代表幹事の発言

『日本再興戦略』や『骨太の方針』などの閣議決定について

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 小林 喜光
  1. 本日、安倍内閣の政策体系と言える『日本再興戦略』改訂2015、『まち・ひと・しごと創生基本方針2015』、『規制改革実施計画』、『世界最先端IT国家創造宣言』改定、そして『経済財政運営と改革の基本方針2015』(骨太の方針2015)が閣議決定された。これら「稼ぐ力」や「立地競争力」の強化にかかわる政策を踏まえ、企業は創意工夫とイノベーションで民間主導の持続的な成長を遂げ、政府は2016年度予算をはじめとする財政健全化計画を着実に実行することによって、経済成長と財政健全化を同時に達成しなければならない。
  2. 日本再興戦略に関しては、5年後の2020年までに成し遂げる「改革2020」(成長戦略を加速する官民プロジェクト)として、3つの重点政策分野における6つのプロジェクトを盛り込んだことを評価したい。我々も2020年を日本にとって極めて重要な転換点となる年と位置づけており、企業は同プロジェクトへ積極的に参画していくべきである。また、各KPIに対しては、今年度も主な進捗状況に加えて新たに講ずべき具体的施策を明記しているが、日本再興戦略は今回が3回目となることを考えると、既存の主要施策についてPDCAサイクルを回していくことが今後より重要になる。これについて、経営の視点からは、進捗遅れの原因や各施策のコストの分析など、改善すべき点があると考える。
  3. 骨太の方針では、「経済・財政一体改革」を推進することで2020年度の基礎的財政収支(PB)の黒字化目標は堅持した上で、中間評価として2018年度のPB赤字の対GDP比▲1%程度を目安とすることになった。懸案の社会保障関係費は過去3年間の伸び1.5兆円程度の基調を2018年度まで継続していくことになったが、2020年度のPB黒字化に向けて想定される経済成長・物価・税収等を達成することは容易ではない。今回、経済財政諮問会議の下に設置されることになった専門調査会が、歳出の抑制・削減を含む財政健全化計画のPDCAサイクルをしっかりと回していくことに期待したい。

以上

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