日本国憲法 第一四条【法の下の平等】
すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
日本国憲法は、「すべての国民は、法の下に平等」と謳っています。特に有権者の意思が正しく政治に反映される「参政権の平等」は、最も重要なものの一つです。また、憲法前文は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し…」という書き出しで始まりますが、一票の格差のある選挙で「正当に選挙された国会」と言えるのでしょうか? やはり、「一票の格差」の根本的な是正が不可欠です。

2002年の「衆議院議員選挙区画定審議会設置法」の見直しで、いわゆる「五増五減」方式の改善が行われ、瞬間的に衆議院の一票の格差は最大2倍未満に収まりましたが、その後の人口の移動に伴い、再び「一票の格差」は2倍を超えて広がり始めています。総務省が発表した2004年9月2日現在の選挙人名簿登録者数(有権者数)によると、衆院小選挙区の一票格差は最大「1:2.17」(東京6区対徳島1区)になっています。
この原因は、「衆議院議員選挙区画定審議会設置法」という法律にあります。この法律では、衆議院の小選挙区300議席の中から、まず各都道府県に均等に1議席を割り当てることを定めています。そして、残る300 − 47=253議席を人口に比例する形でそれぞれの選挙区に割り当てていくのです。つまり、「人口の大小に関わらず、各県に1議席」というルールがあるために、多くの有権者を抱える選挙区は、その人口に比べて輩出する国会議員数が少なくなり、逆に人口の少ない選挙区は、単純人口比で考える以上の数の議員を出すことができるようになるのです。
また参議院でも、各都道府県別に行われる選挙区選挙は、公職選挙法第14条の「別表第3」というところで、都道府県別に2〜8名の議席が定められていますが、衆議院と同様、この定数配分が、人口と必ずしも対応しておらず、「一票の格差」を生んでいます。
これに関しては、2004年1月14 日、最高裁判所は、最大1: 5.06(東京都と鳥取県)にまで拡大した2001年の参議院選挙について、結論こそ合憲だったものの、6名の裁判官が「違憲」とし、合憲とした中でも4名が「次回選挙も現状が漫然と維持されるなら、違憲の余地が十分にある」と、定数配分の見直しを強く求めました。しかし結局、何ら定数是正が行われること無く、「一票の格差」が最大「1対5.16倍」にも拡大した中で、2004年7月の参議院選挙が実施されました。既に選挙無効訴訟が起こされており、その判決が非常に注目されます。初の「選挙無効・やり直し」という判決が出るかもしれません。
このような状態は、主権者である国民の意思がきちんと政治に反映されていると言えるでしょうか。もちろん言えません。衆議院・参議院ともに、これ以上「違憲状態」での選挙が繰り返されることのないよう、改めて早急な一票の格差是正が必要です。
*1 設置法関連条文
*2 「五増五減」解説
*3 「一票の格差に関する各国の対応」解説
*4 公職選挙法関連条文(PDF)
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