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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2001年01月16日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長
宮内義彦副代表幹事・米州委員会委員長
茂木友三郎副代表幹事・政治委員会委員長
鳥海巖副代表幹事・欧州委員会委員長
藤澤義之副代表幹事・諮問委員会委員長
生田正治副代表幹事・経済政策委員会委員長

冒頭、水口弘一副代表幹事・専務理事より、本日発表の『PDFリンク 「株価対策」についての意見』について説明した後、記者からの質問に答える形で、(1)株価対策について、(2)今年の景気見通しと株安・円安等について出席者から発言があった。

Q:意見書に需給調整目的の株価対策は良くないとあるが、具体的にどういうことか?

水口:相沢元金融再生委員長の念頭には、預金保険機構の資金の利用もあるようだが、これでは問題の先送りに過ぎない。私見だが、グローバリゼーション、資本市場の自由化という状況を見る限り、こうした構想が出るだけで世界中の投資家から背を向けられることになりかねないわけで、問題の先送りに過ぎないことから、かえって逆効果ではないかと考える。

Q:意見書の内容は経団連の主張と同じのようだが、別個にやるのではなくて、経団連と共同で行動することは考えられないのか?

水口:当然そういうことになるだろうから、意見書は経団連にも説明する。これまで金庫株だけが話題として強く前面に出ていたが、(意見書にある)ESOP (Employee Stock Ownership Plan)は今回の新しい提案であり、米国の実態を見ても非常に普及している。

Q:ESOPについては確定拠出型年金法案の導入以前にやるということか?

水口:出来れば両方とも前倒しで実施することが望ましいと思う。

Q:自社株を確定拠出年金の中に組みこむということか?

水口:別添資料にあるように、米国型では従業員は拠出をしない。401KとESOPにより、個人株主が増えていくことは非常に大きなメリットがある。

Q:ESOPは日本語では何と表現したらよいか?

水口:従来からの従業員持ち株会と区別するために、このままESOPと呼んだ方がいいのではないかと考えている。いい知恵があれば頂戴したい。

Q:来年度の景気見通しについて、1月5日の経済四団体長会見では(GDP成長率の)政府見通しの1.7%成長は達成可能ということで一致していたと思うが、この点は如何か?また、最近の円安が日本経済に与える影響をどうみるか?

藤澤:来年度の景気見通しについては楽観視している。政府の経済見通しは達成されるのではないか。米国の景気が若干悪くなってきているので、それにつられて不安心理も出てきていると思うが、日本の産業は、設備投資も含めてまだまだ強いという実感を持っている。円安については、何を以って円安と言うのかという問題がある。確かに1ドル=105円の時と比べれば円安ということになるが、どこが適正な水準かということは分かりにくい。100円から105円という時期に、経営努力で円高に耐えてきた企業にとっては、円安は一種の麻薬になりかねないが、プラス面もある。輸入物価の上昇ということも一部で言われているが、トータルで見れば現在の1ドル=120円というレートは全く問題となる水準ではない。心理的に不安がある中で、sweetener的効果があると見ている。

茂木:景気を左右する一番大きな要因は消費であり、消費を活性化するには所得の増大が必要だが、あまり期待できそうにない。となれば、消費の活性化に重要なのは、国民の将来に対する不安を取り除くということであり、そのためには、短期的には労働市場を整備すること、中長期的には財政構造改革、社会保障のヴィジョンを示すことが必要である。来年度、特に後半の景気動向は、政府がそれをやれるかどうかに掛かってくるだろう。最終商品を販売し、消費者に近い位置にある食品業界に身を置く者の実感として、政府見通しの達成は多少苦しいのではないかという気がしており、政府見通しから0.2~0.5%ほど低くなるのではないか。しかし、政府のヴィジョンがはっきり示され、国民の不安が解消されれば、見通しの達成は可能かもしれない。円安については、日本経済の今の実力からすれば1ドル=115円~120円の水準は不思議ではない。もっと経済が良くなれば、円が強くなってもいいかもしれないが、現在の経済状況では実力相応の水準ではないか。

水口:景気については若干強気に見ている。日本経済は従来の外需主導、公共投資中心という財政主導の経済運営から民需へつなぐ意味で、今は設備投資が中心だが、各指標を見る限り来年度にかけて消費は悪くないと考える。政府見通し以上の成長が期待できるのではないか。為替については120円はいいところだと思うが、これ以上円安が進むと、海外投資家からの日本株投資の面でマイナス要因が出てくる可能性もある。望ましい水準というのはなかなか長続きしないのが相場の常だが、現在のレベルで推移することが望ましいと考える。

