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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 1999年05月18日(火)13:30~
出席者 小林陽太郎代表幹事
水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長
茂木友三郎副代表幹事、坂本春生副代表幹事

はじめに、小林代表幹事および水口副代表幹事から報告があった。その後、記者の質問に応える形で、(1)牛尾前代表幹事の経済同友会特別顧問就任、(2)経団連の産業競争力会議への提言、(3)外形標準課税導入、(4)雇用吸収における外資系企業の役割、(5)為替水準、等について、出席者から発言があった。

報告

小林: 4月22日の通常総会後、初めての記者会見なので、最初に2、3ご報告を兼ねてお話ししておきたい。

同友会は、各委員会の委員長も決まり、いま副委員長人事を進めると同時に、それぞれの委員会について(会員の)皆さんの希望を求めているところである。昨日、第1回理事会を開催したところであり、新しい体制での同友会の活動が本格的に動くのはこれからである。また、就任挨拶で述べた四つのガバナンスの問題も含めて、今年の夏季セミナーまでに、色々な新しい方向の叩き台なども作って、活気のあるセミナーにしたいと思っている。

もう一つは、ゴールデン・ウィークに小渕総理が訪米された際に、ワシントンだけご一緒させて頂いた。アメリカ側から、直接、小渕総理と話をしたいという希望があり、日米経済協議会の槇原会長が、アメリカ側の会長のマイケル・ジョーダン氏と打合せをして、米国側は11人、ジョーダン氏、この7月からジョーダン氏の後任に決まっているAT&T社のアームストロング氏、ビジネス・ラウンド・テーブルの会長であるテネコ社のミード氏、他にフォード社のナッサー会長などが集まって、日曜日の昼に懇談会をした。また、翌日の月曜日には、ホワイトハウスで盛大な歓迎夕食会があり、ホワイトハウスの庭にテントをしつらえて、三百数十人の方々が集まった。

さらに、これらに加えて米国政府の次官級の方とインフォーマルにお話をした。その印象としては、小渕総理の経済政策、また、経済状況の進行については、アメリカ側は高く評価していると言って良いと思う。ただ、今後については、これは、アメリカだけではなく、日本の中でも未だ手放しで楽観は出来ないわけだが、クリントン大統領が、必要とあらば如何なる手段をとっても現在の回復基調を維持して欲しいと述べた、その空気に尽きると思う。一番気にしているのはスピードであった。アメリカ経済が本当にこのまま行くのかと言われて2年くらい経っているが、先行き警戒しなければいけないという予想も出て来ているし、そうなる前に、日本の回復・再生の兆しを本格化して欲しい、それに尽きるということである。

これに対して、いまの日本経済の状況は楽観を許さないが、最近の産業競争力会議での議論については、過剰設備などの処理は特定の企業とか特定の産業だけを対象にするのではなくて、いかなる産業、いかなる企業であろうとも自らの選択の中で十分に使えるようにしていく必要があると思う。同友会としては、これからの新しい市場、特にサービス分野を中心に規制撤廃・緩和を進めて、将来に向かって新しい分野を更に活性化し、広げていくのかということについて、牛尾さんを通じて、産業競争力会議の議論に反映できるように検討を進めているところである。

水口: 牛尾さんの話が出たので、ここで一つご報告をしておきたい。前代表幹事は規約上は「終身幹事」に就任することになっているが、それとは別に、昨日の理事会で、「特別顧問」に就任頂き経済同友会活動を色々な面でサポートして頂くことを満場一致で決定し、ご本人の快諾を得た。

Q.「特別顧問」というのはこれまで例があるのか?牛尾さんが「特別顧問」になった理由は何か?

水口: これまで例はない。現在「終身幹事」には中山素平氏以下、かつて代表幹事をやられた方、あるいは副代表幹事・専務理事をやられた方など沢山おられるが、牛尾さんには現役のバリバリとして、サポートを是非お願いしたいということである。

小林: 牛尾さんは、具体的には諮問委員会にレギュラーに出て頂く。諮問委員会は、副代表幹事および委員長をもって構成し、同友会そのものの活動についてフリーに基本的な問題をディスカッションしている。

Q.今日、記者クラブに経団連の産業競争力会議に向けた提言の事前レクが有ったが、中身は税制面や法制面の措置を盛り込んだものとなっている。かねがね牛尾さんは設備廃棄等々は企業の自主判断でやるべきだと言われていたが、提言では優遇的な、恩典的な内容も含まれているように思える。そのあたりについてどのような印象を持っているか?

