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記者会見発言要旨(未定稿)

日時 2005年1月18日(火) 13:30~
場所 日本工業倶楽部 5階 第6会議室
出席者 北城恪太郎 代表幹事
渡辺正太郎 副代表幹事・専務理事

冒頭、北城代表幹事より、昨日の官邸コンファレンスを受けて発表したコメント「政府系機関の民営化会社におけるガバナンスのあり方について」の補足説明があり、続いて記者の質問に答える形で(1)郵政改革、(2)憲法改正、(3)自民党の党大会、(4)小林前代表幹事宅の火炎瓶事件、(5)青色発光ダイオード訴訟の和解について発言があった。

Q: 昨日の官邸コンファレンスで、麻生総務大臣や生田総裁から完全民営化について、首相の求めるものと違う答弁があったように思うが、郵政改革法案の行方をどのように見ているか。

北城: 生田総裁や麻生大臣の意見も民営化反対というわけではなく、どのような民営化をするかということについての意見だと思う。生田総裁の意見は「あれもしてはいけない、これも駄目だ」では創意工夫ができないのではないか、民営化に向って政府の関与が減っていけば、それに合わせて自由度も増やして欲しいというものだ。今のまま民営化すれば非常に巨大であるので縮小すべきではないかということについての反論もされていたが、民営化に対する反論ではないと思う。どのような規模で、事業領域をどう定義するかは民営化に当たっての具体論であり、単に民間会社になっただけで、競争による創意工夫、効率化、サービス向上への努力が進まないのであれば意味が無い。民間と公平な競争ができるような環境作りが必要だ。従って、首相を中心とした監視委員会のようなものを作って、問題があれば、そこで民間とのイコールフッティングについての意思決定をすべきだ。

民主党が郵政の改革について、何をしようとしているのか良く分からない。これだけ小泉構造改革の本丸だと、言われているのに、それについて賛成なのか反対なのか黙って様子を見ていて、自民党が分かれるのを傍観している。政権を取ろうという政党は、「こうやる」とういことを言うべきだ。郵政改革を行うのか、反対するのか、行うのであればどうするのか。民主党は部会を作って検討しているようだが、政府案が全部出た後で、意見を言っているようであれば政権を取れないのではないか。政府がやる前に、(案を)出して初めて野党としての意味がある。何となくもう少し規模が小さくなればいいというような言い方をしているようだが、民営化賛成か、反対か、どういう民営化かを野党にも言って欲しい。自民党の中だけで割れているようであれば、自民党の中だけで政権与党と野党(がある)ように見える。

Q: 法案が出てから旗幟鮮明にするようでは遅いということか。

北城: 与党が何か決めて、後から良し悪しを言っているだけで、野党は何をするのか。自分が政権をとった後はこうするというのがマニフェスト選挙であり、民主党はマニフェストが大事だと言っている。小泉総理は「構造改革の本丸だ」といっているのだから、それに対して民主党はマニフェストで何を言うのか。少しは書いてあるが、今、これだけ議論されているのだから、どうするのか。同友会として色々提言を出してきているが、我々として郵政民営化について、年金と同じように本を出そうかと議論している。

郵政改革に(国民の)関心が無いというのもおかしい。小泉総理は構造改革の本丸であり、内閣を賭けてやるといっている。新聞社のアンケートのとり方も悪いのではないか。景気回復は大事かということと、郵政民営化と並べているが、郵政民営化は景気回復や経済再生のために行うことだ。非常に大きな範囲のことを小さく書いてしまっている。単なる郵政公社の改革ではなくて、国民のお金がどのように集められて、その出口はどうするのか、それに対する政府の関与はどうあるべきか。官から民への流れの中で一番大きな課題だと思う。小泉総理は、非常に良いテーマを取り上げると思う。郵政改革、三位一体改革、福祉、不良債権処理など良いテーマを掲げているので実行して頂きたい。形ばかりの改革にならないように期待している。

Q: 本日、日本経団連が憲法問題についての提言を正式に発表する。事前に報道されている範囲では、憲法9条に踏み込んでいるようだ。経済同友会は一昨年の4月に既に改憲の必要性に言及しているが、特に集団的自衛権については現行の枠内で対処すべきだと書かれている。改めて改憲および9条に対する考えを聞かせて欲しい。

