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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2006年04月26日(水)
出席者 北城恪太郎・代表幹事 渡邊正太郎・副代表幹事 桜井正光・副代表幹事
岩沙弘道・副代表幹事 細谷英二・副代表幹事 井口武雄・副代表幹事
氏家純一・副代表幹事 加賀見俊夫・副代表幹事 斎藤博明・副代表幹事
下村満子・副代表幹事 有富慶二・副代表幹事 金丸恭文・副代表幹事
浦野光人・副代表幹事 小島邦夫・副代表幹事 林野 宏・副代表幹事
長谷川閑史・副代表幹事 森田富治郎・副代表幹事

冒頭、北城代表幹事よりあいさつがあり、その後、渡辺正太郎副代表幹事・専務理事より退任の、長谷川閑史、森田富治郎各副代表幹事、小島邦夫専務理事より新任のあいさつがあった。更に北城代表幹事から所見について説明があり、ついで、記者からの質問に答える形で、(1)企業不祥事や市場トラブル、(2)千葉7区の衆院選補選、(3)副代表幹事の任期延長と対象副代表幹事の抱負、(4)について発言があった。

<北城代表幹事あいさつ>

北城: 今回は経済同友会が創立して60周年となる総会である。本年度の代表幹事所見をお話する前に、副代表幹事、ならびに専務理事の選任があったので、退任、新任のあいさつをさせていただきたい。まずは、副代表幹事5年、専務理事4年を務めて退任する渡辺副代表幹事・専務理事からお願いしたい。

<退任あいさつ>

渡辺: 私が副代表幹事を仰せつかったのは、小泉政権が誕生した5年前である。ちょうど総会の日であったと記憶しており、小泉内閣の構造改革と歩みをともにした。今回の総会で、5年務めた副代表幹事と4年務めた専務理事を退任する。時代にある程度恵まれたというか、花王で培った経営者としての経験を十分に活かしながら、会員、そしてメディアの皆様に、どちらかと言うと、いじめられるより可愛がられて過ごすことができたことに大変感謝している。いろいろとお世話になり、ありがとうございました。

北城: 渡辺専務理事には、私も3年間お世話になった。退任にあたり、一言言葉を贈りたいと思っていろいろ探したが、四文字熟語で「剛毅果断」という言葉を贈りたい。「意思がしっかりしていて、気力に富み、物事に屈しないこと。思い切って事を行うこと」。いかにも渡辺さんにふさわしい言葉だと思う。本当にお世話になりました。

次に、新たに選任された副代表幹事から、まずは武田薬品工業の取締役社長をお務めの長谷川閑史・副代表幹事からお願いしたい。

<新任あいさつ>

長谷川: 同友会活動には前々から関心を持っていたが、社長になって業務にしばらく専任していた。1年少し前に参加させて頂くことになり、今回副代表幹事を仰せつかることになった。私の理解する限りでは、同友会は、出身企業や産業を離れて、経営者として、個人としての見識や経験が問われ、発揮できる場である。与えられた場を通じて、存分にそれを発揮することで、同友会活動、ひいては、日本の国家のために少しでも貢献できればということで、全力を尽くす所存である。宜しくお願い申し上げます。

北城: 次に、第一生命保険相互会社の取締役会長をお務めの森田富治郎・副代表幹事にお願いしたい。

森田: 私は、昨年一年間「人口一億人時代の日本を考える委員会」の委員長を務めた。これは、少子高齢化と人口減少という事態に、日本の社会がどのように対応していけばいいかを議論する委員会である。そこでの議論を通じて、改めて我々の未来に数多くの難題が横たわっていることを痛感した。私はこの度副代表幹事に就任するが、この委員会での議論を踏まえ、日本の将来に向けて我々がどう考えるかという意見の発信と、微力ながら具体的な行動を行って参りたい。何卒宜しくお願い致します。

北城: お二人はこの後の通常総会で、副代表幹事に選任される予定である。次に、専務理事に選任される予定の小島邦夫副代表幹事・専務理事候補の日本証券金融・取締役会長から一言挨拶を頂く。

小島: 何卒宜しくお願い申し上げます。渡辺さんという大変すばらしい方の後で恐縮である。引き受けさせて頂いたのは、一つは、日本の将来を考えると安心してはいられないと思い、何かお役に立てないかと思った。また、経済同友会は非常にリベラルで、すばらしい仕事をしている。これを受けて何かのお役に立てるかと思った。この二つのことから、力があるとは思わないが、皆様にお世話になりながら務めて参りたいと思う。