小林: 経団連でまとめられた提言をじっくり検討していないが、非常に広汎にカバーをしており、良く出来た案だと思う。

二番目に、同友会のスタンスとしては、過剰設備、過剰雇用、過剰債務の問題は、基本的には、企業が自己責任で自主的にやっていくべきだということであり、その考えは変わっていない。

三番目に、それらをやる手段として、メニューとして、企業が将来に向かって活路を拓くための選択肢が広がるのは良いことである。ただ、そのときに、特定の企業とか特定の産業だけが対象になり、他は出来ないということにならないようにすることが重要である。

また、今度の経団連の案では、雇用のための新しい市場をつくる部分も書いてあるが、特に将来に向かって、サービス・セクターをどう広げて行くかが非常に重要である。それは、情報・通信、その他サービス分野、金融も含めて非常に広汎であるが、規制撤廃・緩和も含めた具体的な政策としてどうまとめるか、特に単なる再生にとどまらず、前向きのダイナミズムの発揮につながるような提案を至急に我々としてもまとめていきたい。

Q.政府の税制調査会の小委員会が、外形標準課税について、導入の方向で4つの案を提示した。同友会はかねがね赤字法人課税をやるべきだという方針だが、これについてはどう考えるか?

小林: 同友会は、基本的にはいまでもその考えである。法人事業税は、サービスの代償としては、企業によって区別があるべきではないし、その意味では、外形標準課税はやるべきである。ただ、何をベースにして課税をするかについては、どれに絞れとは言っていないが、基本的にやるべきだというスタンスには変わりない。

水口: 具体的に何をベースにするかという、中身の検討は未だしていない。経済4団体の中でも、(外形標準課税の導入に)日商は消極的というよりは反対であり、経団連は若干消極的・中立的であるが、我々は前向きに、税理論の上からも、あるいは経済の実態から言っても、法人のうち概ね65%が赤字法人で、それも年々増えてきているのは不自然であり、きちんとすべきであると考えている。ただし、同時に法人課税の問題はこれだけではなく、個人税制も含めて直間比率の是正という基本的な問題にも取り組んでいくことが重要である。経済が非常に沈滞して重要な時期に、増税論だけが表に出るのは心理的にマイナス効果があるので、大きな枠のなかで税制を真正面から議論することが必要である。

Q.経団連の産業競争力会議への提言の中で、雇用の吸収先として外資系企業に積極的に日本に進出してもらうように一項目を立てており、そのために規制緩和をして欲しいとしている。同じ外資系企業のトップとしてどう考えるか?

小林: その部分の具体的な中味は分からないが、二つ考えなければならないことがある。一つは現実に、いまの日本経済を見ていて、景気の良い企業、あるいは雇用を伸ばしている企業は、最近日本に入って来ている金融関係の企業を含めて、外資系企業が多い。

もう一つは、何らかのかたちで外資が入って来づらいような規制等があれば積極的に排除すべきだと思う。さらに、加えるとすれば、人を採るときの個人の生産性の判断について、外資系は、一般論で言えば、特に、既存の日本企業に比べて、少しハードルが高いかも知れない。しかし、日本で仕事をしていくのであれば、その辺は、少しハードルを低くして、雇用をもう少し増やすことを考えてもらいたいという希望もあるだろう。

より成長が顕著なところで積極的に雇用を吸収して欲しいという案が出て来たことはあまり不思議でもないし、外資系として出来ることがあれば大いにやるべきだと思う。

水口: 日本への対内直接投資と日本からの対外直接投資の比率が1対13などと言われているが、その一環では重要な問題である。それには、規制緩和や民民規制の撤廃が必要である。

Q.いま為替は123円台と円安水準にあるが、IMFのカムドシュ専務理事は、いまの水準は日本経済にとって何も問題はなく、あるべきレンジに入っているということで円安を容認しているようにもとれるが、いまの為替水準について、どのように評価するか?

水口: 妥当な水準だと思う。民間のシンクタンクの予測でも、今年度の経済見通しの前提は大体122円から123円である。

小林: 現在は良い水準であるが、もう少し円安になる余地もあるのではないかと思う。2月の日米財界人会議の合同運営委員会でも、アメリカ側のビッグ3のうちの一人の副会長が、135円くらいまでは大丈夫なのではないかと明言された。アメリカ側も、対日赤字がかなり大きく、また増えているし、一方、円安が進めば中国元の切り下げという話があるわけで、そうしたことは忘れてはいけないが、いまに比べれば、もう少し円安の余地があるのではという感じがする。円高に過ぎるというわけではないが、少し円安に振れても大丈夫だろうということである。

以上

(文責:事務局)


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