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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2000年03月14日(火)13:30~
出席者 小林 陽太郎 代表幹事
水口 弘一 副代表幹事・専務理事・広報委員長
藤澤 義之 副代表幹事・経済政策委員長

冒頭、藤澤義之副代表幹事・経済政策委員長から、2000年3月(第52回)景気定点観測アンケート調査結果の概要について説明後、記者の質問に応える形で、(1)アンケート調査結果に関連した景気判断、(2)政府経済見通しと補正予算問題、(3)三和・東海・あさひ銀行統合、(4)ローマ法王の謝罪等について、出席者から発言があった。

Q.アンケート調査結果では、3つの過剰(雇用・設備・債務)について、「過剰はない」と回答した企業が最も多いが、これは、この1年間で3つの過剰解消に向けたリストラが進んだということなのか、それとも、本来、3つの過剰はそれ程でもなかったということなのか?

藤澤: 当調査は、もともと3つの過剰を厳しく受けとめていた企業だけを対象にしたものではないという事情があるが、調査結果には両面があると考えられる。つまり、一つはこの1年間で、相当(過剰解消に向けたリストラが)進んだということである。もう一つは、生産が増加して景気が回復してくると(過剰についての)相対的な感覚が薄れてくるということだと思う。元々過剰があったのかとの議論は難しいが、景気が厳しい時は過剰感が強まり、景気が回復すると過剰感が薄れるということではないだろうか。

昨日発表された99年10-12月期のGDP成長率が前期比マイナス1.4%なので、99年度の政府経済見通しの実質経済成長率0.6%を達成するには、2000年1-3月期には前期比プラス2%の成長をしなければならない。2%成長を達成できるかとの議論があるが、ギリギリか少し下回るところではないかと思う。ただ、生産活動が非常に伸び、設備投資が予測に反して99年10-12月期からプラスになったので、これら製造業の先行指標の伸びが続く限り、将来に向けて期待できるだろう。

Q.本年度の景気パターンについて、「前半は横這いだが、後半に拡大する」が最も回答が多いがこれについてどう考えるか?

藤澤: ここでは、景気を支える設備投資について主として回答しているのではないかと考える。

小林: 「前半は横這いだが、後半に拡大する」は、今の緩やかな景気回復がそのまま続くということであろう。

藤澤: 確かに3%~5%といった景気拡大になるということではない。スピーディーに手を打つことが、必要以上に不安が広がるのを防ぐ上で必要である。

Q.製造業の設備投資の増額では「能力増強投資」が前回調査より更に増大しているが、どう考えるか?

藤澤: 「能力増強投資」については、減額の質問においても最多回答項目となっており、そこは差し引いて見る必要がある。増額43.2%で、減額が45.0%であるから相殺されており、企業によって違うということであろう。

Q.設備投資ではIT投資が最多であるが、これはどう考えるか?

藤澤: IT投資は、非製造業で著しく多く、製造業ではそれなりに多いがそれ程ではなく、むしろ、省力化投資や研究開発投資の方が多くなっている。これは、設備投資の減額項目と相殺して考えても言えることである。つまり、製造業と非製造業の差が若干出ていること、皆がIT投資と言っているわけではないということである。また、日本の製造業は既に世界に冠たるもので、IT投資は管理部門で必要ということであれば、どうしてもIT投資は非製造業で多くなるということではないかと思う。

Q.アンケートでは、GDPの60%を占める消費の回復は緩慢ということであったが、その傾向は今後も続くのか?

藤澤: 消費性向は10-12月期で落ちたが、1-3月期で回復するとの見方があり、多少の波がある。これからどんどん落ち込むということではないが、4半期ベースの統計では波がある。消費はGDPの60%を占めるので、少しの増加でもGDPを大きく押し上げるが、大きく伸びる状況ではない。今後、消費に大きな期待を持てるわけではないが、といって悲観的になることもないのではないか。

小林: 99年暦年の消費は前年比プラス1.2%であり、そんなに悲観することはない。雇用者所得についても、99年暦年ではマイナスだが、前年のマイナス1.1%からマイナス0.5%に縮小している。藤澤さんのご説明にもあったように、生産と設備投資が活発化して企業収益の増大につながれば、かならず雇用所得の改善、更には消費を押し上げるというサイクルにつながっていくのではないか。したがって、対前期比でマイナスとなった10-12月期の数字にあまりこだわらない方がよいと思う。

Q.アンケートでも、企業収益の改善は見込まれるが消費の回復は当面、緩慢ということが示されているが、消費はこのまま低迷を続けるのか、あるいは、いずれ企業収益の改善に続いて回復してくると考えてよいのか?