北城: 基本的に憲法改正には賛成だ。今の憲法で現在の政治、経済情勢に合わなくなっている点があれば改正すべきだ。改正せずに単なる解釈論で、拡大解釈を続けることは好ましくない。従って、今の憲法9条の自衛権に関する問題について、特に自衛隊の戦力ということについては現状と憲法の主旨に齟齬が出てきているので、改正したほうがいい。集団的自衛権があるということ自体が国連で承認されているので、自衛権はあるということで良いと思う。9条だけではなく、私学助成についても、国の管理下に無いものにお金を出すことに対する(憲法上の)制約があり、これも現状に合わないので変えた方が良い。前文から抜本的に変える、そのために長い期間をかけるという(意見もあるが)、議論は構わないと思うが、憲法は60年毎に大改正を行うというものではないのではないか。国のあり方に対して、国民の考え方が変わってくれば、それを憲法の形でどのように作り上げるかを議論して、改正の必要があれば変える方がいい。それぞれの政党が色々な議論をして意見を出されるのはいいが、国民としてのコンセンサスが得られないことに長い議論を費やして、矛盾を残すよりも、多くの国民が納得できる分野から改正した方がいい。

Q: 9条については国民のコンセンサスが得られるとお考えか。

北城: そう思う。自衛隊の存在について多くの国民は支持していると思うし、活動範囲についても海外への貢献、特に平和維持活動や復興支援、最近のインド洋沖津波・スマトラ島沖地震の支援に自衛隊が出て行くことについて、国民は反対しないと思う。そういう意味で、現状、国民が考える自衛隊のあり方、戦力、自衛権の持ち方については、ある程度コンセンサスができると思うし、できた分野から改正した方がいい。

Q: 憲法改正について同友会としての意見を表明してから時間が経っているが、今後更にブラッシュアップした意見を検討する、発表するという考えはあるのか。また経済三団体で連携して、政党や政府に改正を働きかけるようなお考えはあるか。

北城: 同友会として憲法改正に向けて検討を進めるべきだという意見を表明しているが、憲法の草案の具体策を作ることには取り組んでいない。先ほどお話ししたように、憲法の前文から全てを作り直す草案というのは大きな作業になるので、政治の場で実行された方がいい。我々が(憲法改正と)言っているのは、具体的に矛盾がある点については解消するようなコンセンサスを作るべきだということだ。これから4月に向けて、来年度の事業計画を作っていくが、憲法改正について政治家からも経済団体からも色々な意見や具体策が出てきたので、再度、同友会で具体論まで作る必要があるという意見が出れば、取り組むつもりはあるが、現時点では、具体論、例えば個別の条文を作るようなことは行っていない。

他団体と連携するということについて、同友会は個別の条文等の作成を行っていないので、改正そのものについて一緒に行動しようというお話しがあれば行うが、個別の案件については共通認識ではないし、年金のように一緒にやろうとういことは議論していない。

Q: 今日発表される日本経団連の意見は、9条と憲法改正規定の96条に絞り込んだ内容と報道されている。国民の権利、義務や公共の福祉について言及が余り無いとも報道されているが、絞込みがなされていることも含めて評価を頂きたい。

北城: 絞込みをすることは結構だと思う。具体的に矛盾があって、国民が憲法の規定したことと現実の社会のあり方にギャップがあると認識したものから変えていくべきだ。もちろん改正のための手続きもそうだが、絞り込むことは結構だと思う。改憲しないでずっと来ていることがおかしい。戦後60年、日本のあり方はずいぶん変わってきたのだから、矛盾に対して、国民が何を望むのか、何が好ましいのかということを議論するということが、憲法改正の際に必要なことだ。それで、国民が何を求めるかというコンセンサスが決まれば、それに応じて憲法を変えていくことが正しい。余りにも沢山のことを一度にやろうとすれば、コンセンサスが成立しない。問題があるところから取り組むのが現実的でいい。

Q: 今日、自民党が党大会を開催するが、自民党が経済成長に果たしてきた役割の変化、特に近年についてどう見ているか、お考えを聞かせて欲しい。

北城: 戦後日本の経済発展の60年間の大半を自民党政権が担ってきたので、日本の経済復興に対して自民党は大きな貢献をしたと思う。政策的にも環境の変化をうまく取り入れて、柔軟な対応をしてきたと思う。戦後60年の日本経済発展を支えた、右肩上がりの成長、人口増加と経済成長が続くという前提が、特に人口に関しては崩れてきている。従って、追いつき、追い越せの経済発展の段階から成熟した日本社会が、今後どのように舵を取っていくかという、日本の国そのもののあり方について環境変化が起きてきている。戦後60年の還暦を迎えて次の60年に向けて自民党がどのような政策を打ち出せるか、政権を担う政党としてどう変革できるかが、今後の課題だ。そういう意味で小泉政権が掲げている構造改革は国として取り組むべき課題だと思う。過去60年の問題を直すというのが構造改革だが、その上で、どのように発展していくかという政策を打ち出して頂きたい。構造改革をやると言ってやらないのでは困るので、小泉内閣には構造改革を、政策として掲げるだけではなく、実行することを期待している。郵政改革はその一つの試金石だと思う。そのほかにも三位一体改革、社会保障改革を行ってきたと思うが、抜本改革にはまだまだほど遠い。郵政改革は、小泉総理が一貫しておっしゃっていた政策課題なので、本来あるべき姿での民営化を実行して頂きたい。

