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桜井正光元代表幹事のご逝去の報に接して

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 新浪 剛史

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 桜井正光元代表幹事のご逝去の報に接し、慎んでお悔やみ申し上げます。

 桜井さんは、2007年4月の代表幹事就任から、退任された2011年4月まで、まさに激動の時代を航海した経営者でありました。2008年のリーマン・ショック、2009年の政権交代、そして退任間近に日本を襲った2011年の東日本大震災と、これまでの価値観を覆すような出来事が続いた課題多き時代に、日本の再生に向けたビジョンとその実現を訴え続けた信念のリーダーでした。

 経済政策の提言に留まらず、この国のかたち、特に地域経済の活性化や道州制の導入に向けた議論は、日本各地の潜在力を引き出し、わが国全体のバランスの取れた発展を目指したものでした。桜井さんが描いた「2020年の日本創生」は、個別の政策ではなく、体系的な改革によって若者が輝き世界が期待する「この国のかたち」を訴える画期的な提言でした。その実現に向けては税制・社会保障の抜本改革や地域主権型道州制の導入など、具体的な方策が提案され、「国民一人ひとりの覚悟も必要である」と力強く訴えかけられました。
 代表幹事を務められた4年間、桜井さんは、道州制や経済活性化について各地経済同友会との意見交換を精力的に重ね、全国44経済同友会の連携による提言活動を推進されるとともに、本会の公益社団法人化を進めるなど、今日の諸活動の礎を築かれました。

 また、リコーにおける欧州での事業経験から優れたグローバル感覚をお持ちであり、特に、他に先駆けて環境保全と経済活動の両立という課題に真っ向から向き合い、環境経営の考えを打ち立てた先駆者でもありました。これは今日のサステナビリティ経営につながる大きな一歩であり、桜井さんの足跡を語るに欠かせないものです。

 経済同友会が次世代経営者育成のために実施している「リーダーシップ・プログラム」で、「リーダーというのは、会社のトップという地位の話だけではなく、企業の社会的役割・責任を認識し、自分の会社の利益だけではなく社会に貢献する、そのために企業は存在するということを理解した上で活動する経営者である」と語ったように、企業の社会的責任を強く意識された方でいらっしゃいました。

 退任後、4年間の任期を振り返り「走り切ったというよりも、背中を押されっ放しだった」「とにかく経済社会そして政冶が大荒れの4年間。次から次へと問題、課題があり、常に後ろからつつかれていたという印象もあった」と語った桜井さん。いま、令和の時代をどのように展望され、これからの国のかたちをどのように描いていらっしゃるか、力強い口調と信念を持って語る桜井さんの言葉をこれからお聞きすることが叶わないのが残念でなりません。

 改めて、偉大なリーダーのご逝去に深い哀悼の意を表します。
私は2010年度に桜井代表幹事率いる経済同友会の副代表幹事を務め、その時、混迷の時代にわが国経済の再活性化に貢献していきたいと誓った思いは、今も変わることはありません。

 私たち経済同友会の義務は、桜井さんの遺志を継承し、企業や社会、そして世界全体における革新と発展を追求し続けることにあります。故人が残した篤実で寛大なお人柄、時代の先を読む慧眼と、忘れがたい温和な笑顔を偲びながら、心よりご冥福をお祈り申しあげます。

以上

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