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「緊急経済対策」など当面の危機対応について -危機をチャンスに-

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 櫻田 謙悟

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本コメントは2020年3月31日定例記者会見冒頭に行われたものです。2020年3月31日定例記者会見はこちら

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済・雇用への影響は、リーマンショック並み、あるいはそれ以上と言われているが、今回の危機の特徴は、①金融発ではない、②困難に直面している個人や企業が把握可能、③感染収束によって回復の見込みがある、④自然災害のようにインフラが物理的に棄損していない、ことであり、経済対策もその特徴を踏まえた療法とすべきである。すなわち爆発的拡大の速度や規模が読めなかった連鎖的信用不安というリーマンショックに対し、今回のコロナショックはコロナウイルスに起因したショックであり、最初に発生した中国の収束状況やワクチン開発の進展等をフォローし、冷静に判断していくことが望まれる。

1.国民の安心を最優先に、対象を限定した給付と電子マネー等の活用を

 ● 危機の特徴を考えると、国民全員への一律給付等、実際には貯蓄に回ってしまう可能性の高い消費喚起策ではなく、真に困難に直面した個人や企業への給付、特に雇用や収入の維持に重点を置いたものとすべきである。すなわち意図された需要不足に対しては、消費の潜在力を維持させることを主眼とすべきである。

 ● その際、個人への給付については、電子マネー/ポイントの活用を検討し、迅速かつ簡便な給付はもちろん、期間限定による政策効果の実現や、わが国の課題であるキャッシュレス化の加速に資するものとすべきである。

 ● 企業への支援については、民間機関(保険会社等)のノウハウを活かしより合理的に判定・算定されることも検討すべきである。

2.オンライン化やサプライチェーン再構築への支援など持続可能な将来への投資を

 ● 加えて、将来への投資として、第一に、企業のデジタル化や、社会のオンライン化(教育、診療・服薬指導、行政手続等)の推進を支援すべきである。テレワークの推進により、デジタル化への理解が深まっているが、この機会を捉え、働き方の見直しを含め、社会全体のスマート化やスマートシティを実現すべきである。これによって、首都直下型地震への備えや、感染症発生時のクラスター発生等の課題を抱える東京の一極集中是正につなげる。

 ● 第二に、グローバル・サプライチェーンの再構築への支援である。デジタル化の進展で、必要経営資源や立地条件の見直しが進むことから、企業としては、国内回帰も含め、事業拠点等の分散を進めていく。

3.危機後の持続的な経済成長に向けた環境整備を

 ● 危機対応のための財政支援と並行し、危機後の経済復活と持続的な成長を可能にする施策も、今から検討を開始すべきである。例えば、産業構造の転換や円滑な労働移動を容易にする環境整備である。

 ● それによって、今回の危機によって打撃を受けた中小企業や地方経済の再生に向け、労働移動支援助成金等のインセンティブを活用し、大企業や地域金融機関の人材を転籍・出向等の形で活用すべきである。

 ● コロナウイルスとの戦いは今後とも続いていく。撲滅ということではなくいかに抑え込むかというこれまでの伝染病対策の知見を踏まえ、日本としても今回の危機対応での経験やワクチン開発に向けた官民の合同プロジェクトを迅速に立ち上げるべきである。

 なお、東京の一極集中是正や、大企業や地域金融機関の人材活用については、本会は各地経済同友会とも連携し、実現に向けた検討を進めていきたい。

以上


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