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日 時:2001年11月6日(火)13:30〜 場 所:経団連会館 9階902号室 出席者:小林陽太郎代表幹事、 水口弘一副代表幹事・専務理事・広報委員長、 茂木友三郎副代表幹事 |
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冒頭、茂木副代表幹事から11月15日・16日に開催される第15回民間経済団体国際会議についての説明があり、その後、記者の質問に答える形で、@米国経済と日本経済の見通し、Aペイオフ再延期問題、B選挙制度改革、C小泉内閣の評価、D京都議定書批准問題、E失業率上昇と産業空洞化等について出席者から発言があった。 Q.先週発表になった米国の失業率、7-9月期のGDPがいずれも悪化し、日本でも昨日発表になった景気動向指数が9ヶ月連続で50%割れ、先週発表になった完全失業率もワースト記録を更新している。最近の日本経済、世界経済の情勢と今後の見通しについて伺いたい。
小林:米国の場合は、失業率が5.0%台の半ば位になると重要な事態だという一般的な認識があるようで、その限りでは米国経済の現状については注意して見守る必要がある。特に米国の場合は、9月11日の同時多発テロの影響が明らかに日本よりも大きい。ここのところ貯蓄性向も上がっているようだが、元々消費が大きなインパクトを受けては大変だ、という話しはそれ以前から言われていた。残念ながら9月11日の事件が、その好ましくないシナリオを強化しているという意味で、注意をしていかなければいけないということだ。結論として、米国経済の落ち込みが、来年後半に回復するかどうかは予断を許さないところに来ていると思う。当然、それによって日本やアジアの経済は影響を受けるわけで、失業率も5.0%から5.3%への上がり方が早いような感じがするが、リストラが進展する中で失業率が上がることは覚悟しなければならないし、ここで止まるとは思えない。 Q.ペイオフについて、麻生政調会長はじめ与党内で解禁の再延期論が浮上しているが、それについての見解を伺いたい。 小林:政治家だけではなく、経済界にもそういう人がいないわけではない。柳沢金融担当大臣も、一度延期をして検査をきちんと行い、足りないところには資金の注入をしてきたわけだから、ここで国が再延期を決めることは、一所懸命頑張っている金融機関に大きな意味でのモラルハザードが生じかねないので、予定通り解禁すべきだと言われている。我々も公式なポジションはもちろん、実体論としてもそうだと思う。もちろん以前から言われているように、経済の実体はもっと悪く、ペイオフ解禁をしたら金融界のシステミックリスクが大いに発生してしまうから大変だという議論もある。しかし、報道を見ても、流動性が高い方に預金が動いているなど預金者が自己防衛的に動き始めているわけで、再延期するという状態になっているとは思わない。もちろん、政府でも民間でも(ペイオフ再延期について)議論があることは承知しているし、麻生さんの政調会長としての立場を考えれば分からないでもないが、我々は再延期の必要は無いと考えている。 Q.与党の選挙制度見直し案が白紙に戻されて結論が一年先送りになったが、それに伴う形で選挙区の区割り見直しについても先送りの見通しになっているが、一票の格差是正を訴えている同友会として、この決定についてどう思うか。 小林:区割り勧告が12月22日に出たら、その結果を速やかに法案にしなければならないのに、それを引き伸ばすのは極めて好ましくないと思っている。それ以外にも、一部中選挙区化という与党三党案が一年先送りになったが、選挙制度そのものについても、与党のみ、政治家のみの討議で決めるのではなく第9次の審議会を作って第三者も入れてきちんと討議すべきだと考えている。区割り勧告を受けて、直ぐにアクションを取らないという決定については非常に遺憾だ。 茂木:代表幹事の言われた通りであり、区割り見直しについては、22日が期限ということは決っているわけだから、これを一年間凍結することには問題がある。一年検討するということだが、政治家だけでは利害の問題もあり、中立の第9次の選挙制度審議会を作って客観的に議論するべきだと思う。 Q.小泉内閣が発足して半年になる。田中外相の一連の問題でがたがたもしているようだが、この半年の評価を聞かせて欲しい。
小林:小泉内閣は、これまでのところは非常に良くやったと思っている。誰が(総理を)やっても非常に難しい経済の局面だが、小泉総理自身が、それが批判のあるところかもしれないが、基本的なポジションを全く変えずに、構造改革を表に出してあえて痛みを覚悟で進めていくということについて、今までのところは基本線を守っておられる。工程表等の具体性や時間的なスケジュール感が無いという批判があり、我々もそう思わないわけではないが、そうはいいつつも具体的な構造改革に伴う政策、特に以前から(政治的に)難しいと言われてきた特殊法人改革を第一に挙げて取り組んでいる姿勢を評価したい。できれば姿勢だけではなく結果が出るようにしてもらいたいと思っているが。