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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 1999年09月07日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長
鳥海巌副代表幹事・欧州委員長
藤澤義之副代表幹事・経済政策委員長

冒頭、水口副代表幹事・専務理事から、9月景気定点観測調査(中間集計)について説明があり、その後、記者の質問に応える形で、(1)為替水準、(2)景気動向(景況感)、(3)政治献金、(4)相続税減税等について出席者から発言があった。

Q.前回の会見で代表幹事は、1ドル120円~125円であれば妥当な水準と言われたが、108円~109円という為替の現状をどのようにお考えか?

小林:前回の会見で、「120円ぐらいがいいところで、115円を割り込んで更に円高に行くようであれば、介入が正当化される」と申し上げた。ところが実際に110円を割り込んでみて、2つのことがはっきりした。
一つは今回の景気定点観測調査による同友会メンバーの意見をみても、110円台の前半でも為替介入をする必要はない、或いは当面の収益にインパクトはない、とういう意見が多いこと。
また、1-3月期のQE、9日に出る4-6月期QEの予想が悪くなさそうだという予想や、直近の日本経済に対する期待度は従来より高まって、円高にも係らず株価もそんなに影響を受けてない状況になっていることである。
前回は「115円を割ったら、輸出ウエイトの高い企業を含めて、かなり株価の足を引っ張るのではないか」という感じを込めて申し上げたのだが、私が考えていたよりも、日本経済の回復の度合い、或いはそれを形成している日本企業そのものの収益力・競争力の地合いが固かったということだろう。

Q.「意外と大丈夫だった」ということか?

小林: 前回の時点と比較すれば、そういうことである。

Q.現時点での為替の適正レベル、許容度はどのくらいか?

小林: 今年の1月に108円をつけたことがある。それを突破するような状況が出てくれば、次は105円かという感じが出てくる。この辺が警戒水準かと思う。

鳥海: 一時79円まで行った時に、経団連や同友会で経営者に適正レートを聞いたところ、5割以上が108円と答えたことを記憶している。それは「このぐらいならまだ戦える」という線である。105円になれば為替介入が入るだろうが、今のところ110円近辺で小康状態なので、その限りにおいては、まあまあかなと思う。ただ急速に140円から110円になったことは問題と思う。

Q.為替は「108円を突破する状況が出てくれば憂慮される」ということか?

小林: 今年に入ってからの一番の円高が108円であるので、それに迫り、更に突破しそうな状況が出てきたら、かなり株価に影響を与えそうだという個人的な感じを持っている。

水口: 当面の相場は誰にも分らない。10円の円高はGDPベースで0.9%のマイナスになるというシミュレーションもあるが、これ以上の円高は米国経済に対してもマイナスの影響があるかもしれない。前回の時点と比べ、日米の円・ドルレートに対する政府の考え方の協調点が出てきているように思う。

Q.今までの同友会のスタンスは「景気は底這い」だったが、今回の景気定点観測調査では「緩やかに拡大している」が随分増えた。景気は「底離れ」したと見ているか?

小林: 底離れしたと考えていいと思う。今回の調査結果や、日銀短観の今までの傾向を追ってみても、傾向としては回復基調に入り始め、底離れしたと考えていいのではないか。

Q.景気について、“底離れ”との発言があったが、その根拠は何か?

小林: 今回の定点観測もそうだが、マクロな観点からの日銀データ(業況判断DI)をベースとした分析結果を見ても、ある程度、裏付けされて来ている。それから、4-6のQEも、数字は見ていないが、1-3が発表された直後にもった印象よりも悪くない、との感じもあるし、そうした意味から“底離れ”をしたと見てもいいのではないかと思う。

Q.4-6のQEについて、決して悪くないとの情報だが、悪くないというのはどの程度のことなのか? 回復を確認できる程の強さなのか? 0%程度なのか?

小林: 見てみなければ分からない。言いたかったのは、1-3が出た直後に、一般的な見方として、1-3が良過ぎた反動で4-6は悪いのではと言われていたが、それと比べてそんなに悪くなく、フラットかプラスとの話しが出ているということだ。具体的に回答できる情報は、持っていない。

水口: 例えば、野村総研では、プラス0.2%と算出している。中身では、消費が1.5%プラスと非常に良かったが、公共事業、政府固定資本がマイナス1.1%となっており、前期はこれがプラス10%程度だったので、ここが振れたらGDPの1割にあたることから、それがよく分からない。
一般的な見方として、フラットか上下へ行っても僅かではないかと思われる。ただし、設備投資については、なかなかプラスの兆候は見えてこない。

鳥海: このアンケート調査は、各企業トップが自社の8月までの決算を見た上での実感によるもの。9月時の「穏やかに拡大している」への回答が約36%になっているところに意味がある。集計結果には、経営者の実感が出ており、手応えを感じているのではないか。

藤澤: 下駄を履かなければ分からないということだが、1-3月は、その下駄が高かった。マイナス0.2%位ずつで行っても政府のプラス0.5%は達成できる見通しなわけで、どの位で4-6を見るかについては、下駄を履くまで分からないが、いずれにせよ0%近辺であるという感触を皆が持っていることは、いい調子の表われと思う。当行の調査部では、本年度の見通しをマイナス1.4%からプラス0.2%に変えた。政府目標の0.5%は、補正予算が組まれれば達成されると考える。

Q.0.5%以上となれば、円高が進み、介入があるとの見方もあるが、その可能性は?

