私の一文字

2026年2月号

会員の方が思いを込めて選んだ一字に、書家の岡西佑奈さんが命を吹き込む「私の一文字」。
今月は、湯川 智子会員エンゲージメント委員会委員長/産業調査研究会代表世話人にご登場いただきました。

つなぎ、「営」み、成果を成す

会員エンゲージメント委員会 委員長/産業調査研究会 代表世話人 湯川 智子
CO2資源化研究所 取締役副社長

岡西

今回選ばれた「営」は、上部は篝(かがり)火を、下部は宮殿や宿舎の様子を基にした漢字です。敵から身を守るために門前で篝火を焚たいている、すなわち兵士が仕事にいそしんでいる様子から、「勤める」「営む」という意味合いになりました。この文字を選んだ思いをお聞かせください。

湯川

当社は、「UCDI水素菌」という成長する過程でCOを大量に消費する微生物を活用してCOをダイレクトに資源化する企業です。SAF やプラスチックなどの化学品、畜産に依存しないたんぱく質を創生します。当社の菌体は、何億年も前からCOと水素のみを栄養源として生き延びた強靭(きょうじん)な菌体で、改良は容易ではありません。実現すれば日本発の技術としてゲームチェンジャーになります。われわれはこの技術開発を実現することで、未来の地球と子どもたちの幸せにつなぎます。研究開発を実装させるには、地球環境を大切にする企業群や国の応援など、さまざまなモノやコトや人をつなぎ「営む」ことが必要です。その現在に重ねてこの字を選びました。

岡西

CO からものづくりができると伺って驚きましたが、とても楽しみです。実用化に向けた困難もあると思いますが、これが未来を変える事業になるという確信を持たれたのは、どのようなときだったのでしょうか。

湯川

当社の代表が研究者で、このジャンルでは世界トップクラスの特許数を保有し、また米国工業微生物学会(SIM)で日本人初のフェローを受賞しています。その実績と、アカデミアの皆さまの熱い応援も確信の追い風になりました。しかるべき方々は特許内容でその価値が分かり、事業のご縁につながっています。

岡西

一方で、ご自身で起業された会社もおありだと思います。さまざまな困難をどう乗り越えてきたのでしょうか。

湯川

当時女性は23 ~ 25歳前後で結婚退職という時代でした。仕事をしたいという同じ志を持つ同期と一緒に起業しました。実績を積む中でお客さまも増え、見守ってくださった元所属企業と合弁事業を立ち上げたこともあります。共に起業した同期は国際結婚を機に日本と経営を離れました。振り返ると、営み続けて困難を乗り越えてきたのだと思います。

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岡西

経済同友会では産業調査研究会と会員エンゲージメント委員会を担われていますが、思いをお聞かせください。

湯川

産業調査研究会は14グループから構成され所属会員の満足度が高いです。一方、経済同友会全体では会員数が増え、定着のための活動機会が必要です。だからこそ会員エンゲージメント委員会では、充実した経済同友会ライフを感じていただけるようなエコサイクルづくりを委員会で検討しています。来期からそれを目に見える形にしていきたいと思っています。
書家 岡西 佑奈
1985年3月生まれ。23歳で書家として活動を始め、国内外受賞歴多数。
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