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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2000年04月11日(火)13:30~
出席者 小林 陽太郎 代表幹事
水口 弘一 副代表幹事・専務理事・広報委員長

冒頭、水口副代表幹事・専務理事から、代表幹事見解「森新内閣に望む」についての説明があり、その後、記者の質問に応える形で、(1)財政構造改革の具体的道筋、(2)21世紀宣言、(3)経済団体としてのグランド・デザイン、(4)石原都知事発言、(5)補正予算のあり方、(6)南北朝鮮の対話、(7)G7での円高議論等について、出席者から発言があった。

Q.代表幹事見解において、「財政構造改革について道筋を明確化すべき」との指摘の中で「総合的かつ抜本的な財政構造改革の方向性とタイム・スケジュールを示すべき」とのことだが、具体的にはどのような内容か?

水口: 経済を再生・強化し、国民生活を豊かにするためには、景気対策や財政支出を中心とする時期もあるが、景気が底入れし上昇軌道に入りつつあれば来年どうするかという短期的な視点ではなく、例えば10年と期間を設定し、最初は中立的に、次に税制についてといったようにフェーズを区切って、財政構造改革を実施していくべきである。また、2025年には少子・高齢化のピークになると思われるので、見解の三番目で指摘している社会保障制度の総合的かつ抜本的な制度改革を考慮すると、さらに長期的なスケジュールが必要になる。こうした状況をはっきりと示して民意を問うべきであることを強く訴えたい。

小林: 政府には総合的な道筋を示して欲しい。また、経済同友会としても、遠くない時期に発表する予定の「21世紀宣言」の背景となるこうしたテーマについて、夏季セミナーを経てきちんと我々の考えを発表していくつもりである。

水口: 秋から年末にかけてと思っている。

Q.その頃が大きな政策転換の時期という判断か?

小林: そう思う。

Q.「前川レポート」のようなものを想定しているのか?

小林: できれば「前川レポート」よりも具体的な内容にしていきたい。米国がこの20年間に遂げた大改革を踏まえ、財政再建問題や株主の積極化(Activist Shareholder)といった企業活性化問題等を総合的に組み入れて、政府の観点からの財政問題や民間の活性化の問題を含めてまとめたい。最終的には我々自身が何をするかといったポイントでまとめる。

水口: 経済同友会では、93~94年に経済政策委員会(今井敬委員長)で、私が副委員長を務め「日本経済の構造改革」を二回にわたって発表したが、これらを「前川レポート」に対する経済同友会の批判的発展と位置付けた。その後、遅々として(改革が)進まないことから、97年に「市場主義宣言」を発表している。その後、アジアの経済危機などの状況を見ると、民族・文化なども含めて幅広く検討する必要があり、21世紀宣言については、こうした点も盛り込んでいきたいと考えている。

Q.それは南委員会(経済社会思想を考える委員会)で検討している内容が中心になるのか?

小林: それは非常に重要な部分である。物事の考え方という点では、南委員会の検討結果が重要なバックボーンとなる。それに、どのような施策で肉付けしていくのかは、これからの検討課題になる。

Q.この見解は、換言すれば国全体のグランド・デザインを明確にすべきということだと思うが、一方、経済団体も新しいグランド・デザインを示すべき時期に来ているのではないかと思うが、どのように考えるか?

小林: 二つのことが言えると思う。一般論として、財界も時代の流れや将来を踏まえるべきで、従来からの様々なしがらみのようなものにこだわることは危険だと思う。その中で、個々の団体が、個々のあり方について見直していくことは当然必要であり、経済同友会もそれを実践してきた。21世紀宣言も経済同友会の新しいあり方を問うものである。我々以外の団体については、コメントする立場にないと考える。

Q.見解の中で、補正予算を組むべきではないと述べているが、失業率の悪化を背景に個人消費も冷え込んでいる。この時期に補正を行なうべきでないというのは早過ぎるのではないか?

小林: 補正予算を組む必要がないという発言が早いというよりも、補正予算というものは、もともと必要になってから組むべきものであり、必要かどうか分からない段階から補正予算があるということの方が早いということである。補正予算が必要な事態になれば、その時に議論すべきであって、現在の経済の推移は、最初から補正予算を前提に話すような状況にはないと思う。

Q.先日、石原都知事が「第三国人」という言葉を使いながら、治安維持への懸念ともとれる主旨の発言をした。これを聞かれて、どのように感じられたか? 経済界では、移民や国際化の問題を積極的に取り上げているが、そうした中で、やや突出しているという感があるがどうか?

小林: 突出し過ぎていると思うし、第三国人という表現もどうかと思う。基本的には、在日の人達を含めどう協調していくかという問題もあるし、これから移民政策を進める場合に、入ってくる人達にとって日本が住みやすいといったことが前提である。背景や意図は別として、その通りの発言であったとすれば、非常に残念である。

水口: 東京都の治安維持が重要であることは、都知事の立場として当然である。ただし、そのために第三国人云々とうことはよくない。突出したというよりも、OBボールを打ってしまったというところか。

南北朝鮮の対話

小林: 南北朝鮮首脳会談については歓迎すべきビッグニュースであり、是非、良い方向に向かうことを期待したい。3~4年前、ある会合で、将来のアジアの見通しに関する会合があったときに、シンガポールのリ・クアンユー首相の、「20年後のアジアを見たときに、アジア経済のなかでは依然として日本が突出して強いと思うが、2番目は統一朝鮮だ」という発言に皆が驚いた。20年のうちに朝鮮が統一して、効率良く経済活動を進めているだろう、ということを言われたわけだが、その最初のきっかけとなる動きが実現するということで、いよいよ始まったなという感がある。是非、良い方向に進んでいくようにと思う。

水口: 同感だ。アジアの中の日本と口では言いながら、肝心要の北東アジアで南北朝鮮や中国を含めての問題に関して隔靴掻痒な感じがあったが、これで方向が明確になってくるということで、明るい展望が開ける気がする。

Q.それに関連して、日本ができることは何か?

水口: 単なる経済援助というだけでなく、実質的なことができるようになるのではないか。

小林: 今まで安全保障上の一つの危険地帯という意識が強く、米国や韓国含めての協議が行われてきたが、こういう形でスタートすれば、そうした問題がほぐれるきっかけになる。また、経済面では、韓国を頼りにするのであろうが、韓国だけではできない部分もあり、日本がいろいろな形で援助する道が開けることにもなる。南北統一に向けてという大義ができ、それはアジア、世界の平和に好ましいことなので、経済援助等についても意義があるし、日本の新たな役割として認識して良いのではないかと思う。

水口: シンクタンクの立場から言うと、野村総研は1988年から韓国のKDI(韓国開発研究院)や中国のDCR(中国国務院発展研究センター)と共同研究を行っており、研究員の間では安保問題も含めてフランクな意見交換をしてきた。現実的な問題とシンクタンクとの意見交換の輪の距離が縮まってきたということで期待している。

Q.宮沢大蔵大臣が、日本の為替政策に変更はないものの、今週末のG7でおそらく円高に対する懸念を主張すると思われるが、それが議題にならなければ100円割れにつながるかどうか。また100円割れになった場合、日本経済にどのような影響を与えると考えるか?

小林: 100円割れは円高過ぎるが、今の為替水準は日本経済として問題にするレベルではなく、宮沢大蔵大臣がどの程度の円高を想定されるているか分らない。100円を割るようなことになると、日本経済にかなりのインパクトがあると思う。

以上

(文責:事務局)


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