代表幹事の発言

昨今の株式市場について

社団法人 経済同友会
代表幹事 小林陽太郎
  1. わが国の株式市場の下落は、国内的には不良債権処理方針決定後の政策対応についての不透明感が広がっていることや、世界同時株安の影響を受けていると思われる。ただ、わが国の実体経済は徐々に厳しさを増しているとはいえ、大幅に悪化している訳ではない。今後も企業は競争力向上に向けた努力をしなくてはならないが、現在の株価水準はやや行き過ぎの感があり、投資家には今後発表される中間決算の発表も踏まえた冷静な態度が望まれる。
  2. 本格的な景気回復のためには抜本的な不良債権処理と金融システムの安定化は避けて通れない課題であり、短期的なデフレ圧力に対する政策が必要となる。しかしながら、デフレ対策についての政府の議論は混迷しており、それが結果として投資家の心理を一層悪化させている。政府には法人税実効税率の引き下げなどの政策に加え、規制改革や実効ある雇用のセーフティネット整備を早急に明示することを望む。

以上

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