<代表幹事所見について>

北城: 経済同友会は今月30日で創立60周年を迎える。いわゆる還暦であるが、戦後日本の歩みの中で、常に先見性と良心に基づく正論を述べる政策集団として活動してきたと自負している。奇しくも今日は小泉政権発足から5年である。

この間、私も3年間代表幹事を務め、小泉政権の構造改革路線を基本的に支持してきた。いくつか不十分だという点があるかもしれないが、大きな財政出動なしに景気回復に努めるという基本的な方針のもとに、官から民へ、中央から地方へ改革を進め、不良債権の処理や規制緩和、郵政民営化、三位一体改革などに努めた結果、景気回復が実現できたことは高く評価している。北朝鮮からの拉致家族の帰還ということでも大きな成果があったのではないかと思う。5年間の歩みを高く評価している。日本は大統領制ではないので総理のリーダーシップが発揮しにくい環境かもしれないが、景気が厳しい中で改革をこれだけ実現できたということは、イギリスのサッチャー政権が改革を実現したが、それに匹敵する評価をしてもいいのではないか。さらに改革を進めるべきといういくつかの意見はあるが、5年間の歩みは、評価すべきではないか。

私も代表幹事を3年務め、今年は締めくくりの1年になるが、これまで新事業創造やイノベーションなど改革に努めて、活力ある日本社会を作るという活動をしてきた。これらをさらに深め、将来を展望した提言活動をしていきたいと思う。

特に今年は、経営者としての「自立」と「公正」と「思いやり」に同友会活動の焦点を当てたいと思う。自立は、経営者だけでなく日本社会全体に必要だと思うが、自立の気持ちがなければ、常に問題があった際に公的な支援を期待するようでは、大きな変革を期待できない。イノベーションに挑戦する上で自立が重要である。

最近の企業不祥事をみるにつけ、公正ということも企業経営者として大事な資質ではないかと感じる。我々は、常にイノベーションによって企業の業績を上げなくてはいけないが、常に公正な競争を行うことが大事である。

さらに、社会の弱者に対する思いやりがなければ、大きな格差が出て社会が安定しないと思う。その意味で、思いやりのある経済活動をしていきたい。

経済同友会は市場主義が重要であると述べてきたが、これからも市場主義のあり方、新たな事業に挑戦するということを通して、日本社会の発展に貢献していきたい。市場主義が格差を生み出しているのではないかとしばしば言われるが、市場があるからこそ、資金を集めて、意欲のある人が事業に挑戦できるわけで、この市場主義は挑戦の機会を与えるすばらしい仕組みである。それが実現できるような制度・仕組みづくりに努めていきたい。健全な市場をつくるための活動ということで、企業の社会的責任を常に述べてきたが、健全な市場ができるための活動をしていきたい。さらに、再挑戦を可能にする市場の設計にも努めたい。特に、ベンチャーなどに挑戦することで、新たな事業に挑戦する機会が作られる社会でありたい。日本は科学技術立国ということで科学技術の振興に努めており、しばしば、素晴らしい研究をしているが、研究開発の成果を実社会に応用しきれておらず、実用化されないという問題がある。実用化に当たっても、ベンチャーのような挑戦的な取り組みをする人たちが重要ではないか。今年度の課題として取り組んでいきたい。

終わりに、教育こそ日本の将来を築くということで、教育改革、人づくりについては今年も引き続き取り組みたい。特に、倫理観のある若者、基礎学力があり、イノベーションに資する能力があって、なおかつ知識をもった人材を作るということで、教育改革が必要ではないか。

今年9月に自民党総裁選が行われるが、総裁選に当たっては、是非マニフェスト(政権公約)を作って、どのような政策を実行されるかを定義してほしい。政策が支持されることで、政策を実現するための政治的な力学も働くのではないか。国会終了後の7月か8月くらいにマニフェストを提示していただき、我々もそれについての意見を述べていきたい。民主党の党首も選ばれるようなので、民主党にも同様のことを期待したい。

経済同友会は、経済人として、新生日本の構築に全力をささげたいという趣意書をもって設立されたが、この言葉をご紹介し、我々も次の60年に向けて新たな歴史を作るという取り組みをしていきたい。

<記者との質疑>

Q: 今回の所見に「自立」、「公正」、「思いやり」が盛り込まれている。若干、影の部分がクローズアップされ過ぎているという思いはあるかもしれないが、企業不祥事や市場を巡るトラブルが起きているのは事実だ。日本のマーケットや参加者に何らかの欠陥があるという認識がおありか。

