代表幹事の発言

参議院議員選挙の結果について

公益社団法人 経済同友会
代表幹事 櫻田 謙悟

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  1. 本日投開票が行われた第25回参議院議員通常選挙の結果、連立与党が改選議席の過半数を獲得する見通しとなった。覇権争いの続く米中、政治的混迷を深める欧州、地政学リスクが高まるアジアと、貿易・安全保障など外交上の軸が複雑に絡まりあう国際情勢のなかで、安倍首相の安定した政権運営に対し国民から一定の評価を得たものと受け止めている。
  2. 先の国会終盤で、老後資金や年金給付水準が関心を集めたが、選挙戦を通じて財政や社会保障について国民的議論が深まらなかったことは残念である。引き続き安定政権を率いる安倍首相には、10月に予定されている消費税率10%への引き上げはもちろんのこと、財政健全化、持続可能な社会保障制度の構築など、次世代へのレガシーとなる国家運営基盤の確立を強力に推進していただきたい。秋の臨時国会では、将来不安の払拭に向け、痛みを伴う改革に一歩踏み込んだ討議が行われることを期待する。
  3. 争点の一つであった改憲については、国民一人ひとりが「国のかたち」を考える契機とすることに意味がある。各党が新しい時代の憲法のあり方を明示し、オープンかつ責任ある議論を進めてほしい。
  4. 今回も投票率の低下傾向に歯止めがかからなかったことには忸怩たる思いがある。政府には、期日前投票制度や不在者投票制度のさらなる改善はもとより、とりわけ電子投票の実現など、若年層を中心に国民が政治に参加しやすい環境の整備を求める。

以 上

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