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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2002年04月25日(木)14:15~14:55
出席者 小林陽太郎代表幹事、宮内義彦副代表幹事、茂木友三郎副代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長(退任)
鳥海巖副代表幹事、南直哉副代表幹事、藤澤義之副代表幹事
生田正治副代表幹事、北城恪太郎副代表幹事、河野栄子副代表幹事
福井俊彦副代表幹事、渡辺正太郎副代表幹事、桜井正光副代表幹事(新任)
岩沙弘道副代表幹事(新任)、細谷英二副代表幹事(新任)

冒頭、小林代表幹事より新・旧副代表幹事の紹介があり、退任の水口副代表幹事・専務理事、新任の桜井副代表幹事、岩沙副代表幹事、細谷副代表幹事、渡邉新専務理事から挨拶の後、記者の質問に応える形で、(1)財界再編の中での同友会の存在意義、(2)小泉改革の今後の見通しについて出席者から発言があった。

小林:この後の通常総会で、新年度の役員の選任、また2001年度の事業報告をし、新年度の事業計画を認めていただくことになっている。本日は、退任される福間副代表幹事は欠席だが、6年に渡って副代表幹事・専務理事を務めていただいた水口さん、また新任の桜井、岩沙、細谷、各副代表幹事、新専務理事の渡辺さんも出席しており、改めて皆さんによろしくお願い申し上げたい。

総会では日本の現状と将来のあり方、同友会として何をするかについて話をしようと思っている。

「21世紀宣言」を掲げての最初の1年と、小泉内閣のこの1年とは、偶然ぴったり合致をしている。この1年を振り返ってみて、我々は将来に向かって可能性のある大きなプロセスという点で、小泉内閣は前の内閣でできなかったことをやったと評価している。昨年9月11日(米国中枢同時多発テロ)以降の対処についても、「普通の国」「ノーマルな国」に向かって一歩を踏み出した。「後に誰もいないから」ということよりは、成果が生まれ始めるのは2年目以降ではないかという期待をこめて、小泉総理を支持したい、というのが第一点。

そういう前提の下で、一方では残念ながら、政界、官界、我々企業において、ここのところ、社会の信頼を裏切る不祥事が、また出てきている。改革を進める上で、特に企業が先頭に立たなければいけないのに、このようなことでは、小泉改革の足を引っ張ることになってしまうのではないか。そういう意味で、「個人のガバナンス」もう少し平たくいえばモラルを、経営者のレベルでも、政治家のレベルでも、最終的には国民の一人ひとりが、パブリック・マインドを持っていかないと、きちんとした日本の社会は造れないのではないか。それが第二点。以上の二点を筋としてお話しをしようと思っている。 経済の分野その他では、所見の中で3つ4つのポイントに絞って重点的にやるべきことを謳っているが、これは後ほどご質問等があればお答えしたい。

何人かの副代表幹事には、マクロ経済、市場と企業経営、環境等社会構造、政治・憲法といった国のガバナンス、国際関係という大きな5つの分野を担当して頂き、その中の個々の委員会の独立性を併せて生かしていくというチャレンジングな運営をしていこうと思っている。

水口:6年間、(記者クラブの)幹事との懇談会や代表幹事の記者会見に同席して、たまには意見が違うこともあったが、それが同友会らしさということで、他の副代表幹事も含めて、物事の本質に迫りながら元気にやってきた。また様々な分野の提言も非常によく理解して頂いたが、それぞれの立場や価値判断もあると思うが「これはもっと大きく報道して頂いても良かった」と思ったものが(扱いが)小さかったり、「これはそれほどでもない」ということが非常に(扱いが)大きかったりと、色々なことがあった。

総会での事業報告の最後にも申し上げるが、「継続は力なり」ということで、経済同友会創設の志をずっと継続していくと同時に、節目節目には、創造的破壊、私は「非連続の連続」と言っているが、そういう段階に入っていると思う。経済研究所との関係の中で今後もしばらくは、同友会の活動に関与していきたいと思っているが、非常に冷静な、或いはある時には冷徹な批判とご叱正を頂きながら、心底には温かいサポートとを頂ければと思う。長い間有難うございました。

桜井:私はこれまで、同友会活動をさほどやったという自覚はなく、むしろ企業経営一本で来たと言う方が正しい。しかし今、日本の経済や企業を見ていると、かなりの部分で創造的破壊、変革をして、世界での競争力を得ていかなければいけないという時にある。民間の活力が期待されているが、その主たる担い手である企業の、社会での信頼性の確保、そしてもう一つは、国際的な企業の競争力を如何につけていくか、その行動を取るかが大事な課題だと思う。私の所属は製造業なので、特に製造業の世界的な競争力を如何につけていくかという点で、コーポレート・ガバナンスの問題、或いは地球環境に対する取り組み、技術開発力の強化という課題に対して、皆さんから色々な意見を頂き、同友会らしい活発な議論をして、提言をし、自ら実施する立場でやって行きたい。今後は「脱リコー」で、微力ではあるが力を出して行きたい。

