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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2004年07月06日(火) 13:30~
出席者 北城恪太郎 代表幹事
渡辺正太郎 副代表幹事・専務理事

冒頭、北城代表幹事から経済同友会のホームページ「投票に行こう!」サイトのリニューアル、「2004年度(第19回)夏季セミナー」について説明があり、その後記者の質問に答える形で1.参議院選挙、2.社会保険庁長官人事、3.官民人事交流、4.球界再編、5.米中経済の景気回復への影響、について発言があった。

Q: 各種世論調査では、政権与党(自民党)の獲得議席数が当初の想定より低いのではないか、比例の票では民主党と逆転するのではないか、という予測も出て、その結果、円安に振れたり株式市場も反応している。参議院選挙の予測と今後の経済への影響についての考えを聞きたい。

北城: 一週間前の世論調査であり、予測について云々するのは適切ではない。ひとつは小泉政権の構造改革がどれだけ進展したか、景気回復も含めて政権が実行してきた3年間の改革をどう評価するか、もうひとつは年金やイラクの問題を有権者がどう判断するかということだろう。私が懸念しているのは、年金改革等については多くの問題があったと思うが、構造改革を遅らせるような結果になることは好ましくない。今回の景気回復に政策がどれだけ貢献したかについては議論もあるが、構造改革は必要だし、現在の財政事情を考慮すれば財政再建を先送りにすれば、景気回復局面で金利が上昇した際に大きなリスクになる。そういう意味では、構造改革や財政再建について遅れが出るような結果にならないことを期待したい。

Q: 小泉政権の基盤が緩めば、経済の減速要因になると指摘する市場関係者の意見があるが、これについてどうお考えか。

北城: 構造改革は推進すべきだ。今の景気回復は民間の努力が大きいと思うが、その環境を作ったという意味では小泉政権の役割もあったと思う。これからが重要な構造改革を行うための、政治的には難しい岐路に立たされるので、そこで改革が遅れることがないような政治的な力が働くよう期待している。どういう結果が出ても構造改革は一層推進すべきだ、ここで後戻りするべきではないと思っている。

渡辺: 同友会は改革なくして成長なし、景気回復なしと言ってきたのだが、その期待が少し薄らいできて、迷いに入っているように見える。しかし、構造改革が中途半端になってしまうと先行きが、不透明になる。その不安が、米国等の状況も微妙に影響しながら、株式市場に出ているのではないか。どういう結果が出ても、政府は構造改革を推進するという宣言をしてほしい。そうすれば株式市場は実行の行方を見定めるようになると思う。

Q: 政党支持、政治献金に対するスタンスを改めて聞きたい。

北城: 同友会は、経営者個人の判断で政治に関与している。ただし投票に参加することは必要なので、各政党が掲げたマニフェストの内容を評価しながら、経営者一人一人が(政党支持について)判断している。政治献金については、個人献金を推進すべきという立場だ。企業による政党への献金に関しては優先順位としては個人献金だが、会員のアンケートでは6割弱の経営者が企業献金に対する理解を示している。

Q: 構造改革に対する風当たりが強まりそうな結果になりそうな雰囲気だが。

北城: これから構造改革の本丸と言われている、郵政公社の民営化や三位一体改革の本格的な展開が始まる。これまでの構造改革で不良債権処理や規制緩和、新事業創造のためのいくつかの支援策や減税策は行われたが、本格的な改革に踏み込むのはこれからだ。今年の予算編成は、これまでも行われているが公共事業の削減も含めて財政再建の本格化の第一歩になると思うので、過去三年間の実績もそうだが、今後の構造改革の実行力が削がれることを懸念している。

