岩井睦雄経済同友会代表幹事代行の記者会見発言要旨
代表幹事代行 岩井 睦雄
冒頭、次週開催予定の2025年度全国経済同友会代表幹事円卓会議、第3回のとマルチセクター・ダイアローグ、及び新代表幹事選考に言及した後、記者の質問に答える形で、以下の発言があった。
岩 井:まず2025年度全国代表幹事円卓会議について紹介したい。毎年1回、私ども経済同友会をはじめ全国44経済同友会の代表幹事が一堂に会し、共同事業の運営や折々の重要政策課題を議論する「全国経済同友会代表幹事円卓会議」を開催している。今年度は11月10日に愛媛県松山市で開催する。当日は、中村時広 愛媛県知事並びに岡田武史 元サッカー日本代表監督を招き、「共創の時代へ―地域が“稼ぐ”未来をつくる」と題してパネルディスカッションを行う予定である。ぜひ皆様の現地支局にもお声がけいただき、取材いただければと思う。
岩 井:2点目に、「のとマルチセクター・ダイアローグ」を紹介したい。11月15日に共助資本主義の実現委員会の取り組みとして、本会の会員、本会と連携するインパクトスタートアップ協会や新公益連盟の会員など合計50名超が石川県能登地域を訪問し、被災地の視察を行い、復興についての議論をする本会主催の「第3回のとマルチセクター・ダイアローグ」を開催する。本会議には、馳浩 石川県知事、能登6市町の首長をはじめ、行政関係者、経営者、復旧・復興活動にあたるNPOの方々に参加いただく。総勢で180名超が参加予定だ。能登は地震発生から1年11ヶ月、奥能登豪雨からは1年2ヶ月が経つ今も復旧の道半ばである。本格的な復興にはまだまだ支援が必要だと認識しており、復興に関心が高い起業家、アーティストなど多様な方々がどのように復興に繋げていくことができるのかを議論し、そこから生まれたイニシアティブでしっかりと実行していこうと考えている。本会でも石川県と連携し、企業版ふるさと納税を活用した支援も検討している。この第3回を数える本イベントで能登の復興の機運をもう一度醸成し、一段引き上げることができるように当日に向けて企画を検討中である。
岩 井:最後に新代表幹事選考の進捗だが、明日11月7日に臨時幹事会を開催し、役員等候補選考委員会の設置を幹事の皆様(ならびに各地経済同友会)に報告予定である。報告後にプレスリリースも出す予定だ。本委員会を設置後、まずは代表幹事、その後に例年のことだが副代表幹事・監事の選考を行っていく予定である。引き続き代表幹事選考については円滑に進めてまいりたい。
Q:(新代表幹事を)決定する目途について、年内を目指す考えがあるのかどうか教えていただきたい。
岩 井:今回、少々特殊な事情(の下)でスタートしたため、まずは(役員等候補選考委員会を)組成する段階にある。(選考にあたっては、)プロセスが定められており、幹事の委員については選挙等を経て組成することとなっている。(現在は、)まさに役員等候補選考委員会のメンバーを決定し、これから各人の予定の確保を進めていくところである。私個人としては、できるだけ早期に決定したいと考えている。前回(の会見で)もご指摘があったように、年明けには様々なイベントも予定されているため、希望的観測ではあるが、可能であれば年内(の選定を目標)に進めていきたいと思っている。一方で、正当性をもって適切に選出を行うこと(が重要)で、選考委員の中で(十分な)議論が尽くされないまま(決定に至ること)にならないよう、しっかりと時間を確保し、議論を進めていきたいと考えている。
Q:前回の会見で、どのような人物が望ましいのか(代表幹事選定の)物差しのようなものをまず作るという話をされていたが、現時点でもその方針に変わりはなく、そのようなことを議論する認識でよいのか。
岩 井:その通り。まず資格要件として既に決まったルールがあり、例えば年齢制限などが存在する。その上で資質要件として、どのような方が特に今の世界情勢(等も考慮し)、これからの4年間(を務める)にふさわしい(人物)かを考える。また、今回の事象を踏まえ、分断を避けて全員が納得できる方(を選定すること)が望ましい。そこ(物差し)の部分については、現在事務局でまとめており、新たな選考委員の中で物差しについて議論することが第1回目の議論になると思う。そののちに、候補者のリストの中でどの方に(物差しと)当てはまるかを議論する段階(を踏んでいくこと)になると思う。
