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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2001年12月04日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長

記者の質問に答える形で、(1)皇太子妃雅子様のご出産、(2)米国エンロンの経営破綻、(3)失業率上昇と雇用対策、(4)ワークシェアリング等について出席者から発言があった。

Q.皇太子妃雅子様のご出産について、改めてコメントを頂きたい。

小林:本当におめでたいの一語につきる。お二人も皇族方も長い間待たれていたことであり、また、お二人は海外にもご友人が多く期待が膨れ上がっていたこともあり、世界中の多くの人たちが喜んだと思う。私はたまたま香港にいたが、海外でもかなり大きく取り上げられており、その点でも本当に良かった。雅子妃殿下が入院される時のシーンがテレビで放映されていたが、街角のインタビューで若い人が素直に期待をして喜んでいた。最近の若い人の中には、斜に構えて「どうでもいいじゃないの」という人が出て来るのではと思っていたが、そうではなかった。妃殿下のご出産を通じて日本人の素直ないいところを見直した。皇室典範の見直しについても、個人的には、そういう道(女性天皇)がひらけることはいいことかと思う。大変素晴らしいニュースであり、お二人の笑顔も明るくて本当にいい出来事だった。

Q.米国のエネルギー関連企業エンロンが破綻し、米国内の問題だと思っていたら、社債がらみで日本企業への影響が出てきたということだが、これについてはどのようにお考えか。

小林:MMF等色々な問題があるようだが、エンロンの経営破綻については、二つの大きな印象がある。一つは、経営の油断があったのは明かということだ。今年の初頭までは、(株価が)史上最高値を付けるのではということが経営当事者の話としても出ていたようだし、エンロンが成長してきたプロセスを見ても、非常に良いことのすぐそばに落とし穴があるのは洋の東西を問わないことであり、エンロンもそうだったのかという印象だ。もう一つは、ゼロックスもそうだったからというわけではないが、マーケット(の見方)がいかにも厳しい。厳しいのは仕方がないが、今度の場合は一ヶ月半の間にあれだけ(株価が)落ちるということは経営側として対処する術がなく、一挙にチャプター・イレブン(米連邦破産法11条の申請)になってしまった。資本市場の厳しさを知ると同時に、経営者のあり方として他山の石としたい。質問に答えれば、それほど大きな影響は無いと思う。米国ではチェース系列やシティ等への影響は大きいし、日本でも邦銀全体として結構大きな(融資)額だし、全く影響ないとは思わないが非常にシリアスな影響はないだろう。

水口:全く同感だ。昨年からの欧米大手通信キャリア、例えばブリティッシュ・テレコムにしろ、ドイツ・テレコムにしろ、大拡張をしていくときには反対のことを常に考えなくてはならない。歴史は繰り返すということを非常に強く感じた。もう一つはマーケットの見方、特に格付け機関の見方であるが、トリプルBだから組み入れたというのは弁解にならない。トリプルBというのは、いつなんどきジャンク債になるか分からないというリスクが非常にあるということだ。マーケット、特にMMFの関係者等は、ロシア危機のときもそうだが、単なる利回りだけで見ずに、そういうリスクがあることを常に考えるということが身にしみたのではないか。経済への影響については、表現が不適切かもしれないが日本の金融機関が抱えている不良債権全体に比べれば微々たるものであり、それによって致命的な影響があるとは思わない。従って、今後は外資の進出のような場合も、萎縮してはいけないが、経営についての調査、判断が強く求められるという意味で教訓になったと思う。

Q.失業率が過去最悪の5.4%に達したということで、雇用対策が何ら効果が無いような印象も受けるし、これからという説もあるが、今後の雇用情勢についてどのようにお考えか。

