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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2003年02月04日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
渡辺正太郎副代表幹事・専務理事・広報委員会委員長

記者の質問に答える形で(1)商法改正(2)米国予算教書(3)ダボス会議(4)税制論議(5)消費税の福祉目的税化(6)移民政策などについて出席者から発言があった。

Q:4月の商法改正と委員会等設置会社などについて

小林:委員会方式が(企業の)過半を占めるかどうかはわからないが、ソニー、日立、オリックスなどグローバルな企業、とくに米国に拠点のある企業は委員会方式を採用しないとガバナンスの形として通用しないという側面があると思う。こうしたいくつか日本の代表的企業が実施していく中で、いい面、あるいは日本流に直す必要があるところなどいくつかの選択肢が出てくることはいいことであると思うし、各企業が工夫をしていくことになると思う。いずれにしても、社外役員に人を得ることが難しいという点をどう突破していくかが、これからの企業のガバナンスを強化していくという点での共通のチャレンジだと思う。

Q:ブッシュ大統領が発表した米国の予算教書について

小林:米国の双子の赤字は米国経済、世界経済、日本との関係においても注意して見ていかなければならない。将来のドル安の問題について大きな圧迫要因になってくるだろうし、ドル安に引っ張られて人民元が自動的に安くなってくる状況をどう考えるかなど、米国だけの問題にとどまらず、米国の財政状況の悪化の問題については、かなり注意してみていかなければならない。

Q:ダボス会議について

小林:イラクの問題がダボス全体を覆っていたと言っても過言ではないと思う。イラク攻撃がいつあるのか、世界経済にどういう影響及ぼすのかが大部分の人にとって大きな関心事であったと思う。1年前はダボス会議がニューヨークで行われた。9.11後ということもあり、異文明同士の対話、宗教、グローバリゼーションなどについての突っ込んだ議論が行われたが、今年はやや表面的になったのではないかと感じている。日本に対する関心は薄くなったというよりも、関心の持ち方はより厳しくなっている。米国経済、イラク問題など不透明感を増しているだけに、日本になんとかして欲しいという期待感と、その上でどうなっているのか、という意味での関心は強まっている。私は、竹中プランの発表以降、貸し手、借り手ともに良い動きが出てきているのではないか、との問題提起をしたが、そのスピードについては不十分という意見が多かった。いまの動きを前に進めるのは、最終的に政治のリーダーシップに尽きる。小泉首相がリーダーシップを発揮してもらわなければならないということでは一致したが、できるかどうかについてはやや疑問が残ったままであったと思う。もちろん竹中大臣からは「できる」という力強いメッセージがあった。動いているということについては理解されたと思うが、ほんとうの構造改革、本格的経済の回復に結びついているかどうかについては、多くの人たちは様子をみてその上で判断しようということだったのではないかと思う。

Q:イラク攻撃に関する日本政府のスタンスについて

小林:(いずれにしても、一度国連安全保障理事会に諮るというフランスやドイツと)基本的には同じポジションであろうし、そのポジションを言うべきだと思う。米国が単独で攻撃したときにどうするかは非常に難しい選択になると思う。

Q:最近の税制論議について

小林:経済同友会では今、提言をまとめている最中で、2月末までには発表したいと思っている。方向性としては、まず少なくとも2010年を目標に財政のプライマリーバランスを回復することを視野に入れること、また昨年12月、社会保障改革委員会で2010年時点の年金財源を消費税ですべて賄うとすると税率は年金だけで9%必要という提言をしたが、基本的には、社会保障関係費をどうするかを考えると、消費税を上げざるを得ないと考えている。トータルとしては、歳出カットの問題、増税の問題を含めたパッケージとして2月中には発表するつもりでいる。消費税について経済界が平仄を合わしたわけではなく、それぞれが消費税率を上げることはやむを得ないと考えていたということだと思う。小泉総理が在任期間中には消費税率を上げないとおっしゃていることについては、すぐに上げなくてはいけないというわけでもないし、政治的に過去の例から見ても言えるはずがない。思いきってまず歳出にメスを入れることが先だとお考えだろうし、皆も我々もそう考えている。小泉総理がおっしゃっていることと、我々がトータルとして考えていることとは矛盾しているとは思っていない。

渡辺:税率だけが一人歩きしてしまっており、いろいろな面に悪影響が出ている。今度提言が出たときには、もっと注意深く読んでいただきたい。例えば年金は、基礎年金部分だけ税負担に変えれば、年金負担は保険料としてはなくなる。直間比率を変えることは、法人税その他の税の改革を併せて行うことになる。2010年までのプライマリーバランスの均衡化は、国民負担率GDP比30%の負担率は大きくは変えないという構成の変化を含んでいる。消費税率の引き上げによる国民負担の増加を強調した報道には注意していかなければならないのではないかと感じている。

Q:消費税の福祉目的税化について

小林:完全に目的税化しては考えていない。国民負担率が日本や米国は比較的低い。北欧のように国民負担率は高いが高福祉の国もある。将来的にどの線を選ぶのかは、非常に大きなチョイスである。今のところ同友会は、比較的低い国民負担率を変えないというスタンスである。それには、具体的には思いきった歳出減をしないとプライマリーバランス回復も低国民負担率も実現しない。だから政治に対しては厳しいことをつきつけることになる。今後人口減少が考えられる中で、日本のような成熟社会が目指す形として、低負担であとは自己負担をするというモデルか、あるいは中負担に移行しなくてはならないのかは今後検討しなくてはいけない。

Q:日銀総裁人事について

小林:総裁については、福井さんをはじめとする金融、財政に関して幅広い見識を持ち、金融政策を決めていける人が決まると思っている。

Q:減損会計の延期について

小林:減損処理のみでなく、他にも景気が低迷する中で延期した方がよいというものがいくつか出てきている。そうした傾向は全体としては好ましくないと思う。減損会計処理の延期については、今の段階では意見を留保したい。

Q:奥田ビジョンの中で出てきている移民政策について

小林:奥田会長は移民政策について、ビジョンを出される前から前向きな発言をされていた。移民法を再検討するところまで踏みこんで人口減少に対して対処するとしたら、その時に特殊なスキルを持った人のみを受け入れるという形の受け入れ方は見直さなければいけない時期にきていると思う。私が参加した小渕元首相の時の「21世紀日本の構想」懇談会の中でもそうした考えで進めていた。従来よりもう少し開いた外国人労働者の受入れ体制をとっていく必要はある。果たしてどのくらいの量的枠組みを考えたらよいのか、枠組みそのものを保っていく上で、いくつかのレベルについてカテゴリーを決めて制限するといったことまで踏みこんでは考えていない。

Q:小泉首相が施政方針演説の中で対日投資を5年で倍増させると述べたことについて

小林:具体的な政策まで踏み込んで参加はしていないが、三菱商事の槙原会長などが参加して日本に対する外国投資を増やす具体的な検討がいくつかされている。5年間で対日投資が現在のGDP比率1%から2%になるかどうかではまだまだだと思うが、このことを施政方針演説ではっきり述べたことはいいことだと思う。成果が上がっていないことについては、日本がファンドばかりでなく技術やスキルも歓迎しているということを具体的施策の中で反映していかなければならない。難しいことではあるが、進めていかなければならない重要な部分だと思う。倍になってもまだまだ他の先進国に比べれば比率は低く、対日投資を活発にすることは日本経済の活性化に役立てられると思う。

以上

(文責:事務局)


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