Q: 小泉総理の靖国神社参拝に対する発言に関して、小林陽太郎・前代表幹事の自宅に街宣車が来たり、火炎瓶が投げ込まれたりしている。言論を暴力によって封殺するような行為について、どうお考えか。昨年の代表幹事自身の発言についても、経済同友会の事務局に多くの抗議電話が寄せられているようだが、それも踏まえてお考えを聞かせて欲しい。

北城: 私は昨年、小泉総理が今のように内閣総理大臣という立場で参拝されることは考え直して頂いたほうがいいと発言したが、個別企業・業界の利益ではなく、日本の国益を考えたときに、近くにある大国である中国との良好な関係を作り上げて、相互に理解を深めていくことが必要ではないか。庶民、経済界、政治といった様々なレベルで交流を通して相互理解をしていくこと自体が日本の国益に結びつくという主旨で発言した。それに対して「そうではない」という意見も沢山あるし、色々な考え方があっていいと思うが、それぞれが立場の違う意見を述べ合う中で、日本としてどういう政策を取るべきかを考えていくべきだ。そうした意見の表明を暴力的に封鎖しようというのは、民主主義国家としての日本のあるべき姿としては好ましくない。色々反論は頂いているし、新聞紙上でも反対のご意見は頂いている。それは結構だと思うし、相互に誤解があれば正していくことは必要だと思うが、それを暴力で封じるというのは好ましくない。

Q: 知的財産は今後の企業成長にとって欠かせないと思うが、先日の青色発光ダイオードの訴訟の和解について、どのように見ているか。

北城: 知的財産は日本の企業活動にとって重要な課題だ。日本が科学技術創造立国として研究開発に力を入れて、その成果をもって日本、日本企業の発展を目指すという意味では非常に重要だ。青色発光ダイオードのような発明が行われたときに、それに対して多大なお金を支払うべきかどうかに関しては、企業は研究成果が出る、出ないにかかわらず、研究者に給与を払い、実験設備を提供し、そのための費用を使っている。研究成果が出るか出ないかのリスクは企業が負っている。例え発明が行われたとしても、それが事業化して成功するかどうかも分からない。良い発明をすれば、それがすぐに利益になるかというとそうではない。日本の大学では多くの特許を取っているが、ほとんどが事業化に結びついてない。企業は、事業化に当たって工場を作ったり、原材料を調達したり、広告宣伝をしたり、営業体制を作ったり、非常に多くの投資をする。それでも成功するかどうかは分からない。従って、成功したときだけ、「自分はこれだけ貢献した」とういことで、研究者に多大な支払いをするということ自体、企業活動を制約する。現実にそのような制度を取っている国は海外には無い。日本は、裁判によって研究者に対して多額の報奨金を払っている唯一の国だと思う。米国では、ほとんどの企業はそのようなお金を払っていない。知的財産は重要だし、研究者が良い仕事をするために意欲を持って取り組むための処遇は必要だと思うが、多大なお金を出せば良い研究ができるとは思わない。各国とも知的労働者がそれぞれの国に来ることを奨励している。工場立地も求めているが、それ以上に研究所に進出して欲しいということで競争になっている。そうしたときに、日本の研究所で研究をすると、成功したら多大なお金を研究者に払わなければいけないとなれば、日本に研究所を作るよりも、中国、米国、シンガポール、欧州に作った方がいいということで、研究所そのものを空洞化させかねない。日本の研究所は日本人しかいないものになりかねず、海外からの研究所の進出が進まない。ドイツには、やや日本と似たような仕組みがあるが、ドイツに研究所を作ること自体がリスクと言われているし、米国では社員と契約があるから訴訟は起きないと言われている。それはなぜかといえば、研究者が企業の研究所に入るときには、企業で行った活動に伴う特許の権利は企業に譲り渡すという契約をしている。自分で沢山お金を儲けたい人が、ベンチャーのような形で研究が成功したら多大な成果を得るならいいが、自分の生活は安心であり、リスクが無い、ただしうまく行ったときだけ沢山お金が欲しいという仕組みはうまく機能しない。米国で訴訟が起きないというのは、企業に入って研究するということは、安定した処遇をもらって自由な研究ができるという考え方があるからだ。日本では、リスクは負いたくない、ノーリスク、ハイリターンといっているわけで、そんなことはありえない。確かに二万円しか払わなかったというのは法外だし、それでは、研究者が会社に残って一生懸命研究しようというやる気が出ない。相応しいボーナスを出したほうが良かったと思うが、何百億円も払えというのも、また法外だ。今回法律改正で、企業と研究者の間で事前の協定ができればそれを尊重するということが決まったので、妥当な範囲に落ち着くと思う。

以上

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