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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2000年06月20日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長
茂木友三郎副代表幹事・政治委員長

記者からの質問に答える形で(1)衆議院議員選挙の世論調査結果、(2)経済企画庁の景気底入れ宣言、(3)各政党の政策、(4)NTT接続料金問題、(5)米国景気の動向、(6)ナスダック・ジャパン取引開始、(7)日本の景気見通し等について出席者から発言があった。

Q:衆議院議員選挙について、報道各社の世論調査では与党、とりわけ自民党に勢いがあるとのことであるが、これについてどう思われるか。

小林:もともと選挙前には自民党が強いという意見、あるいは大幅に負けるという両方の見方があったが、今日までのところ、各社の世論調査では小選挙区を中心に自民党が強いとの結果が出たようだ。まだしばらく(25日の投票日までには)間があることから、この結果が実際の(投票)行動パターンにどのような影響を与えるかということもあり注意深く見ていきたい。現段階で調査結果について特に感想はない。

茂木:選挙の直前までわからない。前回の参議院議員選挙の時も最後の3日で状況が変わったといわれる。率直な印象として、野党が攻めあぐてねいるのではないか。野党は攻めやすく、守る与党は大変であるが、野党は国民にアピールする政策を出し切れていない感じがする。二大政党が望ましいとする観点からも、与野党共に切磋琢磨して欲しい。さらに自民党に肉薄しないと、本当の意味の二大政党にはならないと思う。

水口:結局、投票率によって相当左右される。また、投票直前の状況で相当影響されると思う。選挙は水物なので何ともいえないが、三党党首の討論などを見ると、経済の実態が好転している背景もあって、与党側の発言に非常に現実的な強さを感じる。それに比べ野党サイドは、税制の問題一つとっても、短期と中期の判別が明確でないなど迫力不足である。ただ結果はどうなるかわからない。

Q:代表幹事は今回の投票はどうされるのか?

小林:(投票日は)海外出張中なので不在者投票をする。

Q:選挙に関して、世襲制についてどう思うか?

小林:選挙区の世襲化は米国にもある。個人的な意見だが、政治家という職業をどう考えるかによると思う。政治の世界に入って、自らの考えを政治を通じて実現していきたいという見方と、政治家という職業は特殊であり世襲制もやむを得ず、場合によっては二代目、三代目といった政治の空気をある程度知っている人の方が、より効果的であるという両方の見方があると思う。日本の場合、二世、三世議員が多いと言われているが、こうした人々の実績が悪いかと言うと、非常に優れた人もいる。従って、世襲自体の良し悪しではなく個々人を評価し、芳しくない場合には、その原因が世襲であったかどうかを検証した方が建設的だと思う。

Q:人数が多くて個々の議員を具体的に評価するのは難しいのではないか?

小林:各紙であれだけ綿密に選挙予測をしており、一人ひとりを評価することは難しくないのではないか。

茂木:世襲制の是非について、政治委員会としての結論は出していない。しかし、委員会では、二世でない人達も広く政治家になるチャンスが得られるよう、政治家のリクルートのルートを広げることはできないものかという意見があった。幅広く政治家を発掘する方法を議論していく必要があると思う。

Q:弔い合戦の色彩も強くなって来ており、党首脳においても世襲化が進んできている。もっと本質的な問題として世襲制をどう考えるか?

小林:弔い合戦であるかどうかは別として、ある人が選ばれた場合、選んでるのは選挙民なのだから、その人に選ばれる資格がなければ次の選挙で落選するのではないか。そうでなければ選挙民の責任ということになる。

Q:政府が「景気底入れ宣言」をしたが、「景気回復宣言」ではないというように言葉を使い分けている。現状をどのように思われるか。

小林:本日の月例経済報告でも更に上方修正され、自律回復への動きが強まるとのことであり、また、景気の谷は昨年4月だったという。経済同友会の景気アンケート調査でも同様の見方であり、それらが裏付けられたと思う。経済が徐々に良くなっているという状況が、与党を強く支えることにつながっているのだろう。景気は継続的に良くなっているという事実を見つめるべきである。決して手放しで何もしなくて良い状況になったと言うつもりはないが、いつまでも「(景気回復が)まだか、まだか」と言い続けることも如何かと思う。そういう意味でそろそろ財政再建等も視野に入れて政策を考えていかなくてはならない。もちろん急に政策転換をせよというのではない。かつて米国は90年、93年と財政再建の法律を通して、10年ぐらいのスパンで計画を立て、それを実現した。今度の選挙戦でもそのような形で政党間の政策の違いが選挙民に見えるようになって欲しいと思う。そろそろこうしたことが、きちんと議論されるところに来ているのではないか。