小林: 残業時間も増えており、後者のシナリオ(企業収益の改善に続き消費の回復)だと考える。GDPの60%を占める消費が低迷していることが、一般にあまりに広く伝わっていることもあって消費低迷が常識化している。しかし、数字の上では別の問題だと考える。

水口: 経済同友会の景気定点観測アンケートは、継続性と方向性の点で非常に参考になると考える。対象が大企業の経営者なので、全てをカバーしているわけではないが傾向は分かるのではないか。消費は280兆円台を常にキープしており、これは、経済の下支えとして評価してよい。消費が現在、急に何割も伸びるということはない。野村総合研究所が昨年2月に行った10-12月期の経済見通しは、マイナス1.4%でピタリと当たった。しかし、内訳をみると、消費はほぼ予測どおりであったが、民間設備投資と公的資本形成では大きく外れてしまった。ただ、景気の傾向としては、昨年に底打ちして上昇気流に乗る展望が見えてきたということだと思う。

藤澤: 個人消費は数字も悪化していないし、売れるものは売れている。

Q.政府見通しの0.6%の達成は、かなり厳しいと思うが、これについてどのように考えるか?また、早くも与党から補正予算の問題が出てきているが、これについてはどうか?

小林: 基本的にプラス成長の見通しを変える必要はないと思う。回復基調は本格化し始めたし、1-3月でかなりやらなければいけないが、(プラス成長達成の)可能性はあると思う。また、補正については、もともと無しでと言って来ているし、現時点で(補正について)持ち出すことは、あまりに早過ぎる。我々は、2000年度予算について、補正は必要ないというスタンスをとっている。

水口: 昨年の補正予算の効果がどのように出てくるのか、また、民間への設備投資がどうなるか。設備投資については、これ程早くプラスになるとは思わなかった。やはり、鉱工業生産指数は最も信頼できる先行指標だと思う。最近の動きでは、80年代以来の急ピッチなV字型での上昇であり、半年後は全て設備投資に跳ね返って来ることから、相当期待していいのではないかと思う。

Q.三和・東海・あさひ三行統合をどのように見ているか?

小林: 今回の組合せは、以前から報道されていたものであり、来るべきものが来たというのが感想である。また、大規模化という意味では、一応(組み合わせが)出揃ったわけだが、これからは規模だけが問題ではなく、その中でどのような特長を出すのか、コア・コンピテンスとは何なのか、それを具体的にどのように実現していくのかを、スピードをもって目に見えるようになることを期待している。一部、そうした特長も見られるが、まだ必ずしも納得できるような形ではないので、そうしたものが遅滞なく出てくることを期待している。

藤澤: 代表幹事がおしゃったことを、拳拳服膺して努力したい。皆がライバルである。

水口: やはりスピードである。もし、グローバルに展開していくのであれば、特にインベストメント・バンキング部門をどうするかということが問題である。個人的には、規模ではなく“質”の充実が重要と考える。

Q.「21世紀日本の構想」懇談会に携わられた関連で、先般、ローマ法王が歴史的謝罪を行なったが、21世紀に向けて文明観や宗教観などが日本人を含めて変わっていく予感がするか?

小林: 私はキャソリックだが、いずれにせよ法王は大変なご決断をされたのだろう。時代を超えた遺憾や謝罪といった意を表する意味や、法王ご自身が謝罪したということのインパクトは非常に大きいと思う。一方、謝罪すべきか否かといったことを迫られている日本あるいは日本人にとって、これをどう受けとめるべきかについては、考えを整理できていない。

今回の場合も宗教を超えて、“人間として”という点が重要であったと思う。それは、日本人にとっても宗教を超えた共通の部分である。「21世紀日本の構想」懇談会に関して言えば、日本あるいは日本人が持つべき世界観といったものが、はっきりと出てきているかどうかについての批判を、きちんと受け止める必要があると思う。将来に向けて持つべき世界観といったものを、はっきりと出していくべきだろう。

以上

(文責:事務局)


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