Q: 今の選挙戦では、この3年の改革をどう評価するかという議論が少ないように思うが。

北城: 直近の年金問題での制度改正に対する説明も不充分だったし、今抱えている問題を明確に表に出さずに改革案が出されたというプロセスそのものにも問題があったことに対する批判が大きいので、早く抜本的な改革、持続可能な制度作りはやるべきだと思う。ただし、それだけではなく、構造改革を一層推進するのか、以前のように財政出動依存、あるいは大きな政府という考え方で国を運営するのかという問題も含めて、(有権者は)判断すべきだ。

Q: 社会保険庁の改革案が発表され、民間から初めて長官が登用されたが、感想を聞きたい。

北城: 基本的にはいいことだと思う。まず、官民の交流があることはいいことだ。天下りということも言われるが、官から民へ、民から官へ、また元に戻るということを含めて人事交流が進むことは必要だと思う。民間での経営の厳しさ、お客様への対応という経験を生かして、組織運営に当たっていただくことを期待したい。特に、今の社会保険庁については、国民年金の未納問題や情報提供への不満ということもあるし、当然、効率的な運営をしていただく必要があるので、民間の経営の経験を生かして活躍していただくことは好ましい。全く知らないところから来て現状を認識することには時間がかかると思うが、新しい長官には、できれば三ヶ月程度で、問題点と今後の展望、改革についての基本方針を作っていただきたい。その過程でさらに民間人の登用が必要であれば考えてもいいと思う。自分がやるとしても三ヶ月程度は勉強した上で基本構想を作ると思う。
人事については民間人の登用もいいと思うが、今回の問題は年金制度そのものなので、社会保険庁の効率化はもちろんだが、根本的には年金制度の持続可能性、年金も含めた社会保障制度全般の改革の方が重要だと思う。

Q: 民間から人を登用した場合に、これから大事な抜本的な見直しをする際に、人を出せば出すほど、例えは悪いが、人質が多くなるような懸念はないか。

北城: そのようなことはないと思う。どんな組織運営にしても、効率的な運営や国民へのサービス向上は重要な視点なので、今後、社会保険庁の体制がどう変わるかは分からないが、民間的な手法で改革に乗り出していただくことは必要だ。郵政公社の改革でも生田総裁が様々な改革をして、効率化に努めていることが(民営化が)いずれの方向に進むにおいても重要になっている。そういう意味では、様々な分野で民間経営者が国や独立法人の運営に参加することはいいことだと思う。ただし、今の退職金や年金制度は(人材を)移りにくくしている。経営者で移られる方はともかく、その下で働く部長クラスの人にとっては、休職するのか、退職して移った場合には戻ってくることができるのかは大きな問題だ。従って、官民の交流については公務員の人事制度、民間の退職金も含めた人事制度を改革しないと、実際の交流は難しい。同友会で今年、公務員制度の改革について委員会を作っており、トップだけではなく中間管理職の交流ができるような制度を考えていきたい。

Q: (過去の民間経営者登用も含めて)民間と比較して報酬が低いため受け入れがたい、年金と退職金以外の報酬部分で調整をした方がいいという声も聞かれたが、これについてはどうお考えか。

北城: 年間報酬については、中堅の部長や課長が1~3年勤めるということについては大きな差はないと思う。しかし、一度退職した後で元の会社に戻った際に退職金の制度が不利になるかどうかは大きな問題だ。例えば一度官庁に出て、民間で別な会社に移る際には、退職金の算定は長期に勤めた人に有利になる制度なので、退職金や企業年金は改善しないと(人事交流は)難しい。企業経営者については、確かに年間報酬は民間の方が官公庁よりも高いと思うが、処遇よりは社会的な使命感で決断されると思う。中間管理職は社会的使命だけでは難しい。その後の人生設計もあるので、年金や退職金制度を変えなければならないと思う。例えば今回、損保業界の方が社会保険庁長官になったら二年間は損害保険業界には戻れない。関連業界にすぐに再就職できないということでは、特に中堅管理職には難しいと思う。今までの天下りを抑えるという発想から、官民の交流はいいが癒着は許さない、という考え方に変えた方がいいと思う。

