかし、経済を良好な関係にして、民間の交流が進むことで、政治問題を解決することは重要である」という話をされていた。まずは経済関係を改善し、日本からロシア、ロシアから日本への投資が進むようにしたいというメッセージを出されていたと思う。

渡辺:10月24日に当会のロシア・NIS委員会が提言を発表しているとおり、対米、対中と比較して桁違いに交流が少ない。資源を通じてロシア経済も非常に安定してきているので、日本企業も関心をもって更に交流を深めるべきだ。その前にもっと相互に知り合わなければならない。そのために、ロシアももっと透明性の高い市場経済に早く移行して欲しい、というのが提言の内容だ。

北城:プーチン大統領は、日本たばこの税の問題、あるいはサハリン沖の「サハリン1、サハリン2」、特に日本の関係するサハリン2の(石油天然ガス)開発の問題を十分理解された上で、ご発言されていると思う。そういう意味で、色々な課題はあるにせよ、日本・ロシア間の経済関係を強化していきたい、そしてロシアはより透明な経済政策を行っていく考えだということを強調されていた。

Q: BRICsといわれて、インドその他の成長著しい経済市場と並び称されているロシアだが、まだ経済交流が進んでいないという点から見ると、若干、話題先行のように思うが、どうお考えか。

北城:日本とロシアの貿易関係は、対前年比で見れば大幅に増えている。量的には日中、日米の20分の1程度だが、年率でいえば非常に大きく拡大している。ロシアのWTOへの参加がいつになるかは、はっきりしないが、貿易や投資のルールをより開放的にしていきたいというのがロシア政府の方針でもある。そういう意味では、日本企業も今後投資を拡大しようという機運にあるのではないか。

渡辺:ロシア大使に提言を届けにいった際、欧州を通したロシアではなく、東京が直接ロシアと色々なことを行って欲しい、という日本企業への要望があった。欧州に近いから、どうしてもそういう方法になるとは思うが。

北城:日本企業の欧州支社がロシアとの交易関係を行っているので、欧州経由に見える。もっと日本の本社がロシアへの進出を考えて欲しいという意向があるようだ。

(文責: 経済同友会事務局)

以上


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