Q:新政権が本格的に始動し国会論戦が始まる中で、高市首相が労働時間規制の緩和に対して意欲を示している。経済同友会はこれまで働き方改革について様々な提言をまとめて発信されてきたが、今後この問題が改めて浮上したことにより、どのような議論を期待するか伺いたい。
岩 井:高市首相が厚生労働大臣に指示書も出されていると把握している。やはり労働者一人一人の心身の健康と、(その上で労働者)本人がそれを選ぶかどうかの選択が大前提である。(本会が)これまでの提言でも申し上げてきた通りである。一律に規制を緩めるのではなく、自分の実力を発揮したいという人が(選択)できるような制度(が必要である)。特に、時間に拘束される仕事ではなく、成果そのものが評価される仕事においては、10分でやっても1時間でやっても成果が出ているものを成果として評価する。一律ではない形で制度を定義した上で、該当する方々に、ある程度の時間的な制約を緩めることはあり得る。しかし先ほど申し上げた通り、1つの会社ではなく副業をしている方など(働き方の)多様化が進んでいる中で、心身の健康を守る手立てができるかどうかが重要である。また、絶対にこれしかないという(限られた)選択肢ではなく、自分自身が選べる(制度である)ことが非常に大切だと思う。
Q:役員等候補選考委員会の発足は7日付という理解でよいか。
岩 井:その通り。(臨時幹事会での)ご報告を経て、発足をするということである。
Q:新浪剛史前代表幹事の件で、私達が把握している範囲では、特にその後立件されたという情報は無い。何か捜査状況等について、新しく把握されていることがあれば教えていただきたい。
岩 井:私の方では、特に捜査状況について新たな情報は把握していない。
Q:今でも(前代表幹事は、経済同友会の)会員でいらっしゃると思うが、捜査は一応終結するといったことや、正式な手続きを経て家宅捜索が行われたものの、何も出てこなかったということで捜査に対する謝意の表明があるなど、そういった事も把握されていないのか。
岩 井:私どもで捜査の終了をどのように確認するかは非常に難しい。一般論としても、当局から「捜査に入りましたが、全く関係ありませんでした。終了します。」といった形で説明を受けることは少ないと認識している。様子を見て前代表幹事ご本人からもしかしたら報告があるかもしれないし、私どもとしても、報道等(の情報)をしっかり注視しながら、確認をしていきたいと考えている。
Q:役員等候補選考委員会が7日設置ということだが、選考の議論も7日から開始されるのか。
岩 井:(幹事委員を)選挙で何人かの中から選ぶ過程を経るため、7日はそのお披露目となる。またご本人に、(幹事委員に)選出されたという旨を伝えるのも7日になるため、その後選考委員のスケジュールを押さえていくという過程になると考えている。従って、明日すぐに議論が始められるということではない。
Q:新代表幹事を年内に決めることを目指したいというお話だったが、これは役員等候補選考委員会での人物選定を年内というイメージなのか、総会での正式決定も含めての年内なのか。
岩 井:まず、役員等候補選考委員会が候補者を推薦するという段階がある。その後、幹事会という場でお諮りする(ことになる)。従来も、この段階まで進んだ時点で、(メディアの)皆様方に(内定者を)公表している。その上で、総会と理事会において代表幹事を決定するという流れである。従って、「できるだけ早く」と申し上げている部分については、皆様方に発表できる(内定の)段階までを念頭に置いている。
Q:それでは、総会自体は年を越す可能性もあるのか。
岩 井:株式会社の(株主)総会と同じであるが、総会の招集をしてから3週間という一定の期間をおかなければならないため、年を超えてしまうこともあり得る。
Q:役員等候補選考委員会では、1から候補者を選定するのか、それともある程度何人か候補者がいて、誰がふさわしいのかを役員等候補選考委員会の中で議論するのか。役割としてはどちらなのか。
岩 井:まず会員全てから選ぶという形ではなく、例えば「副代表幹事、またはその経験者で幹事就任中の会員であること」といった原則が決まっている。先程申し上げたように、そこが資格要件となる。また、資質要件の物差しを第1回目(の選考委員会)で決めるとすると、そこに自ずと対象者のロングリストが出てくる。その中から、選考委員の中でどの人が良いか、どの人を推薦すべきか、ということを議論していく。そのような過程になると思う。