岩沙:私は「21世紀宣言」や「市場の進化」というコンセプトや、幅広で非常に先見的な同友会の問題意識については大変共感を覚えており、勉強もさせて頂いた。今後は副代表幹事ということで、代表幹事をサポートしながら今まで以上に積極的に同友会活動に参画して行きたい。小泉内閣ができてから1年が経ったが、首相の掲げている構造改革については、今まで以上にスピード感を持って、骨太に実行して頂きたいと多いに期待しているし、これから本当の成果が出てくるのではないかと思う。しかし構造改革は、首相や政府や行政等に任せて済むものではなく、日本経済・社会の再生のためには今こそ民が主体となって、大胆に、改革も含め、取組んでいかなければいけないのではないかと思う。その点で、企業経営者である我々が、同友会創立時の精神を踏まえて、高い志と使命感、強いリーダーシップをとって、新しい時代を切り拓いていく必要があるのではないかということを、同友会での私自身の行動として示して行きたい、実現させていかなければならないと思っている。新年度は「需要創造委員会」を担当することになるが、日本経済の再生の為に、実効性とインパクトのある提言を取りまとめられればと思う。他の副代表幹事と共に、同友会活動に積極的に参画させて頂く中で、社会に貢献していきたい。

細谷:私は旧国鉄に入社し、若い頃から赤字に悩む国鉄財政問題を担当し、早くから抜本的改革を訴え続けてきた。その後、膨大な国鉄の民営・分割作業の実務責任者の一人として仕事をやってきて、JRになった後、その経験から、中国の国有企業の民営化とか、各国の鉄道の民営化のアドバイス等をやってきたし、横浜国大や早稲田大学の教壇で講義もしてきた。その経験を活かして、やはり民主導型の経済・社会の流れに対して積極的なメッセージを発信していきたい。私のもう一つの役割として、副社長として現場に近い仕事をしているので、副代表幹事の議論の場で、より経営の現場に近い視点からの発言をしたり、年齢的にも若干若いので若い世代からのメッセージを発信していきたい。

渡辺:水口さんの後を引き継ぎ専務理事に就任する。2002年度の日本の政治・経済・社会、そして我々経済同友会も、大変な岐路に立つのではないかと認識している。従って経済同友会は従来にも増して、経営を含めた改革にかかわり、新しい日本造りに取組んでいきたい。記者の方々もこの1年間(小泉人気に)湧いたが、なんとなく改革に対しての飽き・疲れというものが紙面を通して見えてきているのではないか。一体となって、日本の将来の為に取組んでいきたいと思う。私自身、広報委員長も務めさせていただくので、今後、皆様とも、積極的な会話を通して、経済同友会に親しく接して頂きたい。

Q:小林体制になって3年が経ち、4年目を迎え、この5月に経団連と日経連が統合し新団体が発足する。経済界を取り巻く環境もかなり変わってくる中で、埋没しがちな同友会になってしまう恐れががある。この一年間、どのように存在感をアピールしていくのか。

小林:仮に代表幹事という立場ではなくても、同友会の存在意義や存在感が埋没することはあり得ない、と思う。相対的に他団体や他グループに関心が移るかどうかは結果を見なければいけないが、今日の所見の中でも繰り返し申し上げようと思っているし、前からも申し上げている通り、我々と各地経済同友会の最も重要な存在意義は、企業人自らが属する企業や産業を離れて、企業、経営、経済のあり方を考え、それに基づいて、あるべき姿を現状に流されずに先を見ながら提言をしていく。そして一番大切なことは、自らが、あるいは自らの企業が実施していくという積み重ねの中で同友会の存在意義は出来あがってきていると思う。個人のモラル、志、ガバナンスがこれほど問われているときはないわけだから、そうした意義は今まで以上に重要になってきていると思う。あえて言えば、経済同友会をを作り上げている我々自身がその期待に応えられるかどうかがキーである。経済同友会の本来のあり方からすれば期待や意義は今までよりも遥かに大きい。それは他団体の大小や新設とは全く関係がない。なぜならば、他に個人ベースで作られているものは無いからだ。

