代表幹事の発言
新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言の解除について
公益社団法人 経済同友会
代表幹事 櫻田 謙悟
代表幹事 櫻田 謙悟
- 全ての都道府県において緊急事態宣言が解除された。政府・自治体の自粛要請に協力した国民、特に医療従事者の献身的な努力に敬意を表したい。諸外国と異なり、強制力や罰則を伴わない手法で感染拡大を制御したことは世界に誇れる。しかしながら、あり得べし感染の第2波に対しては一層の警戒と準備が必要である。政府には、引き続き、医療提供体制および検査体制の整備と、治療薬・ワクチン開発など、国民の命と健康を守る感染症対策を加速していただきたい。
- 社会経済活動は段階的に再開されるが、約1か月半にわたった緊急事態により、生活者や事業者は厳しい状況に置かれている。また需要の低迷などに起因する経済の縮小により、雇用不安の拡大が懸念される。政府には、各種給付金を一刻も早く支給することに加え、第二次補正予算などにより、生活費や事業資金などに真に困っている人や事業者に、あまねく届く支援策を早期に執行し、充実させることを望む。
- 緊急事態の解除に至る過程においては、様々な課題も生じた。「ウィズ・コロナ」の社会の「新しい普通」を確立するためには、それらの課題について、官民が一体となって国民的議論を行い、制度改革を進め、より強靭で持続可能な社会経済システムを築いていかなくてはならない。そのために、経済同友会は、経営者・社員の意識改革、企業文化の変革、ひいては社会全体の国民の意識変革、行動変容に向けた諸施策の提言とその実行・実現に取り組んでいく。
以 上