私の一文字

2026年5月号

会員の方が思いを込めて選んだ一字に、書家の岡西佑奈さんが命を吹き込む「私の一文字」。
今月は、武藤真祐副代表幹事にご登場いただきました。

美しく「誠」実に生きる

副代表幹事/医療・介護改革委員会委員長 武藤 真祐
鉄祐会 理事長

岡西

「誠」を選ばれた思いを、お聞かせください。

武藤

私自身は医師、研究者であり、事業にも取り組んできました。目の前の患者に向き合う医師の視点と、真実を追い求める研究者の精神、この二つが自分の根底にあります。そこに、できるだけ美しく誠実に生きたいという思いが加わり、「真善美」を大切にするようになりました。その思いに近い一文字を考えて、「誠」を選びました。

岡西

「誠」は、「ごんべん」と「成」が組み合わさり、物事を成し遂げていく姿を表しています。転じて、言葉と思いの一致を示す文字でもあり、今のお話と通じるものがあると感じます。医師から事業家へと活躍の場を広げてきたのも、目指す生き方と関連しているのでしょうか。

武藤

物事の実現は一つの取り組みだけでは難しいと感じたからかもしれません。幼少期から医師を目指したのですが、実際になってみると、目指す医療を進めるには資金や技術、政策がかかわることに気付きました。そこでコンサルティング手法にも目を向けましたし、事業を通じた変革にも取り組むことになりました。

岡西

目指したい方向があるということですね。

武藤

自分の中で掲げる「北極星」のようなものはあります。例えば予期せぬ病に見舞われたときでも、医療という社会インフラがきちんと機能するような社会にしていくこと。誰であれ困った人に対して仕組みが機能するようにすること。取り組みの幅を広げながら、目指す方向に向けて貢献していけたらと考えています。

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岡西

予防医学がもっと広がることが、持続的な社会に必要だと思うのですが、どのようなご見解でしょうか。

武藤

日本は医療サービスが手軽に受けられることもあり、健康の自己管理は弱いと感じます。一方、私は行動経済学も勉強しているのですが、政策・施策レベルで実際に行動が変わった例はいくつもあります。例えばイギリスでは高血圧患者を減らしていくために、パンの塩分量を徐々に減らす政策を打ち出しました。少しずつ減らすことで国民にも受け入れられ、実際に患者数が減ったという結果が出ています。また、会社からのメッセージ内容を工夫することで、健康診断後の再検査受診率が上がったという研究もあります。どのようにすれば行動が変わるかという点は引き続き探究したいですし、政策レベルへの働き掛けにもかかわっていけたらと思っています。

岡西

経済同友会での副代表幹事として、今後の展望についてお聞かせください。

武藤

今回新たに、医療・介護改革委員会が立ち上がりました。日本が誇る質の高い医療をどうサスティナブルにしていくか、経済界として支えていくかなどを議論していけたらと思いますし、経済界と医療界をうまく橋渡しする役割を担っていけたらと考えています。
書家 岡西 佑奈
1985年3月生まれ。23歳で書家として活動を始め、国内外受賞歴多数。
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