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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2001年04月03日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長

記者からの質問に答える形で、(1)米国株価乱高下と日本経済、(2)緊急経済対策関連、(3)為替動向、(4)総理候補等について出席者から発言があった。

Q:米国の株価が乱高下して不安定な状況が続いているが、これが日本経済に与える影響をどう見るか?日本の株価も相変わらず低く、政府も緊急経済対策を検討しているが、これに対する見解はどうか?

小林:米国経済については、当分は楽観を許さない状態であり、株価もしばらく上下する状況が続くと思う。ただし、ここ二年くらいIT、ドットコム関連企業のバブル化が進んだことでその調整が起きており、また、T(Traditinal)型企業の部分に関しても、米国資本市場の短期の利益指向や予測を下回れば増収増益でも株価が下がる現状が、株価を激しく動かしている。しかし、米国経済のメインの部分は基本的には堅調で、このまま米国経済が悪化の一途をたどることは無いと思うが、急激に良くなるとも思えず、今年一杯くらいは調整が続くだろう。米国経済は、日本経済に対して、資本市場、輸出市場の観点から大きな存在であることは間違いなく、米国経済に日本経済および株式市場が影響を受ける状態は、しばらく続くと思う。

最終的にどういう緊急経済対策が出てくるか分からないが、与党三党の案として出された内容が軸だと思う。株式買い上げ機構等も具体的に検討されているようだが、少なくとも予想される範囲の対策であれば、新たに申し上げることはない。あえて言えば、昨日の日銀短観によれば、景気の現状は見通しも含めて、あまり良くないことを考えると、構造改革に絡む問題について一日も早く手を打つことだ。与党三党の案でも、不良債権問題について、きちんと手をつけるということなので、それについての道筋をきちんとつける、ということが第一だと思う。金融機関に対する借入先の整理の問題についても、難しく、非常に大きな政治的決断を要すると思うが、我々の過去十年近くにわたる非常に苦い経験として、先延ばしは問題の解決にならないことは分かっている。この辺りで覚悟を決め、きちんとスケジュールと優先順位を作り、一連の金融緩和政策等をトータルのパッケージに、政治的な意思として早く打ち出していくことが最重要課題だと思う。買い上げ機構も、そうしたトータルのパッケージの一つとして考えれば、全く零点ということもないかもしれない。

Q:緊急経済対策に関して、内容が報じられている株式の買い上げ機構について意見はどうか?

小林:株式買い上げ機構(の構想)は、最近の株式市場において株式持ち合いの解消を進める要因になっている。かつて同様なことをして成功した時期があるが、当時と比べて資本市場は大きな変化を遂げており、その時のようにはうまくいかないのではないか、という批判もある。しかし、それがトータルなパッケージとして出され、市場との調和を図れる、市場の動きを阻害しない何らかの方法があれば、買い上げ機構自体を否定する必要はないのではないか。

水口:1月16日の自民党証券市場等活性化委員会に、経済界から経団連と経済同友会が出席し、そこで小林代表幹事、私(水口)、三國陽夫金融・資本市場委員会委員長の連名でペーパーを出した。その中で「最近の急速な株価下落に対し、金融危機再燃の未然防止等を理由に、政府による株式買上げ構想等が検討されると報道されているが、やるべきは金融ビックバンであり、フリー、フェア、グローバルの観点から王道を歩むべきである。需給対策的なものはやるべきではない。」という基本的な考えを申し上げ、日本版401Kプランの早期実現、ESOPの導入、商法の改正、金庫株の解禁、税制の見直し等について提言をした。

その後、私自身もあらゆる機会に、税制の問題が先延ばしになっていることは致命傷である、と随分申し上げてきた。この(買い上げ機構の)ようなことはやるべきでない、というのが私の主張である。98年秋から年末に株価が暴落した時に同じような考え方が浮上したが、その時にも「株式の持ち合い解消は企業の自助努力ですべきであり、公的資金を使うべきではない。租税措置で十分である。」と申し上げた。今回の買い上げ機構(の構想)は、ETF(株価指数連動型上場投資信託)を結びつけて考えているが、今の銀行保有株のポートフォリオからそういうものは出てこないと思う。要は個人金融資産をいかに株式市場にシフトしていくかということである。貯蓄優遇から投資優遇税制に大きく変えてもらいたいという意見は強く出しており、(与党にも)理解して頂けるものと思っている。以上は個人的意見だが、経済同友会としてどう考えるかについては、明日、政府・与党の一体の案として出た後での検討ということになる。

Q:本日、自民党に401k法案の関連で陳情に行かれたようだが、そのとき自民党から経済界に対して要望があったと思うが、どのような話があったのか?

