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細谷英二 元副代表幹事のご逝去の報に接して

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 長谷川 閑史

細谷英二 元副代表幹事のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。

細谷さんは、1995年4月の経済同友会入会以来、17年余にわたり、一貫した改革志向に基づく、しなやかさと大胆さを兼ね備えた思考と発言で、本会の議論をリードしてこられました。

2002年4月からの6年間は、副代表幹事として小林・北城・桜井代表幹事を支え、特に本会の構造改革の基本スタンスの構築に中心的役割を担われました。2003年2月に行財政委員会委員長として取りまとめられた提言『国民の信頼の回復と若者たちの夢を支えるシステム改革を—日本が目指すべき財政・税制のあり方—』では、緻密なデータや事実関係の積み上げから財政・税制の未来像と具体的な改革プランを示し、当時の政府の経済財政諮問会議の民間議員ペーパーを通じて改革に影響を及ぼすと同時に、現在も本会の財政・税制の考え方の根幹を成し、受け継がれています。また、代表幹事の諮問機関である諮問委員会委員長としても、国の重要政策に対する機動的かつ実効性ある提案と行動により、強力な支援をいただきました。

早くから女性・若手・ベンチャー経営者と積極的に交流の機会を持ち、活躍の場を整えるなど人材育成・活用にも熱心で、経営の現場においても、自ら率先してダイバーシティ推進のリーダーシップを発揮されました。本会の次世代経営者育成プログラムである「リーダーシップ・プログラム」では、2003年の発足以来、毎年講師として、取締役や執行役員など将来の企業経営を担う若手リーダーに、自らの背中を見せつつ熱く語りかけていただきました。豊田佐吉の言葉「障子を開けてみよ、外は広い」という言葉を引用され、大企業病をなくすためには絶えず外部の物差しで考えることが重要である、内部論理と外の物差しのギャップが起こったときに、企業は衰退し破たんの道を歩み始める、と説かれた姿は、今もメンバー皆の脳裏に焼き付いているはずです。

穏やかな表情のなかにも常に改革への志が感じられる「挑戦の人」で、りそな銀行の経営再建においても、しがらみに縛られることなく、常に率先して公正さと「無私の精神」を貫かれました。また、昨今は、国を憂い、思いて、日本アカデメイアにて共に政治改革の新たな舞台を作ろうとしていた矢先でした。「経験なき前例なき局面」と対峙する開拓者精神や「百の権謀術数も、ひとつの誠実な心には敵わない」という細谷さんの言葉からは、同じ経営トップとして学ぶことも多く、真にこの国の国益と構造改革への強い信念と真摯な姿勢が思い出されます。

いま、わが国は、「失われた20年を経てもなお決められない政治」という国難に直面しています。いまこそ骨太の助言や示唆をいただきながら共に歩んでいきたいと考えていた同志を失ったことに言い尽くせぬ悲しみと喪失感を覚えますが、細谷さんの闊達に発言されていたお姿と親しみ深い笑顔、そして真の国益、政治や経済構造改革、人づくりに対する深い想いと情熱を偲びながら、心よりのご冥福をお祈り申し上げます。

以上


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