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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2000年11月21日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長
瀬戸雄三副代表幹事・企業経営委員会委員長

冒頭、水口弘一副代表幹事・専務理事より、本日発表の外形標準課税に関する代表幹事見解「自治省外形標準課税案について」(別紙)に関する説明の後、記者からの質問に答える形で、(1)内閣不信任決議案を巡る政局の顛末、(2)株価への影響、(3)外形標準課税問題等について出席者から発言があった。

Q:先週末から昨夜、本日午前中にかけての政局の顛末について感想を伺いたい。

小林:内閣不信任決議案が否決されたことは、結果として良かったと思う。加藤・山崎グループが衆院本会議欠席に至ったのは意外であり、事の次第はよく分らない。加藤、山崎両氏を処分しないという自民党の決定があったようだが、意地悪く見れば元に戻っただけと言える。しかし、今回の一連の行動で両氏が捨て駒になってはいけないと思う。加藤流に表現すれば、それなりに出てきたエネルギーは今後活かされるであろうし、若手議員がこれを経験に次世代に繋げる糧として欲しい。森総理の発言に批判はあるが、フェアに考えて、支持率は低いものの、政策否定、政策批判とは思わない。

大きな流れとして日本を変えねばならないという空気が加藤氏を支えていたのも事実であり、今度の結末が結果としてこのエネルギーを消すことになっては日本全体にとって非常にロスである。次にこうしたエネルギーが出てくるのは参院選なのか分らないが、93年に政治改革法案の是非で対立軸が明確になったように、政策を一つの選択軸に政党間、政治家間で争い、我々がそれを選択していくという政治が一日も早く実現することを期待している。その方向にこのエネルギーが活かされていけば、今度の動きに対する反応は現時点では失望感が多いと思うが、後に評価される可能性はあると見ている。

Q:こういう結果に終わったが、加藤、山崎両氏の行動については評価しているということか?

小林:今回のような行動をとられたこと自体は評価しているが、野党が提出した内閣不信任決議案にのることはおかしいと思う。しかし、一つの大きな動きであったし、自民党を含めて与党の中に緊張感を生んだことは事実である。これを一時の緊張感に終わらせず、自民党もこれからのあり方について考えて欲しい。特に多くの若手議員が今度のことをきちんと受け止め、次世代に繋げるということについて新たな責任感を持ったのではないかと思う。それは主流派も反主流派も同じであり期待したい。また、そうした力が芽を出すのであれば今度の加藤、山崎両氏の行動が無駄だったとは思わない。

Q:森政権の評価に関して、続投すべきかどうか伺いたい。

小林:続投というのがどこから先か分らないが、先ずは懸案の省庁再編やIT等の関連法案をきちんと処理して頂きたい。小渕政権からの懸案は処理されつつあり、またそうした状態になって良かったと思っている。その上で、森総理がどう判断されるかは次のステップである。この先内閣改造をすること、その先を続投というのかどうか分らないが、それは政治的判断であり、森総理のまま年を越されてもよいと思う。

Q:昨夜の国会での松浪健四郎議員の行為についてどう思われたか?今の国会を象徴している感があるが。

小林:驚いたが、象徴というほど大げさには思わない。実際にどういうヤジがあったのかも分らないが、大したことではないだろう。

Q:森総理の続投の時期だが、とにかく懸案事項を処理して年が明けると思うが、参院選まで森総理でいく方が良いと思われるか?

小林:正直言って分らないし、まさに総理ご自身が判断されることだ。今回、加藤、山崎両氏を促した世論の動きが今後どう変わっていくのかにもよる。実際に補正予算も通り、来年度予算の段取りもつけ、いくつかの懸案を処理していくことになるが、それでも支持率が下がっていくというのは実態から言えばおかしい。ムードで支持率が下がり、それで政治をやられてはかなわない。総理も忸怩たるものがあると言われているので、懸案を処理されたら相応の判断をなさると思う。今のまま参院選に臨むかどうか分らないが、選挙をやる以上、政党は勝利しなければならないので、森総理を含め自民党がどう判断されるかということである。