Q: 今回の長官人事について、同友会に相談はあったのか。井口副代表幹事に声が掛かったようなことはないのか。

北城: 同友会は人事の紹介をするような団体ではないので、そういうことはない。様々な分野の民間経営者について活躍している人はいないかという話しは一般論としては聞かれるが、同友会は本来そのようなことをする団体ではない。

Q: (新長官の)村瀬氏(現:損害保険ジャパン副社長)と面識はあるか。

北城: 同友会の会員ではあるが、直接は存じ上げていない。

Q: ライブドアが近鉄バファローズ買収を提案する一方で、渡辺(読売巨人軍)オーナーをはじめとする既存オーナーは反対している。一リーグ制の流れが強まっている中で、買収提案と球界の拒絶反応について、どうお考えか。

北城: 二つの視点があると思う。ライブドアが買収を提案したことに対して、ベンチャー企業で大丈夫かという、ベンチャー企業、経営に対する偏見があると思うが、これは正していく必要がある。確かに創業して期間は短いかもしれないし、規模も小さいかもしれないが、球団運営の十分な資金がある、構想がある、ということであれば、ベンチャーであっても提案を考慮すべきだ。もうひとつは、1リーグ制か2リーグ制かという問題だが、日本の球界が2リーグのままでファンの支持を得られるのか、それとも大リーグに有力選手が流出する現状も踏まえて、1リーグで無ければ日本ではプロ野球が成立しないのかは別途議論した方が言い。1リーグがいいのかどうか個人的には分からないが、それぞれのチームにファンがいるので、そう簡単に球団を無くしていいのかなとは思う。そうしたファンの思いも踏まえて、1リーグ制がよいかどうかは議論すべきだ。

Q: ライブドアの堀江社長と面識はあるか。

北城: 直接、お付き合いはないし、経営の中身はよく存じ上げていないが、ベンチャーであっても十分な資金、球団運営の構想があれば考慮してもいいと思う。

Q: 渡辺オーナーの発言は偏見に満ちているように見えるが。

北城: この件を詳しく追っているわけではないので、よく分からないが、ベンチャーに挑戦する人を評価する社会は必要だと思う。米国の情報産業ではベンチャーで挑戦している企業が新しい技術革新を起こしている。既存企業が頑張ることも重要だが。ベンチャーに挑戦するような人は皆で褒め称える社会の方が、夢を持って挑戦する人が出てくると思う。

渡辺: 12球団あって黒字の球団が3つ程度しかないというのはビジネスとして異常だ。もっと野球を面白くして、皆が見に行くような経営努力が不足しているのではないか。野球がここまで支持を受けてきたのが、国民の心から離れていることが問題だ。野球もサービス産業なのでファンの声を反映して改革を進めることが必要だ

北城: 球団を経営しているのだから、創意工夫をして利益を出すように経営しなければならない。親会社の広告宣伝として十分な採算が合うというのであれば、それもひとつの考え方だが、視聴率が下がっているのであれば、上がるような創意工夫をして経営してほしい。

Q: 日銀短観等の指標では、企業も、個人も景気が回復しつつあると実感しているようだが、景気の先行きについては中国や米国の経済が不安要因になるという見方もあるが。

北城: 日本経済がこれから発展していくかどうかについての影響度の高さという点では、米中経済の発展は重要な要素だが、不安要因というよりもリスク要因だと考えるべきだ。米国も今のところ急激に景気後退するようには見えないし、グリーンスパンFRB議長も金利の引き上げについては慎重に考えているようだ。中国も過熱経済については色々な手を打っているようなので、短期的に大きな不安要因にはなっていないと思う。むしろ日本国内の方が、財政再建に取り組まなければ、中長期的には金利の上昇が財政破綻という大きなリスクになる。短期的には米中景気が不安要因になることはなく、日本経済も堅調に推移すると思っている。

以上


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