Q:現時点でロングリストは存在しているという理解でよいか。
岩 井:事務局にて(資格要件によるロングリスト)準備をしている。第1回目の(役員等候補選考委員会の)ときに、まず(選考)基準を定めていただくと同時に、その基準に誰が該当するのかについて事務局から(候補者を)提示し、そこから議論を開始するというイメージである。
Q:役員等候補選考委員会は、最低でも何回開催するなど、回数に決まりはあるのか。
岩 井:決まっていない。(開催回数は、)どれだけ議論が(煮)詰まるかによると思っている。例年、特に代表幹事を選考しない年は、4、5回程度(の開催)となっている。今回、少し特殊な事情を抱えるため、議論が紛糾すれば、(例年よりも)何度か(開催が多くなる)ということになると思う。非常にお忙しい方ばかりなので、休日やオンラインの活用を行い、できるだけ集中的に議論したいと考えている。回数が決まっているわけではない。
Q:4、5回ということだとすれば、大体週一回のペースということか。
岩 井:(週一回よりも、)もう少し頻度を上げたいと思っているところだが、(選考委員の方々の)スケジュールを確保(して頻度を高く開催)することが非常に難しい部分がある。
Q:臨時総会は、通常総会と異なり、人数を限定して開催するのか。それとも、会員全員を集めるのか。
岩 井:おそらくオンラインを併用する形になると思っている。本年から、決算の数字をきちんとまとめるべく、4月の総会の後、6月に決算のための総会を開催した。その際は、全員を集めるのではなく、オンラインを併用した形で開催している。そのような実績もあるため、今回の臨時総会も全員を集めるのは難しいと考え、そういう(オンライン併用での開催)を考えている。
Q:オンラインも含めると、会員全員が出席(の対象)ということか。
岩 井:過半数出席、(その上で)過半数の賛成など、総会(の開催や)決議(の要件)の数がある(が、それらにオンライン出席も含まれる)。また、委任状を活用する方もいらっしゃると思う。
Q:新代表幹事の資質において、前代表幹事が掲げた共助資本主義、分断や対立ではなく助け合う社会を目指すといった、理念の踏襲について、求める要件となるのか。
岩 井:どのような形で、それまでのレガシーのようなものを引き継いでいくかという点は、それぞれの代表幹事の考えもあることから、必ず踏襲してもらわないと(代表幹事に)なることができないとするつもりはない。ただ、(共助資本主義の考えは)何年間も議論した中で(現在)実行をしている。小林喜光 元代表幹事の時代は、テラスという場を設け、NPOなどさまざまなステークホルダーと対話を行い、櫻田謙語 元代表幹事の時は、未来選択会議を実施してきた。(さらに、新浪剛史 前代表幹事になって、)もう少し(組織の)中に入り込んでいただき、共助(資本主義)を実現しようと(活動してきた)。歴史的に、(同じベクトルの)大きな流れとしてやってきたと理解している。新代表幹事が、(これらを)全て否定するようなことにはならないと思っているが、強制することはできないとも思っている。
Q:役員等候補選考委員会のメンバーは公表されないのか。
岩 井:(例年と同様に)通常総会で副代表幹事など全ての選考が決まるまでは、非公開とさせていただき、議論に集中したい。
Q:前代表幹事は、経済財政諮問会議の民間議員などを務められていた。日本成長戦略会議の有識者構成員が固まったが、経済同友会からはメンバーが出ていない。今後の政府への発信力や打ち込みについて、戦略や見通し(の向上)について伺いたい。
岩 井:代表幹事が空位であることもあり、もし選ばれるべきところがあったとしても選ばれないという、非常にネガティブな状況であると認識している。その上で、政府の会議での発言も大切だと思うが、日頃から政府や政治家とどのようにコミュニケーションを取り、私たちの提言を伝えていくかということも大切だと考える。また、最近の取り組みとしてはPIVOT等による発信によって、政策の当局ではなく広く皆様に伝える(ことも実施している)。現在、統合政策委員会において、広報を強化するということで、対外(エクスターナル)および会員(インターナル)への発信をしっかり実践しているところである。おっしゃるような点は非常に(懸念している)。そのため、なるべく早く(新代表幹事が就任し、空位のままとなっている)この時期を短くしたいと思っている。
以 上
(文責: 経済同友会 事務局)