小林:今井経団連会長もコメントされていたようだが、構造改革が進む中で失業率が5%を越えた後、しばらく上がり続けることは不可避ということは予想されており、5.4%(という数字)について特に驚いたわけではない。今後どうなるかということと雇用対策がいつごろ効いてくるかについてだが、雇用対策の問題については新しい雇用を創るという意味での規制撤廃・緩和や新しい市場を創るということと、失業者への教育訓練を含めたセーフティネットと両方ある。特に新しい雇用が目に見えて創り出される状況ではないので、構造改革を思い切って進めるに従って失業率が上がり続けることはやむを得ないと思う。それだけにセーフティネットの存在と、それが具体的にどういう形で失業者の救済につながるのか、特に重要なことは、新しい分野に向かっての再教育、再訓練について、どのような新しい仕組みや従来の仕組みの活用方法があるのかを積極的にPRしていくことだと思う。大変なケースというのは沢山報告されているが、その中で、活路を開いてやっているケースも少なくないわけだから、そういうものを大いにPRしていくことが必要だ。(雇用対策費として)一次補正に約五千億円が入ったが、同友会が8月10日に発表したセーフティネットに比べれば必ずしも十分とは思っていない。しかし、それだけでも、どれだけ活用の方法があるのか、どういう活用をすれば将来の雇用にどれだけ結びつくのかについて、我々も試算して見えるようにしていく必要がある。当面は雇用も含めた経済全体は、短期的な数字としてはしばらく悪い状態が続くと思う。しかし、実質の家計消費支出は最近でもプラスになっているようだし、9月11日以降海外旅行が減っているのは事実だが、それが国内に回っているとか、海外で使うつもりだったものが国内で使われている等、消費については、借金がデフレによってきつくなるのと裏腹に貯蓄が実質価値を持つことになるので、案外強いという感じを持っている。しかし、全体としてここしばらく雇用情勢が悪くなるのは不可避であるので、はっきりとした分かりやすい見通しを、政府、民間が共に出していくことが必要だと思う。経済財政諮問会議から出された中期見通しをベースに、ここ数年の見通しについてきちんとしたシナリオを見せることが、不安を解消するという点でも必要になってくる。同友会としても、少し工夫をして、今から来年早々にかけて、提言なり我々の見通しなりを出していきたいと考えている。

Q.雇用の関係で、ワークシェアリングについて近々、政府、日経連、連合の三者で会談を持つようだが、ワークシェアリングの考え方、概念や方法は色々とある。ワークシェアリングの必要性についてのお考えと、どのようなイメージを持たれているかについて伺いたい。

小林:ワークシェアリングについて、オランダのケースも含めて色々なバージョンについて議論されているのが実情だ。日本においては労働人口を含めた総人口の減少が見通されている。労働力を活用するため女性、外国人労働者、年配の労働者を動員するにしても、労働市場の柔軟性、流動性を思い切って上げて、オランダ型の一時社員も正社員も同一労働・同一賃金という形態を早めに視野に入れて考えていくべきだと思う。ただし、すぐにそこにいけるかというと、法律や慣習の問題もあってそう簡単にはいかないと思う。多くの人が指摘していることには共通点があって、雇用にインパクトを与える前に一人当たり賃金を下げることになり、それによって雇用を少しでも確保していく、またそのために何ができるかという範囲で色々な(ワークシェアリングの)バージョンが検討されているが、当面は当然のことと思う。注意すべきは、新しい事業分野や産業分野を積極的に開いて、過剰雇用となっている事業や業種の人達を再訓練・再教育して新しい事業・産業分野に回していかないと、従来の仕事を多くの人でシェアするということは、当面の解決にはなるかもしれないが、先に向かっての本質的な解決にはならない。(ワークシェアリングによって)生産性が下がるということについても、もともと成長性がないところでシェアをして、そのまま続けるということではなく、時限でやるというくらいの腹づもりをしないと、日本経済が必要としている構造改革にプラスとなるワークシェアリングにはならないと思う。今の不況は一時的で必ず回復するという見通しがある業種ならば、一時的な問題凌ぎとしてワークシェアリングをしながら将来に向かって色々な形でスキルを付けるということも考えられるが、日本経済全体としてみれば、あるところから別のところへ(労働力を)移すということをもっと積極的にやらなければならないので、ワークシェアリングがその邪魔にならないように考えなければならない。なるべく雇用は確保した上でトータルの賃金は下げるか、変えない、つまり一人当たりの賃金は下がることを覚悟のうえでやっていくというのが、連合、日経連で出ている方向性だと認識している。当面の形としては自然なものだと思う。同友会でも雇用の問題を一つのプロジェクトとして、どういう形のワークシェアリングが望ましいかについても近々に検討して相応の結論を出したいと考える。

以上

(文責:事務局)


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