2024年8-9月号
プロ野球から文化芸術へ
本業は、M&Aや新規ビジネスの立ち上げのアドバイザー業務を行う経営コンサルタントです。
2004年11月2日、東北楽天ゴールデンイーグルス(楽天イーグルス)が50年ぶりにプロ野球に新規参入を果たしました(写真1)。近鉄球団がオリックス球団と合併し、パ・リーグ球団が5球団となり、パ・リーグ自体の存亡が問われる事態。パ・リーグ球団は毎年40億円以上の赤字を垂れ流し、シーズン終了頃には観客の数が球団関係者の数より少ないと冗談で言われる時期でした。2005年から新規参入した楽天イーグルスは、「球場・球団一体経営」「地元密着」、「プロ野球機構(NPB)中心に12球団ビジネスの推進」など新しいビジネスコンセプトで参加。初年度、野球の成績は厳しいものの黒字化を達成し、パ・リーグ球団のオーナーに衝撃を与えました。私自身楽天イーグルスの取締役オーナー代行を17年(現取締役)、パ・リーグの理事長を6年間(現理事)務め、パ・リーグ球団は大きく変貌を遂げ、サムライジャパンの創出、プロアマの垣根の撤廃が行われました。
2020年11月16日、日本の現代アートのアートフェアとして世界的な評価を受ける「Art Collaboration Kyoto」(ACK)を一般財団法人カルチャー・ヴィジョン・ジャパン代表として京都府などと立ち上げ、翌年のACK開催を発表しました(写真2)。日本の現代アート業界は、日本の産業規模、資産規模と比較し、極めて小さな市場規模にとどまっており、産業としての拡大可能性が高いものです。また、日本の産業構造上、クリエーティブ産業の活性化が注目されており、その礎となるのがアート産業だといわれています。文化庁、経済産業省などで「文化芸術と経済産業の好循環」が政策の柱として取り上げられる時代が到来しています。