北城: 経済運営の仕組みとして、市場主義に勝る仕組みはないと思う。しかし、市場主義そのものは完璧なものではないし、環境が変われば社会の期待や価値観も変わるので、市場主義の中で不十分な分野を補強していかなくてはならない。経営者は、企業の社会的責任、企業も社会のために存在するということを認識し、志高く経営をしていくべきだということは本来のあり方として必要だし、現実に不健全なことが起きないような仕組みづくりをするのも経営者の責務である。経営者自らが不健全なことを行うような例は論外だが、経営者を選ぶ仕組みとしても、健全な高い倫理観を持った経営者が選ばれる、いわゆるコーポレート・ガバナンス、企業統治の仕組みも構築すべきだと思うし、必要に応じて社外取締役のような外部の目で経営のあり方を見る仕組みは、大企業だけではなくベンチャー企業にも必要なことだ。倫理観が高い経営者が選ばれる仕組みや、経営者が健全に運営するための内部統制の仕組みの構築などは、企業経営者にとって非常に重要なことだ。

市場主義、あるいは市場を中心とした構造改革が、影の部分を拡大したのではないかという議論もあるので、我々が考える格差、再挑戦ができる社会の制度設計についても、意見を述べていきたい。

Q: おっしゃるような内容は、過去何年も言い続けていると思うが、今になってもまだ経済同友会として言わざるを得ないという状況については、どのようにお考えか。

北城: 完璧はないし、常に継続して改善していくということだと思うが、現実にいまいろいろな不祥事が起きている。また、経営者の選任の仕組みがうまく機能しているかというと、大きな問題を起こした多くの企業は、必ずしも長く経営をしてきた大企業だけではないと思う。ベンチャーのような企業のガバナンスや経営者選任の仕組みも考えていくべきだし、大企業も、経営能力をもった人を選ぶのは前提だが、健全な価値観や高い倫理観をもった経営者を選ぶ仕組みが、必ずしも日本で機能しているわけではない。仕組みを作れば必ず立派な方が選ばれるというわけでもないが、仕組みの構築は重要だ。

一方で、企業経営者や、公認会計士、一級建築士など専門家の不祥事や犯罪も起きている。経済犯罪に対する制裁も整備していく必要がある。長期的には、不健全な経営をする会社は、市場のなかで淘汰されていくと思うが、それまでには時間がかかるので、監視の仕組みや不正に対する厳しい処分が必要だ。談合についても同じことが言える。

Q: 先週末、千葉7区で衆議院の補選が行われ、民主党候補が勝った。小泉政権の5年間の政策について、若干異議を持った人が多かったのではないかという見方もできるが、今回の民主党候補の勝利についてどのようにお考えか。また、次期総裁選や小沢・民主党にどのようなことを期待されているか。

北城: 今回は補選であり、民主党代表が選任された直後の選挙ということで、通常の総選挙とは違った環境にあったし、また候補者自身の問題もあったと思う。民主党代表が代わったことによる民主党の変化に対する期待や、候補者への評価もあっただろう。今回の補選だけで、小泉政権に対する批判とすべきではないだろう。

補選なので、政党がマニフェスト(政権公約)を明確につくって闘ったわけでもないし、民主党も小沢さんの政権公約や政策が明確に提示されたわけではない。9月の総裁選や(民主党)代表選に向けて、政策を提示していただき、そこで議論を踏まえたうえで選ばれることが必要だと思う。

渡辺: 民主党は奈落の底から這い上がっている。政治には緊張感が重要だし、経済同友会は、政権交代能力という面から、かねて二大政党を主張してきたという視点から、今回の選挙結果は、かなり意味があった。自民党の改革が一層加速することは望ましいが、小沢さんが出てきてさらに拮抗作用で日本を良くする方向に行くとすれば、今回の千葉県民の判断は良かったのではないか。自民党にとっては危機感が強まり、長期的にみれば自民党にとっても良いのではないか。世の中は常に競争が必要だということだ。

北城: 偽メール事件以来、民主党の存在感がやや薄かったのではないかということに関していえば、代表選挙を通して小沢党首が選ばれたことで、民主党もまた活力のある政党として復帰したような印象も受けた。ただ、小沢代表の政策そのものはまだ明確に提示されていない。急遽党首の交代があったので政権公約を出されていないが、どのような政治を行うかについては、是非9月に向けて提示していただきたい。小沢さんの政権公約が出されることで、自民党の政策もまた強化されるのではないかと期待している。

Q: 副代表幹事の任期が、2期4年から3期6年に延長になった。その理由を代表幹事から、3期目の抱負を再任の副代表幹事から伺いたい。

北城: 代表幹事と副代表幹事の任期について、これまで1期2年で再任が可能ということだったが、代表幹事については2期4年を最長とする規約の改定を行った。それに併せて副代表幹事の規約も改定したが、来年度2期4年の任期を迎える副代表幹事が6名いる。経済同友会の構成として、副代表幹事が大幅に代わってしまうと運営の持続性が保てないということと、副代表幹事についてはある程度長く参加していただいた方が、同友会の質も高まるだろうと考えた。前回の改定は、やや拙速だったかもしれないが、問題があるとすれば軌道修正をすることはやぶさかではないので、副代表幹事については、3期6年までと役員選任の規約(内規)を改定した。