新しい年度の経済同友会の活動は、基本的には21世紀宣言の中の新しい国造り、経済に限らず、政治、教育、社会の各分野で広く我々が発言していく。市場そのものの信頼の問題、特に新しい企業モデルと言われていた米国型モデルの信頼が破壊されたというべきなのか。私はむしろモデルやシステムよりも究極的には経営者個人のモラリティの問題が改めて問われるような状況が現出してきたのであり、その背景に何があるのかをきちんと考えなければならないと思う。そういう意味で、市場の進化、それは市場が進化することを待つのではなく、経済的な価値に加えて、社会的、人間的な価値を加えた企業の全体的な価値を市場で評価してもらう、そのような企業でなければいけないとう訴えは、急激に現実味を帯びてきたと思う。もし、それに耳が傾けられないということであれば、メッセージよりも、日本の社会、経済界のあり方が問われなければならないと思う。市場の進化については、経済研究所での理論的な裏付けはもちろん、同友会のいくつかの委員会でもフォーカスして具体的な提言にまとめていこうと思っている。単にコンセプトとして市場の進化を唱えるのではなく、経営の現場で使えるものに落としていく。できれば「こういうモデルが市場の進化、市場の期待に応えられる形なのだ」ということを、具体的な形で見えるようにしていきたい。

政治は非常に重要な問題であり続けるわけだし、一票の格差を含めて民主主義の基本が問われている。政治についても積極的に発言し続けていくつもりだ。これらは、同友会だからこそできる非常に重要な特長でもあるし、それを生かして、この一年進んでいこうと思う。

Q:所見の中の小泉総理に対する要望は具体的な将来像が見えないということを言っていると思うが、例えば財政や経済、特殊法人改革などもう少し具体的に教えて欲しい。

小林:今、小泉総理が進めている、例えば特殊法人、郵便事業などについての改革を、何故やろうとしているのか、それを成し遂げたときどういう社会を作ろうとしているのかについて、それは将来像にも繋がることだが、もう少し言葉を砕いて、言葉多めにメッセージを発する必要がある、と思う。パンチの効いた発言で皆に理解してもらう時期は過ぎつつあるのではないか。(日本の将来の)ビジョンは、必ずしも小泉さんが全く白紙から描くものではなくても、今まで幾つか出てきているし、重ねれば80%位はだぶっているものがあると思う。それを小泉総理の言葉で分かりやすくきちんと話して欲しい。

Q:つまり、今まで経済戦略会議などで将来の日本像が描かれているので、そういうものを作れということではない、ということか。

小林:それらを全部重ねれば、2005年から2010年くらいにどういう日本を造ろうとしているかということについては大体重なっている。だから、ビジョンについて新しいことを言わなくても、こういう日本を造りたい、それを実現するためには、色々な抵抗がありながら進めている特殊法人の改革、官から民へという話しは決して新しいものではないが、それを徹底していって、今まで官ではできなかったことを民間で徹底的にやっていくことによって、(ビジョンは)更に見えやすくなるし、効果的になる。郵貯についても、入口と出口を含めてトータルとして、もう少し有効に使っていかなければ、巨大な無駄遣いをしていることになる、ということを含めて、将来の日本についての小泉総理なりの描き方を、もう少し言葉を砕いて話しをする必要があるのではないか。

敢えて2番目に言えば、まだまだ個人や企業には活力があると思っている。小泉総理は改革の痛みの部分については十二分にメッセージを発してこられたが、企業、個人の活力に期待して、それを生かすためにこれをやるのだ、つまり日本、日本人が持っている基本的な力を信頼し、その信頼に賭けて改革をやっているのだという意味でのメッセージが聞こえていない。

ついでに3番目としては、まず壊すということが必要だということは分かるし、小泉さんの本音として「俺の仕事は壊すことだけだ」と思っていれば別だが、我々は壊すだけでは、小泉さんに対する期待をまっとうできないと思う。壊すことは一人でできるが、壊した後に、あるいは壊しながら造るということは一人ではできない。所見ではチームワークという言葉を使っているが、小泉内閣として、もう少し国民にそれを見せるようにして欲しい。

Q:二年目以降の小泉内閣に最優先で取り組んでもらいたい課題は何か。

小林:大きな意味では構造改革を緩めないで進めてほしいということだ。細かい点で言えば、先ほどの質問の答えにも関係するが、税制を含めて、個人、企業の活力をさらに大きくする、実需の創造に繋がるような政策を何よりもまず出す必要がある。それを経済同友会としても細谷さんが担当する委員会を通じて、今まで幾つか出してきているもの(提言)を総合化して、早めに同友会としての税制政策の提案をしていきたいと思っている。

以上

(文責:事務局)


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