代表幹事の発言

経済安全保障推進法の成立について

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 櫻田謙悟

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  1. わが国の経済安全保障を包括的に強化する経済安全保障推進法が成立したことを歓迎する。経済安全保障の施策が及ぼす影響への懸念に対し、法案審議の過程において、事業者の自主性の尊重や事業者間の適正な競争関係を不当に阻害しないこと等が附帯決議に盛り込まれたことを評価したい。
  2. 本法の施行に向けて、政令による特定重要物資及び基幹インフラの対象分野の指定、主務省令による対象事業者の指定が行われるが、同法の主目的を損なわない範囲で規制、支援の対象範囲を明確にし、裁量によって適用範囲が拡大する余地を排除すべきである。また、特定重要物資や基幹インフラについては、地政学的状況の変化、技術進歩に応じて柔軟に見直すことも必要である。初期段階ではシングルユースなのか、デュアルユースなのか判断がつかない技術も多くある中で、量子、ゲノム等の先端技術の転用については、事前規制等により研究開発を抑制すべきではない。
  3. 今後は、経済安全保障の更なる強化に向けて、経済インテリジェンス機能の向上、同盟国・同志国との国際共同研究の推進を図るべく「セキュリティクリアランス」を含む情報保全の仕組み構築を求める。企業としても、サプライチェーンの強靭化などリスクマネジメントの改革に鋭意取り組んでいく。
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