代表幹事の発言

日米首脳会談の結果について

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 新浪 剛史

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  1. 石破首相、トランプ大統領による初の首脳会談が開催された。米国の新政権発足から間を置かず、日米安保条約に基づく抑止を含めた日米同盟の不変の重要性と、多国間の枠組み、更には、AI やエネルギー等の領域において相互利益に基づく幅広い協力に合意されたことは素晴らしい成果であり、今回の首脳会談により、懸念されていた多くのことがクリアされたと言える。まず、石破首相の強いコミットメントと日米両国の関係者の尽力に敬意を表したい。
  2. AI、先端半導体、量子コンピューティング等は、現下の世界的な覇権争いの中心であり、日米間の協力が確認された意義は大きく、日米双方の強みを補完する投資が両国において進展することを期待する。また、米国からのLNG の輸入拡大についても、エネルギー自給率の低い我が国の経済の安定に資するだろう。関税に関しても、一律かつ一方的ではない「相互主義的関税」が強調されたが、この点に関しては今後も注視していくべきである。
  3. US スチールに関しても、買収ではないが、投資という前向きな形での進展があったことを評価する。この投資を通じて、日本企業による対米投資は、現地の経済にとっても大きな恩恵をもたらすものであることが証明されていくことを期待する。
  4. 今回の首脳会談が、両首脳の個人的信頼関係構築の第一歩となった※1ことは意義深く、この会談を梃子として、石破総理には今後も強固な日米関係を構築していっていただけるものと期待する。われわれ企業経営者は、国際関係の不確実性に対する備えを固めつつ、自らのイノベーションと経営力の強化、更には、米国とのビジネスを通じた連携強化に率先して取り組み、二国間関係の更なる発展に寄与すべく尽力していきたい。

    ※1 日米首脳会談後のトランプ大統領による「Truth Social」投稿(和訳)
    80 年近くにわたり、日米両国民は他に類を見ない友情を享受してきました。
    本日の会談を終え、私は日米両国が大切にしてきた同盟関係が、将来にわたって繁栄し続けることを確信しています!

以 上

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