水口: ひとつのシナリオではあるが、介入はないと思う。今回、評価すべきは中身よりも、8時50分に発表するということだ。前回は、2時45分に取引所に噂が流れて株式市場に影響を与えてしまった。マーケット重視になってきていることは、評価できる。

藤澤: 逆に、景気が良くなることによって、円高になるのは結構なことだ。

鳥海: 輸入関係についてはオープンにしているのでプラスになるのではないか。ただし、補正予算が大きなカギになるだろう。

水口: やはり、駄目押し的に補正が必要だというのが、大勢の経営者の意見ではないか。

藤澤: 補正はやるべきだと思うが、公共投資に頼らざるを得ない内容になってくるのが現実である。ただし、公共投資は一年しかもたないが、減税は二年目、三年目と、効果が累増してくることが、統計上でもシミュレーション上でも出ている。従って、こうした効果が出てくるまで、公共投資をつなぎにやっていくことも駄目押し的には必要と考える。しかし、中身は民間設備投資につながる公共投資が望ましい。

Q.景気定点観測調査の中で、追加経済対策について法人・個人減税を求める声が多いが、具体的にはどういう中身か?

水口: 細かいことは想定していないが、現在言われているベンチャーや中小企業の問題、相続税の問題が全部総合して含まれている。

藤澤: 今のところ、個人減税についても定率減税で、基本的な制度減税になっていない。そういう総合的な仕組みを作っていくという意味での期待感ということだと思う。

Q.相続税減税がこれから焦点になってくると思うが、どうお考えか?

小林: 相続税の最高税率は70%と高く、中小企業の事業継承が、モノ作り技術の継承とも合わせて難しくなっていると言われている。また、企業家のやる気というものに対して、非常に高い相続税がマイナス効果を持っているのではないか。これらに対する一つの対策として、相続税の見直しは前向きに評価していいと思う。相続税の対象は、企業の規模等に関係ないので、様々な人たちが対象になると思うが、この2つのことは、今度の相続税減税問題の背景として重要なことと考えている。

藤澤: 中小企業は日本経済を背負って立っている部分が相当ある。良い事業を後世に承継するということに悩んでいる経営者は沢山いる訳で、経済の活性化を図るために、ありとあらゆるものを投げ打たねばならないのであれば、最高税率は下げて然るべきと考える。

Q.9日に政治資金収支報告が発表される。政治資金2000年問題(政治家個人への企業・団体献金の禁止)について、どう考えるか?

小林: 具体的には附則9条(政治家個人の資金管理団体への企業・団体献金の禁止)の問題と、附則10条(政党及び政治資金団体への企業・団体献金の見直し)の問題とを分けて考えている。 同友会では政治委員会を中心に検討しているが、委員会での結論も、茂木友三郎委員長と私の話し合いでも、附則9条については、規定どおり禁止するのがあるべき姿だと思う。実際に政治家自身が検討した結果としての規定であって、また何かの条件次第とは一つも書いてない。あの規定の通り、素直に止めるべきではないかと思う。
附則10条の方は、個人の献金の状況等、幾つか条件が書いてあって、それらを視野に入れながら見直しをすると書いてある。この検討のための委員会を正式に作って、具体的にどういう状況の下であれば、どうするのかということを、検討するというのが、あるべき姿ではないかと思う。
つまり、附則9条については規定通り、附則10条については検討の委員会を作って、その検討を待って方向を決めていく。これが同友会の考え方である。

Q.東ティモールの混乱が、回復基調のアジア経済に影響を及ぼすと考えるか?

小林: 報道されている範囲でしか分らないが、アジア経済の回復基調に水を差す、あるいは逆行することはないと思う。治安の回復、維持に向け、インドネシア政府に断固たる態度で対応してもらうことが第一であり、死者が出た状況には遺憾を感じる。

鳥海: 難しいのは、インドネシアとしての歴史的な背景を背負ってのことなので、ハビビ大統領としては、軍介入がもたらすことを含め選択が難しい時期に来ている。性格は違うがアチェやカリマンタンなどの問題もあり、なかなか結論が出ないのではないだろうか。また、国連派遣軍の受け入れ問題もある。
ただ、通貨についは、昨日は1ドル8075ルピア位で、だいたい1ドル7500から8000ルピア位で落ち着いて、他に影響していないことを考えれば、これはインドネシアの問題としてかたづけられるような気がする。

以上

(文責:事務局)


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