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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2005年7月5日(火) 13:30~
出席者 北城恪太郎 代表幹事

冒頭、北城代表幹事より、7月9日に東京大学の駒場キャンパスで開催される「カレッジ・ベンチャー・フォーラム」について説明があり、その後、記者の質問に答える形で 1.郵政民営化、 2.東京都議選の結果、 3.主要国首脳会議(グレンイーグルズ・サミット)、 4.経済情勢、 5.政策課題、について発言があった。

Q:郵政民営化法案採決に大きな混乱があるかないかは微妙だが、これまでの議論の過程をどう見ているか。

北城: これまでも反対意見は多くあったが、基本的には自民党の総務会で法案を成立させる方針も出て党議拘束もかかるようなので、そう大きな反対が出ずに可決される事を期待している。大きな反対が無ければ、参議院の審議においても、法案を否決するというよりは、民営化会社を健全に運営するために何が必要か、移行過程での経営形態等についての議論が深まり、郵政民営化の意義を国民により理解いただける、不安については解消するような議論がなされることを期待している。

Q:これまでの過程で法案の一部修正も行われ、骨抜きだと言う意見もあるが、内容についてはどうお考えか。

北城: 郵貯、簡保の会社の株式を、持ち株会社あるいは窓口ネットワーク会社が保有するという問題については、我々は、国の関与が残る形態ではない、従って国が3分の1を保有する持ち株会社等の関与がない形態が望ましいと考えている。将来の経営形態として、株式の取得等を認めるべきではないかという意見があったようだが、我々は株式の持合をすべきではないと思っている。それよりも今の段階では、(民営化に向けて)一歩を踏み出すことのほうが大事だ。その上で、色々と議論を重ねて、株の取得ができるという制度にはなったかもしれないが、現実の経営として株の取得をせずに、国の関与が残らないで、銀行と保険業務が営まれることを期待している。

Q:これから参議院での審議もあるが、今後の移行過程で最も重視している点は何か。

北城: どういう方が経営者になるかが非常に重要だ。ビジネスモデルが成立すれば経営がうまくいくということではない。経営者と社員が努力して初めて経営が成り立つわけで、これからも色々な創意工夫をせざるを得ないと思う。そういう意味では、民営化の一年位前には経営者が選任されて、新しい経営者の下で事業計画等が立案されることを期待している。また、社長や会長といった経営トップだけではなく、国民の立場で経営の健全性を監督する社外取締役、独立取締役を導入していただきたい。その上で、具体的な経営の中身は新しい経営陣が検討されることだが、特に重要なのは、イコール・フッティングだ。これから民営化に向けて歩み出すわけなので、当然、民営化された会社としての色々な商品の扱いが必要になる。一方で、民間企業との競争があるので、どの時点でどこまで(事業範囲を)認めるかが非常に重要な課題になる。イコール・フッティングを決める委員会の役割も重要だと思うので、設置を早く行って欲しい。

Q:小泉改革において、経済同友会は多くの人材を供給してきたが、どのような経営者が望ましいとお考えか。

北城: 非常に大きな企業だし、国民にとっての影響も大きいので、経営トップには経営者としての見識を持った優れた方になっていただきたい。できれば民間経営の経験がある方が、このように大きな民間組織の経営には適任だと思う。しかし一方で、現在の郵政公社の中にも優れた人材がいると思うので、現在仕事をしている方と民間企業経営の経験がある方を合わせて経営陣を選んだらいい。そのほかに、社外取締役も任命して頂きたい。

