私の思い出写真館

2024年2月号

夢のアイアンマン 世界選手権に出場

201
中野 宏信
トラスター・キャピタル・パートナーズ・ジャパン・リミテッド
会長 シニア・マネージング・ディレクター

アイアンマンと聞くと、多くの人は直訳通り「鉄人レース」を想像するが、実際は世界各地でトライアスロンレースを主催する私企業の名前であり、ブランド名である。アイアンマンの世界選手権は、世界各地で毎週のように行われる"アイアンマン"レースの上位者(エイジ別)に出場資格が与えられる。米国ではTV中継やYouTube等でのストリーミング生中継もある。海外での知名度は高く、アイアンマンのシャツを着ていると多くの人から声を掛けられるほどである。

コロナ禍が空けた2022 年11 月、米国ユタ州のグランドキャニオンにも近いSt. George。アイアンマンの中でも最もタフなコースだ。3日前に現地入り、試泳やバイクの組立試走をし、前夜祭を迎える。会場の盛り上がりと華やかさは想像通り。本当に世界選手権に来たんだと実感。レース当日、まだ日の出前、凍える寒さのなかスイムスタート。プロがスタート後、いよいよ私のエイジグループ(60~64歳)がスタート、飛び込むと水の中は逆に温かい。苦手のスイムを無難に終え、アップダウンの強いバイクコースへ。残り20キロほどから始まる長いヒルクライムに備え、体力温存。きつい上りを終えれば、あとはランコースが待つ市街地まで山を下るのみ。これで完走できると思った途端に感極まり、すこし涙ぐむ。最後のランは残った力を振り絞るだけ。多くの観客が待つ赤絨毯のVictory Roadに飛び込む。ゴール前で友人から受け取った日の丸を広げて夢心地のVictory Run、そしてゴール!やった! 平日は仕事後、部活のようにトレーニング、週末もマラソンや遠泳、バイクのレース。仕事以外の全てを捧げてきたこれまでの日々の集大成。全てが報われる。

ただ人生、いいことばかりでないということか、この2か月後、肺がんがみつかり右肺の半分を切除、肺活量が減るという大きなハンディを背負う。でももう一度あの夢舞台に立ちたいとの思いは消えず、今は復活を期す毎日です。

息をのむ景色の中、バイクで疾走
多くの観客に迎えられ、歓喜のゴール!
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