Q:本日、補正予算が通過するが、党を混乱させた責任は党の総裁にあるのだから、これを機会に辞任をしたらよいというお考えはないのか。

小林:辞任したら良いとは必ずしも思わないが、森総理がそういう選択することもありうるのではないか。

Q:今回の流れを見ていて加藤氏の思いは何となく伝わったが、結局、政策論争に発展しなかったということが、米国大統領選の直後でもあり印象的であった。そういう意味で、代表幹事は「次代に繋げる新しい芽が出ることを期待する」と言われたが、日本の政治体質に対する改革への期待を具体的に伺いたい。

小林:政策軸が全く見えなかったわけではないが、唐突に出てきた。加藤氏は構造改革、財政再建を明言しており、これについては同友会と同じ考えである。こうした点については以前から考えておられていたのかもしれないが、我々に見える形で言われたのはごく最近のことである。また、具体的な中味、例えば財政再建のスケジュール、歳出カットや増税など具体的な柱を示すべきであった。日曜日のテレビ番組で竹中平蔵氏が加藤氏に対して、「政権をとれたら具体的にどのような政策をするのか」という質問をしたところ、「それは先のことで先ず政治を変えることだ」と言われた。本心だろうが、分りやすい対抗軸として構造改革、財政再建を言われたのかもしれない。しかし、実際にはこれが鍵であると思う。構造改革、財政再建が大切だということは多くの人が言ってきているが、現実にどのようなスピードでどういう中味で構造改革を進めていくのか、また財政再建のスケジュールや方法、さらに構造改革の中で当然起こりうる雇用に対するインパクト、一部の産業再編の問題などネガティブな側面についてどのように対処するのか、すなわちどのようなセイフティネットを整備するのか等を具体的に言う必要がある。それを示さないと、構造改革、財政再建というのはお題目としては分るが、具体的な政策としてはインパクトを持ち得ない。加藤、山崎両氏を中心に今回立ち上がった人達に対して、ここでエネルギーを盛り上げて世論をバックにして変革に臨んだ勢いについては認めるが、それだけでは駄目であり、その後何をするのかという部分について示すべきである。我々としては、構造改革、財政再建を一つのきちんとした政策として論争の中心においてもらいたい。小渕前総理の時から、日本経済の自律的回復が定着するまでは財政再建には手をつけない、この1~2年は積極財政で、財政再建に入るのは2002年か2003年なのか分らないということではなく、きちんと示して戴きたい。我々は景気対策と財政再建は必ずしも矛盾せず、2001年頃から予算は積極財政ではなくニュートラルにしていくべきではないかと考えている。折角、加藤氏が財政再建を掲げたので、これが引っ込むことなく政策論争となることを期待している。社会保障等いくつか問題はある。

Q:政局との関係からか株価が下がっているが、どう思われるか?

小林:不信任案が可決され、日本の政治が大きく動くことへの期待が裏切られたからなのか、正直分からない。一般には、そうした期待感もあったような気もするが、可決された場合に、それが新しい政治の実現の大きな契機になったかどうか分からない。93年以降の動きにやや失望しており、手放しで楽観できないと受け止めており、そう簡単に変わるものではないと思っている。

水口:日本の株式市場における最近の動きは、4月の銘柄入替え以降、NASDAQと非常に似てきており、いわば相似形である。TOPIXもそうした傾向がある。昨日は、NASDAQが3000ポイントを割り大きく下げたが、個人的にはこの状況はかなり危険であると考える。ただし、米国では、ネット関連株がPERで20倍、30倍といった正常な水準に戻りつつあり、日本でも同様の状況になってきている。従って、本日下がっている原因は、この点にあると思う。

ただ、政局がこうした状況だと、持ち合い解消の問題や金融機関の持ち株の評価損という問題も出てくるため、一時的にはスパイラル的に悪い場面もあるかもしれない。これをバックアップする業績は非常にいいので、好業績のものはそれなりに推移するだろうが、米国の状況や国内の政治状況が影響してくるだろう。特に、今回も政策論争が途中で萎んでしまった。森総理にとって、IT戦略、教育問題、社会保障制度などあらゆる問題がこれから出揃うわけであり、その時に財政構造改革という問題をどのような考え方で行なっていくか、自らの考えを採り入れる必要がある。例えば、来年度の予算編成などは、モノを言ういいチャンスであり、非常に重要である。

もうひとつの印象は、若手に期待していたが、旧来の自民党の枠内に萎んでしまった感がある。今回、他党や他派閥との横断的なやり取りがあったとも聞いている。若い人達には、今回がそうした流れのスタートになればと思っている。

Q:今回、加藤氏は反対に回らず欠席したが、それに対する失望感はあるか? あるいは、この件は予見できたのか?