Q:(郵政公社総裁の)生田さんも経済同友会の活動を積極的に行っていたが、引き続き経営をすることについてはどうお考えか。

北城: 生田さんが続けていただけるのであれば、大変優れた改革をやってこられたと思うので、今後の経営も適切な舵取りをして頂けるのではないかと思う。一方で、郵政公社(総裁)4年ということでお引き受けになられたと思うので、その後、継続されるかどうかは分からない。生田さんのような優れた経営者が選任されることを期待したい。私は、(生田さんは)大変大きな改革をされたと思う。郵政公社の経営体質を、生田さんと外部から入られた経営陣とこれまでの経営陣が(一体で)随分と改革されたと思う。そういう意味で、民間企業になる、民間会社としての経営体質を作らなければならないということで、サービスの向上、収益性の向上、効率の向上に大変大きな成果を上げた。これを一歩進めて、本当の意味での民間会社としての経営体質が整うことを期待している。

Q:もし仮に、本日の衆議院本会議で郵政民営化法案が否決された場合、内閣の対応としては衆議院解散と辞職のどちらが望ましいとお考えか。

北城: あくまでも仮定の話だが、小泉総理は「解散する」とおっしゃっていたし、郵政民営化という非常に大きな構造改革の基本的な政策に関して、国民の信を問うことが必要になると思うので、解散がひとつの選択肢になると思う。国民に信を問うということからすれば、解散して、郵政民営化の必要性、併せて構造改革の継続の必要性を訴えることになるだろう。

Q:審議があまり深まらなかったのではないか、審議の中身が中途半端だったのではないか、という意見があるが、それについてはどうお考えか。

北城: かなりの審議時間を使われたと思うし、郵政民営化の必要性についても随分説明されたと思う。特に郵便局ネットワークの問題についてはかなりの焦点が当たったと思う。一方、郵貯と簡保、いわゆる金融事業を官が行うことの必要性とその非常な巨大さ、さらに、もともと民業の補完であるという位置づけに対して非常に大きく異なっているという問題、また、隠れた国民負担と言われる、税金は投入していないけれども一方で税金を払っていないこと自体が、国民が税で負担していることと同じ効果をもたらしているという問題、巨大な受け入れの組織があることによる出口としての政策金融の問題等については、国民にはなかなか分かりにくかったのではないか。(衆議院で)可決されて参議院に送られた場合には、銀行業務と保険業務について、なぜ官で行い続けなくてはならないのか、それがもたらす弊害等についても、国民がよく理解できるように説明していただきたい。

Q:一番変わらなくてはならないところが変わらないようなイメージがあるが。

北城: 民営化に向けてそれぞれが独立会社になれば、当然それぞれの会社の経営を考えて創意工夫されると思うし、事業採算も考えて経営の仕組み等も変えていかれるだろう。資金運用についても、これまでの国債等からより収益が上げられるような事業分野を探すことになると思う。一体運営で全て国が保障してくれるということだと、新たな事業分野への挑戦はなかなか難しいと思うので、4社が独立した会社になることは非常に大きな意味があると思うので、2007年4月から4社が分社した形で民営化に向けて動き出すことが重要だ。
現在、郵政公社は非常に改革が進んでおり、良いサービスも提供できるようになったので、一体で良いのではないかという議論もあると思うが、(現状のままでは)非常に巨大であり、銀行業務でも大手4行と同じような規模、保険業務でも日本生命の3倍程度の規模、それに流通が一体となったような巨大な規模の会社は今の日本にはない。これだけ巨大な会社が官の指示の下に経営をしていくこと自体が、多くの分野でひずみを生んでいると思う。日本の銀行や保険会社がより競争力のある企業体質に変わるためにも、必要な改革だ。

経済同友会では、郵政民営化についてずっと議論をしてきたし、あるべき姿を求めた提言をしてきたが、これだけ多くの反対があるなかで政府案としてまとめられたので、今回政府がまとめられた修正案を支持している。大変大きな一歩前進だという評価なので、是非民営化に向けて歩み出していただきたい。歩み出せば必ず、いろいろな課題が出てきても解決策が見出せると思う。民間経営というのは、赤字が出たらすぐに補助金をもらうということではない。赤字が出たら赤字を出さないためにどうすれば良いのか、なおかつ、お客様に必要なサービスを提供しながら、利益を上げるために努力をするのが民間経営だ。不採算事業が出たからすぐに国からの補助金を要求するようでは、改革は進まない。

