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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2003年01月21日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
渡辺正太郎副代表幹事・専務理事・広報委員会委員長

記者の質問に答える形で(1)インフレターゲット論(2)日銀総裁人事(3)経済改革特区(4)ドル安(5)減税(6)銀行への公的資金の注入などについて出席者から発言があった。

Q:インフレターゲット論について

小林:デフレの状況がいつまでもどんどん続いていいとは思っていないが、今おきているデフレの現象についてスパイラル化しているという状況ではないと考えている。中国経済や技術の進歩を含めたグローバルな大きな構造的変化に影響を受けて、価格の低下が続いているのではないか。そういう現象に対して、インフレ目標を設定することがどれだけの効果があるか、しかも日本だけやって効果を出すことはかなり難しいのではないか。日銀がなんでも買えば効果は現れるはずだという議論もあるが、社会に大きくインフレ期待を持たせるだけのものを買うとすれば、また他のものに波及して価格の値上がりに影響を与えるくらいのものを買うとなると、量的にかなりのものを買うことになるし、かなりのものを買わないと影響がおきるはずもない。また、買った後、その価値がどうなるかなどについて考えていくと、十分な読みもないまま、インフレターゲット論でいまのデフレに対処しようとしても効果がないのではないかということがいまのポジションである。

むしろ個々のミクロの企業活動や、経済改革特区をどんどん動かして行って、実態経済の活性化の中から結果的にデフレに対する効果を出して行くことの方が、オーソドックスではないかと考えている。

Q:日銀総裁人事について

小林:政策などについて注文はない。あまりあからさまに政策云々と注文をつけるのは好ましくないと考える。中央銀行の総裁はグローバルな意味で世界の金融についてきわめて重要なポジションなので、いろいろな状況を見て一番ふさわしい方を選んでいただきたい。

Q:ダボス会議について

小林:ダボス会議では、「過去の10年の繰り返しをしないために」という日本に関するセッションの司会を仰せつかった。昨年10月に竹中パッケージが発表されてから、貸し手側、借り手側ともにかなり具体的な動きが出始めている。銀行も自己資本の増強や合併などの策が出され、産業側でも動きが出てきている。その過程で、デフレ傾向が強くなり倒産件数が増加するといった痛みも強くなるためセーフティネットなどの手を打っていくことはもちろん大事だが、改革が進んでいることの表れと捉えて、さらにこの方向できちんと改革を進めていくことが必要である。構造改革特区についても地域で行うことを見極めながらさらに積極的に進めていくことが大切であり、事実、改革はその方向に進みつつあるということを、強調して話してきたい。

Q:経済改革特区について

小林:これから日本社会が高齢化、サービス化、ソフト化などに向かう際に期待される新しい分野について、特区構想で新しい試みが行われることは期待していいと思う。教育、医療、健康、農業などについて、いい成果の出たものを、勇気を持ってより広い地域に広げていくことが経済活性化につなげていく上で重要な要素である。政治面のリーダーシップが特区を個々の効果で終わらせない上で重要であると思うので、小泉首相にはいずれラジオの放送で一言言っていただきたいと思う。

Q:米国の財政赤字、ドル安について

小林:いまのような財政状況がドルを弱含みに持っていく可能性があることについては、慎重に見極めなければならないと思う。いまの円・ドルの為替のレベルでもきついところもあるであろう。意図的に150円、160円にすることについては、慎んだほうがいいと思うが、130円台後半や140円くらいまでは国際的環境の中でも許容の範囲ではないか。

Q:米国が景気刺激策として減税政策を盛り込んだことについて

小林:米国政府においては、思い切った減税が需要を刺激するというレーガノミックスの経験もある。経済の縮小傾向に対する危惧や米国経済の失速の懸念が、米国のみでなく日本においても、持たれていた。財政赤字に対するプレッシャーはあるとしても、減税による経済拡大効果の可能性があると考え、行った政策だと思う。米国内での評価は、民主党は反対、共和党内でも慎重な見方もあると聞いているが、大勢としては、経済閣僚を交代したことからも、ブッシュ大統領の覚悟を示すという意味も今回の政策にはあったと思う。

渡辺:やはり(景気刺激策には)サプライズがなければ効果がない。長い時間議論した結果出された政策が中途半端なものでは、経済効果も下がってしまう。また、株式配当の二重課税廃止のように税制におけるクリエーションがある。それが世界の税制にいい意味で新しい影響を与えていくことは良いと思う。

小林:日本では、これまで小刻みに減税策を行ってきて、結果的にトータルの効果が充分に出ないということを繰り返してきている。経済活性化の点から言えば、どこかの段階で、思いきって従来にない方法、規模の減税策をやる方が国民的理解や期待、支持につながり、効果もあると思う。

渡辺:今回の研究開発、投資減税では、(減税)規模が小さく、政策の意図が市場には伝わらない。同友会が法人減税の恒久化がどれくらい効果があるかを、メッセージとして海外にも伝える必要がある。

Q:デフレの要因について

小林:今のデフレが全く貨幣的現象ではないと言うつもりはない。しかし、デフレは従来のように基本的に貨幣的現象であるから、インフレターゲッテイングや金融の思いきった緩和により解消していこうという考えもあるが、その効果には限度がある。最近のデフレには、貨幣的現象に加えて、世界的な規模での構造的要素が影響している。そうした観点から、さらに金融緩和をしてもその効果には限度があり、それによる実体経済の活性化についても現段階では否定的に見ている。

Q:日銀の独立性について

小林:結果論としてアコードが重要になってくるのはわかる。しかし特定の政策について、右か左かを極めて具体的に、踏絵的に言うことについてはどうかと思う。日銀総裁のポジションはそんなに簡単なものではない。どういう人が総裁として好ましいかは、全般的な状況を見て、政策の独立性を維持しながら、日本の金融政策として最善のことができる人であるかどうかに尽きる。

Q:小泉総理のラジオ演説について

小林:デフレの問題についても話されていたが、ご自身がそれをどう考えているかについてのコメントがなかったのは残念だった。全体的にさわやかな語り口で、いずれは経済特区のことも話していただきたいと思う。2回目以降くらいからは、内容について注文をつけさせていただきたい。月1回ではなく、月2回くらいがよいのではないか。

Q:みずほグループの増資について

小林:各金融機関が自主的に自己資本の強化に動き出したことは好ましいと思う。貸し渋りの問題にもプラスに影響していくことを期待している。公的資金の再注入が必要ない状況が来ることを望んでいるが、今そうした状況が来たとは必ずしも思ってはいない。(金融機関としては)いろいろな意味で公的資金の注入は避けたいという考えもあるとは思うが、一方で不良債権処理の加速、債権査定の強化といった動きが、金融機関の自己資本強化などにもつながっており、さらに進めて欲しいと思う。

以上

(文責:事務局)


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