不良債権処理問題も、経済の状況との関係で少しスピードを緩めたらという話しも出てきているようだが非常に厳しい胸突き八丁の局面に来ていると思うが、金融庁が金融機関の不良債権を更に精査し、それを金融機関が時価でRCC(整理回収機構)に売って、RCCがそれをマーケットするという機能を付けていく等の色々な問題があるにせよ、そうした具体的な仕組みが見えてきている。そういうことも含めた経済政策面でも、80点くらいの評価をしてもいいのではないか。 Q.資本主義を守るという意味でペイオフを先延ばしすべきではないという考えは分かるが、解禁が近づくにつれて金融資産が流動性の高い方に流れる動きは早まると思う。そうなると中小金融機関がかなりの影響を受けると思うが、その影響をどのように見ているか。また、その結果として(金融機関の)破綻が発生した場合どのように対応すべきだと考えるか。 小林:そうした資金の流れが起きているのは、預金者が自己防衛の為に行動している結果だと思う。それによる中小金融機関の破綻等については、一般論として議論するのではなく、実体としてどういうところにどのような問題が起きるのかに注意するべきだ。柳沢金融担当大臣の言われるように、具体的な中身や今まで検査してきたことと照らし合わせて、どういう手当てをするべきなのか、極論すれば手当てをせずにそのまま放置した方がいいところはどこかについて冷静に判断し見極める必要がある。具体的に問題が起きたときにどういう手を打ったらいいかということについては、今のところ同友会としても検討していないし、私にも対策はないが、全く何も無しでは済まないとは思っている。 Q.米国の批准を待たずとも京都議定書を発効すべきという動きが現れてきたが。 小林:同友会として正式にスタンスを決めているわけではないが、状況によってはそれもありえるシナリオだと考えている。川口大臣も米国に対して活発に働きかけをしているようであり、また米国側もマラケシュでのCOP7では最善の努力を尽くすと述べているようだ。これは日本自身の問題であり、米国が、今批准しなくとも、他に余程の問題が残らない限り批准したほうがよいと思う。ただ、現実問題として、米国が加わらないことによって、当初定められた全体としてのCO2削減効果に大きなマイナスが生じることは否めない。このことは各国も皆認識しているだろうから、継続して米国が加盟するよう働きかけていく必要はあるだろう。 Q.主に中国との関係で(産業の)空洞化問題が懸念されているが、日本はどう対処すべきとお考えか。
小林:日本が空洞化問題に直面するのは初めてのことではないし、米国、ヨーロッパなど他の国々も空洞化を経験してきている。空洞化に際してそれらの国々が採った手段としては、自由貿易という建前を掲げつつも、時限的にセーフガードやある種の輸入制限を採ることが挙げられる。また、最もオーソドックスな対策としては、比較優位の視点から長期的に見通しを立て、競争力が上がる見込みのない分野については思い切って見切りをつけて、その資源をより付加価値の高い分野に集中するという方法が考えられる。この二つの方策のミックスは、日本の場合にもあり得る選択だと思う。 Q.塩川財務大臣は空洞化への対応策として、国外から労働力を導入することについて発言されているが。 小林:この問題については、もともと空洞化の問題とは関係なく、将来的な労働人口の減少・不足を視野に入れて議論されてきたように思う。現実に失業が増加しつつある中で海外からの労働力を受け入れて、パイが大きくならなかった場合には国内の労働力を圧迫することになるのだから、空洞化に対する答えにはならないように思う。(企業が)海外に出て競争力の高い労働力を使うことに対してすら批判が起きるのに、それを国内に受け入れるというのでは、政治も持たないのではないか。 Q.内閣改造についてはどうお考えか。 小林:基本的に総理がお決めになることだし、全体を見た場合に改造しなければならない理由はないように思う。 Q.一政権、一内閣というお考えか。 小林:必ずしもこだわる必要はないが、小泉総理も言われているように、発足からまだ半年しか経っていないし、個別には意見もあるだろうが、全体として内閣改造の時期を迎えているとは思わない。 Q.不良債権処理の一環として企業再生ファンドの設立が検討されているが、どのようにお考えか。 水口:(企業の)再生に資金が必要なことは確実であり、その色々な供給源の一つの選択肢として考えれば、重要なのではないか。 小林:(企業を)再生する際にはRCCも資金を必要とする。不良債権を処分する側にとってフェアであり、なおかつRCCが買い取り後に市場で販売して利益が出るような時価を設定しなければならない。企業再生ファンドの有無に関わらず、RCCは資金が必要となるだろう。RCCに債権を市場で販売する能力やミッションがないことが問題なので、ここをどう強化してゆくかが課題だと思う。 水口:企業再生ファンドはRCCの代替物ではなく、あくまでも資金源の一つとして見るべきである。日本には1400兆もの個人金融資産があるのだから、これをいかに有効活用するのかという視点から見ても重要だろう。また、RCCの機能をどうするかという点について、今いろいろな試案が出てきているが、きちんとした形を作るべきだと思う。原点をしっかりと踏まえて取り組み、どのように展開するかを見守って行くことが重要だ。
以 上
(文責:事務局)
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