代表幹事の発言

2026年春闘について

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 山口 明夫
  1. 本日、2026年春闘の集中回答日を迎えた。3年連続で高い賃上げ要求が掲げられる中、多くの企業がトランプ関税等の不確実な外部環境の下でも前年並みの回答を示した。これは人手不足が深刻化するなか、報酬面で社員に還元することが、人材確保につながるとの認識が企業に定着しつつある表れであると理解している。今後企業は、この賃上げの流れが中小企業にも着実に広がっていくよう、努力を継続することが重要である。   
  2. インフレ環境のなか賃上げを持続可能なものとするには、その原資となる付加価値の創出が不可欠である。賃上げはコストではなく成長への投資であり、人的資本への投資、リスキリングの推進、DXや技術革新による生産性向上に継続的に取り組むことが求められる。また、コストの積み上げに依存する価格設定から、提供価値に基づく価格形成への転換も重要である。企業は、賃上げの背景にある成長戦略を雇用形態に関わらずすべての社員と共有するとともに、役割・成果・スキルに応じた処遇体系を整え、「稼ぐ力」の強化と一人ひとりの活躍の両立を図る責務がある。
  3. 物価高対策や実質賃金引き上げの中長期的な施策としては、労働生産性上昇率を引き上げ、実質賃金上昇のトレンドを高めていくことが不可欠である。また、労働移動の円滑化、リスキリング支援の拡充、地域における産業構造の高度化、規制改革による新たな市場・需要の創出などを通じて競争的かつ包摂的な労働市場の整備が必要である。こうした取り組みを通じて、持続的な賃上げと経済成長の好循環を実現していくことが肝要である。

以上

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