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英国のEU離脱について
2016年6月24日
公益社団法人 経済同友会
代表幹事 小林 喜光
- 6月23日に行われた英国の国民投票でEUからの離脱が決まり、世界経済は大きな危機に直面している。当面、株式や為替などの市場における想定を超えた価格変動に対する機動的な対応も含め、経済への悪影響を最小限に止めることが最優先課題である。
また、EU離脱の主因は移民増加による英国人の雇用不安であるが、離脱に伴って英国に係わる雇用・労働や貿易・投資などの経済分野のみならず、欧州・ロシア、ひいては世界の平和と安定にも深刻な影響が波及していくことを懸念する。 - 世界は今、経済では益々グローバル化して国境を超えた「統合」が加速する一方で、政治では内向き・ナショナリスティックな思想の台頭によって「分散」に進む危険性がある。こうした中で政治・経済の「統合」体であるEUから英国が離脱することで、同様の問題を内包する他の国々が不安定化し「分散」が連鎖することを憂慮する。
- EU離脱に向けた交渉や手続き等が長期にわたって停滞・混迷する可能性も否定できない。日本としては、まずは官・民を挙げて情報の収集に努めるとともに、我々経営者は収益性や社会的責任の観点から自社が取れるリスクを見極め、英国の現地法人、投資先などのステークホルダーに対して明確な経営方針を発信していく必要がある。
以上