その上で、役員選考委員会で新任の副代表幹事も含めて検討した結果、2期4年務めていただいた副代表幹事の再任が決まった。これは、再任を先に決めたわけではなく、全ての候補者を含めて新たに検討した結果である。抱負についてはそれぞれお願いしたい。

桜井: 経済同友会の活動に参加し副代表幹事を務めていて、いつも思っていたことは、日本の再生、あるいは日本をもっと国際的に繁栄する国にするためには、どうすれば良いかということだ。私がこれまで経験してきた、あるいは現在の経営者としての存在は、「モノづくり」に立脚している。産業構造からみると、「モノづくり」は30%強の比率しかないが、世界、日本を見ても全て、モノがあって、それをうまく使うサービスがあって、そして新たな価値を創造していく「知の創造」、という構造にある。原点はやはり「モノづくり」だ。日本の成長、再生も、モノづくりがしっかりしていることが非常に大事だ。政府の言葉を使えば、「知財立国」「モノづくり立国」「科学技術立国」等、モノづくりに集中しようという意欲が見られるが、科学技術が開発されても、それをいかに社会に貢献、還元していくか、商品・サービスを通して社会の豊かさ、安心・安全を守る、という繋がりは非常に大事だ。経済同友会の活動は、どちらかと言えばモノづくり面について非常に少ない。モノづくり企業もメンバーにはいるが、活動自体はまだあまりモノづくりに焦点が当たっていない。再任された2年間は、是非モノづくり強化と社会への貢献ということを、企業、学、そして社会も含めて、どのようなイノベーションを起こしていくかに専念したいと思う。

北城: 桜井副代表幹事には、「新時代のモノづくり基盤委員会」委員長をお務めいただく。

岩沙: 日本の国も経済同友会も、ひとつの大きな転換点の年を迎える。これからの21世紀に向けて、経済同友会が今まで以上に日本の活力ある社会と、「自立」「公正」「思いやり」が持続可能な経済社会、そして小林前代表幹事もメッセージとして出されたが、市場経済がきちんと機能する国に対して、引き続き副代表幹事として責任ある、改革に向けた行動をさせていただきたい。2年間さらにみなさまにご指導・ご鞭撻を賜るかもしれませんが、宜しくお願いします。

北城: 岩沙副代表幹事には、「企業・経済法制委員会」委員長を務めていただく。

細谷: 4年前、副代表幹事に就任したとき、私自身の国鉄改革の体験から、「官から民へ」の流れを加速するメッセージを出していきたいということと、当時JR東日本の副社長だったので、副代表幹事のなかではもっとも現場に近い立場にあり、経営の現場からの情報発信をしていきたいというコメントをした。4年経った今でも、「官から民へ」の流れの加速に対するメッセージを、自分自身の体験から情報発信していきたい。この3年間で、鉄道から銀行へと経営の経験をさせていただいたので、この2つの経営現場の体験から、更なる情報発信をさせていただきたい。

北城: 細谷さんには、「構造改革進捗レビュー委員会」委員長を務めていただく。

Q:本日、耐震偽装事件において関連の元建築士など8名が逮捕された。この事件についてのお考えと、相次ぐ企業不祥事についてご所感を伺いたい。

北城: 企業経営者や建築士など専門家といわれる人たちの不祥事が無くならないことについては、大変遺憾だと思うし、企業経営者が倫理観の高い経営をしない限り、なかなか「官から民へ」という動きも進まない。企業経営者が関与したこのような問題、特に耐震偽装のような人命に関わるような問題が起きたことは常に遺憾だ。どこに原因があったかは現在捜査が行われているが、このような経済犯罪に対する処分が不十分、弱いと思う。例えば建築基準法の違反については罰金50万円が最高額であり、どんな時代にも不正を行う人が出てくるが、不正の抑止力としての法の整備という観点ではまだ不十分な点があったと思うし、制度の設計にしてもルールに違反する人が出る可能性があるので、ルールに違反した際は厳しい処分があるという仕組みそのものが抑止力になる。抑止力がないところで規制をできるだけ緩和して、民間企業の創意工夫が生きる環境を作るといっても、その中でルールを違反する人がでた場合には、厳しい処分をしなければ、こういう問題はなくならない。これは、談合についても同じことがいえる。

文責:事務局

以上


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