小林:ITを中心に設備投資が伸びるという見通しと、現状も消費は決して悪くないとの認識から、政府見通しの1.7%成長は達成可能と考える。ただ、春以降に金融、ゼネコン、中小企業の中で苦しいところが出てくれば、雇用関係を中心に注視していく必要がある。為替については、100円から120円台前半の範囲であれば、一喜一憂する必要はないと考える。円安で輸出関係が伸びることについては、対米にしろ対中にしろ恐れることはないのではないかと思う。

宮内:政府見通しの経済成長を達成することが、我々にとって大問題かどうかは疑問である。政府見通しが国家目標となれば、公共投資を増やしてでも達成しようとするだろう。また、政府見通しは実質成長率であるが、この見通しはデフレ経済下でのものである。国民は実質ではなく名目経済の中で生活しており、その名目経済活動はマイナスが続いている。資産デフレで始まり物価デフレに推移していくというパターンに陥っている中で実質の議論をすることは、もう止めた方がいいのではないか。デフレに挑戦しない限り経済は活性化しない。二国間の為替レートについては、競争力の高い産業同士を比較するのではなく、両国経済全体を突き合わせて購買力平価で考えるべきである。そうすれば今の120円前後は円安でも何でもなく、1ドル=140~160円という説もあるくらいで、さらなる円安が当然の流れではないか。円安によって、例えば日本の輸出が2倍になるということはない。為替レートの変動に耐え得る体力をつけてきた企業が、その恩恵として利益を上げることは結構なことである。現在の水準が円安とは思わない。

鳥海:IT革命が進行する中で市場主義経済が新たな段階を迎え、新しいパターンが出てきているのではないか。今年から来年にかけて、為替レートも株価も乱高下する局面があるのではないか。例えば、悪い方向に偏ると、同じスピードで良い方向に偏るというパターンになってきている。こういうパターンを我々はまだ十分熟知していないのではないか。今必要なのは、海外の指導者がそうであるように、政府トップが明確な説明を堂々と行い、国民の不安を払拭していく姿勢であると考える。

生田:景気については、二極化は進んでいるものの企業収益は回復基調にあることに変わりはない。一方で、持ち合い解消による株価低迷があるが、一喜一憂する必要はないと思う。景気の"気"の点で言えば、昨年11月~12月の不安定な政局が今後の日本に対する不安を煽っており、政局の安定が必要である。今後は不良債権の処理など、これまで先送りしてきた問題に解決の目処をつけることが最も重要ではないか。為替については、日本経済にとって最も座りがいい数字は、1ドル=115円±5円だと思っている。このボックス圏内で安定してもらいたい。

Q.小林代表幹事は株価対策について何か付言されることがあるか?

小林:金庫株は、各企業が自ら判断して株の売買を行うことであり、需給調整とは性質が違う。PKO(株価維持操作)ではなく、ESOPのような基本的なところからやればよい。意見書(「『株価対策』についての意見」)の内容が経団連のものと同じというのであれば、一緒にその動きを大きくしていけばよい。株価については、日経平均と金融機関のポートフォリオとの間に論理的に直接の関係はなく、株安という不安が煽られ過ぎているのではないかと思う。

水口:日経平均株価において、組み替え前の銘柄で計算すると昨日の平均株価13,506円は16,489円となる。また、TOPIXは今日の前場は1,248だが、98年10月に平均株価が約12,800円をつけた時は980であり、時価総額もあの頃は260兆円、今は350兆円位なので、あまり不安心理を持つことはない。

小林:米国経済は、金融、財政共に採ることが出来る政策オプションに幅がある。誰も米国経済のクラッシュを望んでいるわけはないが、ソフトランディングできるかどうかについては、できることを前提に物事を考えない方がいい。米国内ではハードランディングもあり得るとの見方が出てきている。米国経済にバブルの負の遺産が全く残ってないということもないから、新政権は4年という任期のタイムスパンを考慮して、その初期のうちにきれいにして底固めをすることも考えられる。向こう半年くらいは、どのような政策が出てくるのか注視したい。

以上

(文責:事務局)


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