Q:森総理は補正予算編成の準備を大蔵省に示唆したとの報道があるが、これについて財政再建を含めた観点からどのように考えるか?

小林:今年度については補正予算は必要ないと申し上げてきたし、その考えは変わっていない。しかし、経済は水物で今後何が起きるかわからないという意味で、経済の先行きに根本的な不安を与えるような状況が起きたら、いつでも手を打てるように準備しろと指示することは、総理の立場からすればあり得ると思う。補正予算を組め、という指示が出たとは理解していない。我々は、今の経済状況では補正が必要とは考えない。来年からは財政再建も視野に入れた予算編成が考慮されて然るべきと思う。

Q:公明党の神崎代表は基礎年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1に引き上げ、その財源として消費税率の引き上げを主張している節がある。直間比率を変えないままで、2004年までには引き上げよとのことであるが、消費税率の引き上げ時期、引き上げ幅、また引き上げの是非などについて、どのように考えるか?

小林:消費税の問題を含めて、経済同友会では財政委員会で税制について検討をしているが、これらの問題については結論が出ていない。ただ、今までの考え方からすれば直間比率を変え、レベルは別にして消費税率引き上げは不可避であろうという立場である。細かい点については、今後検討していきたいと思う。

Q:経済同友会としては直間比率はどの程度であるべきか、また、消費税率引き上げはどのタイミングで行うべきと考えるか?

水口:具体的な検討はしていない。経済四団体では税制の抜本的改正が必要で、法人税の引き下げだけでなく直間比率の是正についても合意している。中長期的に見た場合、このままの消費税率で良いということは国際的に見て誰も考えていないし、また国民も考えていないと思う。全体としての税のバランスをどうするかということについては我々としても検討したいと思う。それだけに、今度の総選挙ではもう少し与野党共に具体的にその問題を出してもらいたかった。

Q:経済同友会は、消費税率はどのくらいがベストと考えるか?

水口:経済同友会としては、まだ検討していない。個人的には考えがあるが、公表する段階ではない。

Q:NTTの接続料金問題については、先日、自民党の野中幹事長から3年で前倒しという発言があった。この問題についてどのように考えるか?

小林:NTTの持株会社の役員であることを別にして話をすると、基本的にはIT革命の進展と、米国ではここ数年来それを積極的に活用し、生産性の上昇につなげたという実績を考えれば、日本でもこの問題にさらに取り組んでいく必要がある。我々の政府に対する要求も一般的な公共投資ではなく、IT化等を進めるようにと要望している。接続料金の問題にしても、ラストワンマイルの問題にしても、インターネットの問題にしても、国際的な価格水準について詳細は不明であるが、日本の価格水準を下げることは必要だと思う。
日米間では、米国は2年で下げろ、日本は4年で下げるという議論がなされている。実際には米国が接続料をいくらに要求するかということを越えて、日本のIT化を促進していくという観点が必要で、これにはNTT法の問題、競争条件の整備などいくつか基本的な問題が含まれている。九州・沖縄サミットまでに結論が出るとは思わないが、方向をきちんと確認した上で、サミットまでにある種の妥協が必要という政治的な判断があれば、野中幹事長のような発言はあり得ると思う。個人的に3年という前倒しをどう見るか等について論評する立場にない。あくまでも重要な問題は、この件について3年で決着して何もしないということではなく、先のことを視野に入れて本質的に何をするかということを議論していかなくてはならない。野中幹事長は、NTTの基本的なあり方についても触れられていたと思う。これらは検討されるべき大きなテーマである。