小林:最後まで"絶対に出席する"と言っておられていたので、予見はできなかったが、プロのシナリオには一つとして入っていたのではないか。失望と言えば失望かもしれない。思い切って説を通して除名されたとしても、出席した方が潔しという気持ちも全くなかったわけではない。しかし、かつて河野洋平氏がそうであったように、そして93年以降を見ても、自民党を離れた人達の政治行動が、その後、真に日本の政治を新しい方向に大きく変えることに役立っているかどうか。今回、加藤氏が離党しないと主張し続けた理由のひとつは、この点にあったのではないだろうか。もちろん、党内に居続けることに大きな可能性があったかどうかは分からないが、今回、加藤氏と行動を共にしようとした、あるいは同調しようとした若手の人達は、"何とかしなければいけない"といった危機感と、政策に対する高い意識を持っていると思う。主役の影では、将来に向けて重要な人達が、動いていたのではないか。我々も政策を軸に論争が行なわれ、政党再編が進むということを好ましいと考えるし、そのカギを握るのは、こうした若手だと思う。

Q:外形標準課税で、控除型付加価値税はある種の消費税と受け止めて良いか?今の外形標準課税自体は税の転嫁が玉虫色であり、一種の固定資産税的なものになっている。今回のコメントは、こうした点に対する不満を表明したと考えて良いか?

水口:要するに取れるところから取るというやり方であり、「広く、薄く」といった考え方とは異なっている。「広く、薄く」で応益課税ということになれば、最後は消費税に辿りつかざるを得ない。ただし、政治的に猛烈なアレルギーがあるし、政府部内でも縦割り行政によって意見がそれぞれ違うという問題もあるので、役所内部でもきちんと議論すべきだと思う。

Q:同友会の考え方を日商の会見で話したところ、"益税について、現行制度にそれほど欠陥があるだろうか"との反応であった。また、"地方消費税についても、限度の問題であり、1%程度なら云々"という回答であった。経済団体の中でも意見がかなり違っているのが実態であり、事実、同友会は先週の反対総決起集会にも参加されなかったようである。経済団体の中で意見調整をしていく必要があると考えるか?

水口:経団連の前田勝之助氏とは、随分前から意見調整ではなく、意見交換を行なってきている。ただし、日商とは立場が若干、異なるであろう。

小林:調整は別として、きちんとした意見交換は積極的に行なっていくべきであろう。一般論であるが、かつて消費税を導入した時、また消費税率をアップさせた時も、商工会議所は反対であったのに対し、直間比率是正について、同友会は経団連とともに賛成の立場であった。最近は、インボイス方式で進めるべく話しはできているという声も聞く。ご質問の"これは実際のところ消費税として云々"という考え方と、これに反対の意見とを進めていくと、行きつくところは実質的にかなり似たものになる。中小企業にもある程度配慮していくとなると、一体どこが同じでどこが違うのかを、考え方を含めて整理しておく必要がある。

水口:局地戦ではなく、個人の所得税を含めて税制全体をきちん見直すことが必要である。加藤寛前政府税調会長が膨大なレポートを残されているが、これらは熟読に値すると思う。

瀬戸:今、景気は底を打って、右肩上がりになりかかっているところである。外形標準課税とは、利益の如何に関わらず一律に課税するものであり、導入のタイミングが重要になる。もう少し企業業績が力強くなった時には(導入が)考えられるが、今は早過ぎる。また、取れるところから取るというよりは、行政のスリム化があってしかるべきかと思う。2002年に導入とされているが、その時にどうなっているかが重要である。

以上

(文責:事務局)


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