小林:自民党の立場に立てば当然と思える要望が二つあった。一つは、日本経済は大変なところに来ているので、明日の緊急経済対策を含めた個々の案について、皆さんも色々意見があると思うが、否定的な足を引っ張るようなコメントは控えて頂きたい。そして大筋として、401kは日本経済が必要としているセーフティネットを構築する重要な部分であり、こうした対策も含めて経済を更に活性化することについてサポートして欲しいということであった。

二点目は、これらの政策を実施していく上で大切なことは政治の安定であり、今、大きな体制変化があることは日本経済を先に進める為にも好ましくないので、今度の選挙に向かって、自民党を含めた連立(政権)について強力な支持をお願いしたい、ということであった。

Q:景気に関連して、現在、為替が126円台まで円安方向に進んでおり、余りに急激な変化との意見もあるが、為替動向についてどう評価しているか?

小林:現在のレベルであれば著しい円安とは思っていない。世の中には、もっと円安になるという見方もあるようだし、120円台であれば極端に驚くことはないと思う。今後、どう推移するかについては予測できないが、為替レートがファンダメンタルズを反映すると同時に、米国が基本的にドル高政策を支持するのであれば、日本経済の現状を考えた場合、為替がある程度、弱含みで推移することは予想できると思う。円安を利用して輸出を伸ばせば企業利益にプラスになるし、輸入物が高くなればデフレ抑制にも効果がある。そういうトータルの効果があってもいいと思うが、それを期待して円安状況を作っているとも思えない。

Q:円安は輸出企業にプラスに働き、デフレ圧力を抑制するというメリットを認めていながら、必ずしも円安を歓迎していない理由は何か?

小林:円安を歓迎しないということではない。確かに現在の経済状況において円安にメリットがあることは認めるが、そのメリットを狙った人為的な為替レート操作には賛成しない、ということを申し上げた。現在程度のレートはあって然るべきであり、120円台ならば心配はない。

Q:首相にはだれが相応しいと思うか?どのような手続きで選ばれるべきと思うか?

小林:固有名詞を挙げて誰が相応しいということについては分からない。ただし、(自民党の)総裁選が透明な形で行われること、現在の日本経済を先に進めるための強いリーダーシップを示すに相応しい人が選ばれること、スケジュールや優先順位を含めて、避けることのできない痛みを如何に克服するかについて具体的な政策パッケージが候補者から示された上で、総裁選が行われること、が必要である。政策をどう評価するかは自民党内部の問題かもしれないが、自民党総裁は総理になる確率が最も高いのだから、自民党外から見ても納得いく人が選ばれることが好ましい。同じことは野党にも言える。どのように日本を建て直そうとしているのか、選挙前に政策が国民に見える形で提示されることを強く望む。

Q:固有名詞は分からないとのことだが、見るに値する政策を打ち出している人がいないということか?

小林:私の勉強不足かもしれないが、現時点で、政策をまとまった形のパッケージとして優先順位やスケジュールを含めて提示されている方は、まだおられないと思っている。政府・与党の緊急経済対策もトータルのパッケージではなく、パッケージの一部を構成するものとなるのではないか。

Q:相応しい候補者はいないという感想か?

小林:もし提示がないまま終わってしまったら、相応しい候補者はいないと申し上げた方がいいのかもしれないが、まさかそのようなことはないだろう。実際に総裁選ということになれば、これまで申し上げたような期待に応える政策論争が行われるものと強く期待している。

以上

(文責:事務局)


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