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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 1999年10月19日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長
南直哉副代表幹事・経済社会思想を考える委員会委員長

冒頭、水口副代表幹事より(1)先週ジュネーブで開催されたITU(インターナショナル・テレコミュニケーション・ユニオン)の会合、(2)経済同友会が毎年、ASEAN諸国の経営者と開催しており、第25回を迎える日本・ASEAN経営者会議(11月4日~6日、ハノイ)について説明。その後、記者からの質問に答える形で、(1)日産自動車のリストラ計画、(2)ニューヨーク株式市場の先行き、等について出席者から発言があった。

Q.昨日の日産自動車のリストラ計画をはじめ、最近、人員削減計画が各企業より発表されているが、雇用と経営者の責任についてどう考えるか?

小林: 二つのことが重要である。一つは、産業・金融において国際競争力を回復するため非常に大掛かりなリストラが始まったが、こうした具体的行動は日本経済の先行きを考える上で朗報と考える。勿論、途中のプロセスは厳しいが、問題が先延ばしになるよりは、むしろ歓迎すべきことである。(合併等で)規模が大きくなるだけが答えではない、との見方もあるが、第一ステップとしては評価すべきである。
第二には、合理化を進める中で雇用問題、つまり、従業員、地元地域や取引先等関係者への影響について、こうした事態になった経営責任をどう取るかとの問題がある。一般論としての責任の取り方があるわけではないが、個々の企業やグループで判断して恥ずかしくない形で責任を取られることと思う。勿論、辞めるばかりが責任を取るということではない。現在、発表されている(人員削減の)数字を見ると、概ね自然減であるとか、補充しないことや早期退職である。それで済むのか、との見方もあるが、個々の経営判断において、責任も個々に明確にされると考える。

Q.「恥ずかしくない形」とはどういうことか?

小林: そもそもリストラ計画の目的は競争力の回復にあり、この狙いが達成できるかどうかを見届ける必要がある。そこまでは自分の責任であると、多くの経営者は考えるだろう。

Q.日産本体は自然減等によるものが中心と思われるが、下請けや系列企業にとっては、かなり過激な内容と思われる。日産に頼ってきた企業の多くは中小企業であり、相当厳しい局面になるが、そこも含めて「ある程度やむを得ない」という考えか?

小林: そうである。日産の場合、あれだけの企業グループであることと、一般的な日本流のリストラよりも思い切ったことをやったという両方を考えれば、その影響は、かなり広範にわたるだろう。しかし、日本経済にとって思い切ったリストラを進めることが必要であることは、頭で分かっていながら、これまでなかなか実施できなかったわけで、そうした中で一つの範を示す、モデルを示すという意味で重要なことだと思う。今回のケースは、日本の構造改革を民間レベルで進めるという意味で、前向きに捉えるべきだと考える。

Q.リストラを主導したのがフランス人経営者であることに対して、何かお考えはあるか?

小林: 特に感想はないが、外国から来た人が、従来からの日産のカルチャーにとらわれずにことを運べたという点に尽きるのであろうか。日本人であっても、日産生え抜きの人より、(外部から来た人の方が)思い切ったことができたかもしれない。仄聞の限りだが、ゴーン氏はこの短い期間に精力的に現場や取引先を廻って、状況を自らの目で確かめたようであり、決して頭の中だけで考え現実を無視して実施した、ということではないと思う。あれだけの決断は、新しい方だからできたのだろう。

Q.雇用と経営者の責任について、南副代表幹事のお考えを伺いたい。

南: 当社は恵まれた環境にあったと思うが、経営者にとって最大の責務のひとつが、グループ会社を含めた雇用の確保、従業員の生活安定の確保であることは当然と考える。今回のケースを含め、昨今のリストラについては、それはそれで評価するが、こうした状況に至る前に、新しい事業分野への展開を含め、(リストラを)しなくても済むような経営を行なうべきであったと思う。電気事業についても大きなリストラが求められているが、私自身は、そうしたことが起こらないように努めている。株主・投資家が大切なことは勿論だが、利害関係者に広く気配りしていくことが、日本型経営の良いところだと確信している。

Q.最近、不安定な動きを見せるニューヨーク株式の先行きと日本経済への影響をどうみるか?

小林: ニューヨークの株価は調整に入ったと思うが、8千ドルを大きく割り込むようなことがなければ、ハードランディングにはならないだろう。2割程度の調整といった見当ではないのか。緩やかなペースの調整であれば日本経済にそれほど大きな影響はないと思うが、急速に調整が進めば日本の株価にも大きく影響し、それが多くの企業の収益や為替等に多大なインパクトを与えることになるだろう。
先行きどうなるかは言えないが、期待も込めてハードランディングはないと思っている。米国の多くの人たちもそのような見方をしており、理由として、企業の収益構造、経営の中身が構造的に健全であり、それが依然として機能していることを挙げているが、納得できる見方だと思う。

水口: 相場のことは誰にもわからないが、個人的にはかねてよりニューヨークの株式相場は調整期に入ると思っていた。2割程度の調整は、米国ばかりか、アジアと日本経済にとっても望ましいということが、コンセンサスとしてできていたのではないか。グリーンスパンFRB議長が、7千ドルを超えたあたりから既にこうしたコンセンサス作りに努めていたことは効果があった。したがって、短期間に急落するハードランディング・シナリオは考える必要はないのではないのか。昨日もNASDAQは42ドル下落したが、ニューヨーク株式は96ドル上昇しており、皆、冷静であると思う。また、企業業績も情報通信を中心に好調で、ここで調整することはむしろ望ましい。
為替レートについても105~106円程で落ち着いており、日本市場から見る限り、それなりの円高抵抗力はできていると思うので、ここは静かに様子を見守るべきであろう。

以上

(文責:事務局)


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