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環境省の「環境税の具体案」について
2004年11月5日
社団法人 経済同友会
代表幹事 北城 恪太郎
このたび公表された環境省の「環境税の具体案」については、反対である。
昨年8月に中央環境審議会温暖化対策税制専門委員会が取りまとめた「温暖化対策税」案に対し、われわれはいくつかの問題点を指摘し、反対意見を表明している。今回の「環境税の具体案」は、税率が若干低く設定されていること、いくつかの税の軽減方策が講じられているなど、若干の違いはあるものの、その制度の基本的な構造は変わっていない。特に以下の点について、改めて問題点として指摘したい。
- 温暖化対策のための財源確保を主目的とした増税案であること。既存のエネルギー関係諸税の見直し等に全く踏み込んでいないなど、税体系全体の中で「税収中立」の原則のもとに実施される内容にはなっていない。
- 税収の使途が例示にとどまっていること。施策の具体性に乏しく、地球温暖化対策に充てる3,400億円の財源で温室効果ガスの排出を4%削減する、という費用対効果の根拠が不明確である。
- 財政全般・税体系全般についての総合的な見直しの検討がないまま、唐突に「社会保険料の軽減策」などが税の使途として盛り込まれていることも問題である。
地球温暖化問題の解決にあたっては、長期的な視野のもと総合的な検討を行い、根本から問題解決への道を拓いていくことが必要である。
以上