Q:週末の都議選で民主党が躍進して第二党になったが、どうお考えか。

北城: 民主党は元々都市型の政党だと思っている。前回の総選挙でも都市部で大変健闘されたわけだから、第二党に躍進したということで喜んでいてはいけないのではないか。第一党を取るくらいの意気込みが無いと政権交代は実現しない。そういう意味では、民主党が政権を取ったときにどのような政策を取るのか、という政権構想を早くまとめて頂く必要がある。岡田ビジョンは出されたが、それを党としての政策に纏め上げて頂いて、民主党が政権を取ればこういう政治をするということを国民に訴えれば、地方選挙ではあったが、より国民の理解が得られたのではないか。確かに躍進ではあるが、都市部で第一党にならずに政権を取ることは非常に難しい。

Q:明日からサミットが始まるが、環境問題や、中国も参加するということで通貨問題も焦点になると思うが、どのような点を期待しているか。

北城: 環境問題に関しては、米国の京都議定書への参加は難しいにしても、米国や、中国をはじめとする発展途上国も含めて、大きな枠組みが決められれば大変好ましいことだ。ブレア英首相は大変熱心に温暖化対策等に取り組まれているので、京都議定書の先の展望を示すような大きな枠組みが決められれば一歩前進だと思う。

アフリカの貧困と疾病の問題も取り上げるということだが、これも非常に大きな人道上の問題だ。日本もこれまでアフリカ支援を行ってきたが、ODAを通じてアジアの国々の発展に貢献してきたというノウハウもあるので、単にお金を出すだけではなく、受入国の発展に貢献するような援助政策のあり方について貢献できる点もある。

また日本は、エネルギーや環境関係で優れた技術を持っているので、それらを活用してアフリカをはじめとする貧困国、発展途上国の発展に貢献できればと思う。

Q:足元の経済情勢についてはどのようにお考えか。

北城: 経済同友会の景気定点観測アンケートでも、足元の経済情勢は良いという意見が多い。原油価格や鉄を始めとする素材価格の高騰に関しても、多くの企業が企業努力によって値上げをしないで経営している。そういう意味では、企業経営側に、コストを削減するための手段が整備されてきたのではないか。企業体力が非常に強くなったと思う。さらに、利益の配当等で還元する施策も出てきたし、かつてのように設備投資が横並びで一斉に動き出すということではないと思う。さらに、アメリカや中国等の景気動向もあるので、企業経営者は慎重ではあるが、原材料の価格の上昇を吸収するように動いているので、景気が急に悪くなることはないと思う。年の後半に向けて、急に良くなる状況でもないと思うが、少しずつ改善していくと思う。企業経営者は先行きについて慎重な見方をしているが、悲観はない。

Q:郵政民営化の議論が手こずっているがゆえに、社会保障や規制改革などの進展が見えにくいように思うが、それについてはいかがお考えか。

北城: 社会保障の一体改革については、確かに議論が注目されない、ないしは政党間での検討が進まないということはあると思う。しかし、郵政民営化は非常に重要な政策課題なので、まずはこれを成立させて、その上で規制改革や、年金・医療・介護一体での社会保障改革や財政再建に向けての大きな方針作りに、これから取り組んでいただきたい。特に、財政再建をどういう手段で実現していくのか。増税の話は出ているようだが、大前提はまず、歳入の拡大ではなく歳出の削減であり、効率化を実現すべきだし、その中には政策的な課題だけではなく、公務員制度の改革も含めて、国民から見て、「もうこれ以上削るべきところはない、これ以上削って国民へのサービスが減るのであれば負担増もやむを得ない」と感じるまでの、大きな歳出削減策を実行すべきだと思う。その意味ではまだまだ十分ではないと思う。

社会保障のために消費税導入が必要だとは思うが、その前に歳出削減について、ここまで政府が努力をしたと思えるほどの削減、構造改革をやっていただきたい。

(文責:経済同友会事務局)

以上


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