代表幹事の発言
総合経済対策について
公益社団法人 経済同友会
代表幹事代行 岩井 睦雄
代表幹事代行 岩井 睦雄
- 本日、総合経済対策が閣議決定された。今般の総合経済対策は、日本経済の強さを取り戻すべく、「生活の安全保障・物価高への対応」、「危機管理投資・成長投資による強い経済の実現」、「防衛力と外交力の強化」を柱とした内容であり、現在の日本が抱える重要課題に正面から取り組む内容と評価している。
- 対策では、「危機管理投資・成長投資」による強い経済の実現を謳い、官民連携で戦略的な投資が実施できるよう、複数年度の予算措置など投資の予見可能性向上に資する方策などの新機軸も打ち出されている。こうした新たな取り組みの効果がさらに高まるよう、従前からの課題である規制改革・緩和を推し進めるなど企業の国内投資環境の整備を強くお願いしたい。さらに労働面で個人の多様なニーズに応える柔軟な雇用の在り方などの検討・実施などにより、投資・雇用両面の対応による日本の潜在成長力の底上げを期待したい。
- 物価高対策として、重点支援地方交付金の拡充や電気・ガス代支援、ガソリンなどの旧暫定税率の円滑な廃止とそれまでの間の補助金の活用などが挙げられている。こうした措置により、国民生活の苦境への対処が期待される。一方で、財政規律の維持・持続性確保の観点からも、こうした対策での減税分については、今後、安定財源の確保に向けた議論を深めることが必要である。
- 今回の対策は、「責任ある積極財政」のもとでの経済運営と理解しているが、重要なことは強い日本経済の構築に向けて真に必要な対策を講じることである。このところ、マーケットでは長期金利の上昇や為替円安の動きがみられている。こうしたマーケットが発するシグナルなどにも目配りしつつ、EBPMに基づくワイズスペンディングなど「責任ある」に相応しい財政運営を強く期待したい。
以上