水口:接続料金というものはマーケットが決めるものと思っている。今回の場合は、公共的な色彩がグローバルである点から、ヒストリカル・コストとロングラン・インクリメンタル・コスト(フォワード・ルッキング・コスト)という二つの方式を出してきた。基本はNTTが経営の観点から決定すべきであると思う。特に、決算見通しと実績が大幅に狂うということになると、マーケットの信頼がなくなってしまうので、NTT自身が考えるべきである。また、そのためには自らやっていけるように環境を整えることが重要であり、法律の改正、あるいは携帯電話をどうするかといった問題が出てくるが、最後はマーケットが決めるものだという考えのもと、関係者の方々は努力していくべきというのが基本だと思う。

Q:国民の利益のために日本の市場を開放し、IT化を進めるという観点からの話であると理解するが、そうであれば国民が利益を享受するために交渉と決着時期を少しでも早めることが良い、ということにならないか?

小林:必ずしもそういう趣旨ではない。日米間の交渉を1日でも早くするということは、それほど本質的な話ではない。むしろ、NTT法の問題、競争条件に係る諸条件の整備、NTT分割見直しの可能性など、全体の見直しが必要であり、とてもサミットまでに間に合うものではない。これらについては、仮に前倒ししたとしても根本的な解決ではないと考える。

Q:米国の景気は減速しつつあるのではないか。特に日本の自動車株が、かなり値下がりしているが、これは米国景気の減速を織り込んだ動きなのか?

小林:少し前よりは、米国経済にある種の先行き警戒感が出てきた感はあるが、かなり警戒を要するレベルにまで下向きになってきたとは思わない。ある期間を置きながら、ガス抜きをしつつ徐々にソフトランディングするといった方向に向かっていると思う。

茂木:全く同感である。それ程、下向いているといった感じはない。当社の米国工場で人員を雇う場合のコストもまだ高く、消費も旺盛である。先月の小売業の売上高が2か月連続で前月比よりも減ったとのことだが、未だ本格的に減速しているという感じではない。

Q:トヨタ株などは2割ぐらい下げているようだが、先行指標的な意味を持つのか?

水口:即断するのは未だ早いと思う。ソフトランディングできるであろうという見方が強くなってきており、来年度の成長率予測も3%台が多くを占めている。我々にとっても良い方向にあると思う。

Q:昨日、ナスダックジャパンが発足した。市場がたくさんできるのは良いことだが、証券会社が公開する企業の取り合いをしているとの声もある。それに対して、どう思うか?

水口:マーケットがたくさんできることは良いことだと思う。昨日は、朝からの値付も割合穏当なものだったと思う。これからの本格的なマーケット競争では、国内だけでなく国際的な競争になるので結構なことだと思う。
証券会社が幹事競争に走るということはないと思う。マザーズの時も、どちらかと言うと渋々引き受けていたのが実態であり、特にアナリストを抱えているところでは、全部我が身に振り返って来るので、アンダーライターとして責任を持つことが益々重要になってくる。ナスダックというマーケットの管理だけでなく、ここ数ヶ月多くの犠牲を払ってきていることもあり、そこに出すインベストメント・バンクとしての重要さを、皆、肝に銘じてやっていくと思う。

Q:今日の宮沢蔵相の記者会見で、秋頃に個人消費が回復し、公需から民需へのバトンタッチが行なわれるだろうとの発言があったが、まだリストラの最中で雇用のミスマッチも出ており、また、年金など高齢化社会に関する問題もあって、楽観的な見方ではないかと思うが、どうか?

小林:なかなか消費が立ちあがらないと言われながらも少しは良くなって来ている。ただ、完全に良くならない理由の一つに、年金・社会保障全般を含めて将来の見通しがはっきりせず、収入が増えたとしても貯蓄に回しているといった見方がある。
しかし、今まで申し上げてきているように、企業の収益見通しや鉱工業生産指数などが継続的に良くなっており、一定のタイムラグの後、個人消費もフォローすると考える。これが、秋までに実現したとしても不思議ではないと思う。また、今後の政治体制について、ある程度の安定感、安心感といったものが生まれてくれば、消費にプラスにつながってくる。秋頃という時期については、早過ぎるとも遅過ぎるとも思わないが、出来れば夏頃にはそうなって欲しい。

以上

(文責:事務局)


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